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序章
懲りずにまた始めました
何の変哲もない日常が続くと思っていた。毎日同じような日々の繰り返し。朝起きて、登校して、授業を受けて、下校して、家で漫画を読んだりして。何の変化も刺激もない日々こそが、一番の幸福。そう私が気付かされたのは、二週間前に起きたあの事件の当事者になったからだろう。
多くの若者がその尊い命を散らし、生き残った若者達は人智を超えた化け物になり果てた。まあ、私もそうなんだけど。
甚大な被害と多くの祝福を与えた「集団転移事件」。その被害者である私達を人々はこう呼んだ。「ダンジョンズ・プレイヤー」と。