ポケモンの受難
時代はいきなり飛びますが、前項とも繋がりのある話なのでついでに語っておこうと思います。
ここで俎上に上げるのはポケモンGOです。スマホで街中を探索して、ポケモンをゲットするという、筆者にしてみれば何が面白いのかよく分からないゲーム。これの面白さが分からないという時点でもう筆者は時代に取り残されたオッサンである証左でしょう。そもそもスマホ持ってないし。(笑)
でも、これが商業的に大成功したというのは紛れもない事実なので面白いゲームなのでしょう。筆者はポケモン全作未プレイですが、いちゲームファンとして嬉しく思います。
しかしこのゲームがヒット以外に大きな社会問題を起こしたのは周知の事実です。
その社会問題のためにポケモンGOが大きなとばっちりを食ったのもまた有名ですので敢えて触れるまでもないでしょう。
これがとばっちりではなく、あたかも問題の本質がポケモンGOにあると信じ込んでいる人が意外と多いのが困りものです。
やはりというか、案の定、新聞の投書欄とかで直ちにポケモンGOの販売を停止せよ、みたいなものが散見されました。これ見た時は、ああ、やっぱりね。と、溜息が出たものです。(ポケモンGOが有料アプリかどうかも筆者はよく知らないのですが)
確かにゲームをやりながら道路を歩くなんていけないことだと思います。運転するなど論外でしょう。が、原因の本質はポケモンGOではなく、やってる人間の問題のはずです。そもそも歩きスマホ自体が危険だと以前から周知されているのですから。そういう人間はポケモンGOであれなんであれ、ながら運転を遅かれ早かれするものです。
それ以前のガラケー時代から、ながら運転は危険視され、今では取り締まり対象です。ツールを使う人間の意識を変える他ないと思います。今更普及した携帯電話を失くせと言えるのは持ってないし使えもしない、時代遅れの人間くらいです。昔は携帯電話なんかなかった、とかね。そういうことを言う人は大抵、時代に適応できない人です。そういう人がスマホを失くせと言うのなら仕方はありません。
そうではないのに、なぜポケモンGOだけを槍玉に挙げるのか理解できません。なぜスマホを失くせとならないのでしょう。ポケモンGOを潰したところで、スマホがある限りまた同じような問題が発生します。だからといって、スマホをこの世から失くすなんて不可能でしょう。投書者もそれがいかに馬鹿らしい論理か分かってるからそんなことは書かないのでしょう。
こんな意見が言えるのも筆者にとっては他人事だからなのかもしれません。もしも自身か、自身の縁者が被害に遭ったとしたら、感情的に同じ思いを抱くのかもしれません。でも、理屈の上ではやっぱり感情論は間違いです。憎むべきはポケモンGOではなく、ながら運転で事故を起こした奴です。そう考えるべきだと筆者は思ってます。
もしも自身がそんな事故に不幸にも遭ってしまい、寝たきりになったとしても、憎むべきは事故の相手です。理屈の上では。ポケモンGOではありません。
もっと言うなら、そんな奴の前にノコノコ出た自分にも落ち度があると思います。筆者はそういうつもりで日々、歩道を歩いています。自身が運転するときも、いかにも不注意な歩行者に驚かされることは多々あります。
筆者はまだそんな事故に幸せにも遭ったことがありません。その遭ったこともない、冷静な、客観的な目でそう言えるのです。これが当事者であったなら、感情が先に立ってそう冷静には判断できないでしょう。筆者はそういう奴です。
それはさておき、そういう下らない言説を投書欄は掲載するものです。ここで言う下らないとは、もちろん、事故を防ぐためにポケモンGOを失くせとかいうおかしな主張です。
投書者も掲載を狙って、あえてそういうおかしな主張を分かっててやってる可能性も否めません。が、掲載する側はれっきとしたジャーナリズムですので、責任感を持ち、面白半分でやらないでいただきたいものです。
このエッサイを校了して約一年後、筆者はめでたくスマホをゲットしました。