ミレアの話①
誰か私に文才をくれ〜。
小説って書くの難しいですね。
時間がかかってしまいすみません。
天使のミレアの言葉を信じ、私は彼女の話を聞くことにした。
「話を進める前に、涙をふきなさい。これからは明るいお話なのだからね」
そう言って、彼女は白いハンカチを渡してくれた。
ありがたいが、これどこから出した?
私の目がおかしくないのなら、空間を歪ませて、そこから取り出さなかったか?
普通に怖いんですが?
あまりの出来事にすぐに涙が引っ込んだ。
しかし彼女は当たり前のように行うものだから、何も言えずに呆然としてしまった。
……気にしても仕方ない。顔ふこ。
「さてどこから話しましょうか」
「私が聖女に認められたことを詳しく知りたいです」
「それもそうね。魔女として処刑されたのに聖女として認められたと言われてもわけわかんないよね。まず貴女が処刑された当時はまだ貴女は魔女だった。でも貴女の死後、貴女のことを信じていた人間たちが貴女が聖女であると証言したのよ。もちろん証拠も集めてね。そしてそれが認められた。まぁ神や天使の私たちの声を聞いて、忠実に働いていたもの、当然よね。まっ、私は別の世界の天使だけど」
「つまり私のことを信じていた人々が、私が聖女であることを証明してくれたと?」
「ええ、その通りよ。あと敬語じゃなくていいわよ。もっとフランクにしてちょうだい」
「……まぁお言葉に甘えて。
そうか。私の行いはやはり正しかったのか。
ふふっ。よかった」
「聖女として認められるのにまた別に物語があるんだけど、今回は横に置いとくわ。長いし」
「え、そんな粗雑に置かれても……」
「いいのよ。重要なのは貴女を信じる人間が多かったこと。だからこそ貴女の行いは正しいと、聖女であると認められたということが分かればいいんだから」
そうだけど、なんだろ。なんか納得いかない。
……聖女として認められたことはまぁ理解した。
「とにかく貴女は聖女として認められた。だからこそ貴女は別の世界で生きることを許されたのよ」
「その別の世界というのは?」
「私たちが管理する世界アルセレスのことよ。本来なら、1つの世界ですべてが解決する様に世界は作られてるわ。輪廻転生ってあるじゃない?地球で生まれたのなら、地球で死んで、魂は新しく生まれ変わり、また地球で生まれる。つまり、別の世界に行くということはかなりの特例であるということなのよ」
「その特例に私は許されたというわけか。なぜだ?」
「ミカちゃんが貴女を助けたかったから」
「は? ミカちゃん? だれ?」
「天使ミカエルよ。貴女に声を届けた」
「ミ、ミミ、ミカエル様が!?」
「そうよ〜。貴女の頑張りを彼女はとても褒めてたわ。よっぽど貴女が可愛かったのね。貴女が処刑されるってなった時かなり怒ってたのよ。処刑された後はもうひどく泣いてたわ〜。まさか私のところに愚痴りに来るとは思わなかったわ」
「ミカエル様が泣いてくださったのか!?……なんてことだ。」
「そうよ。吹っ切れた彼女はすごかったわよ。貴女の魂をずっと守ってたのよ。輪廻転生の流れに飲み込まれないようずっと近くで。勝手な話だけど、どうしても貴女があのような形で終わることが許せなかったみたいでね。」
「なんと光栄なことだ……」
「でね、貴女処刑されたとき炎で思いっきり燃やされたじゃない?あれね、身体だけじゃなくて、魂にまで傷を負わせる結構えげつない処刑なのよ。だから最初は魂の損傷がひどくて見てられなかったわ。なのにミカちゃんったら、魂を完全に回復させるって言って聞かなかったのよ。ホント無茶するわ〜」
「魂? その魂が傷つくと、どんな問題があるのだ?」
「魂というのはいわば記憶なのよ。貴女という人格や軌跡を記憶してあるの。輪廻転生ではそれらをまっさらに消去して新しく生まれ変わることなのよ。本来であれば貴女は輪廻転生の輪に入って新しい人間になるはずだった。けどミカちゃんが嫌がったのよ」
「ミカエル様……私なんぞのために」
「魂ってかなり繊細なものなの。だから回復させるのもかな〜り難しいし時間がかかるの。それにさっきも言ったけど貴女の魂はかな〜り傷ついていた。だから大変だったのよ」
「……具体的には、どう大変だったの?」
「針に糸を通し続ける様な繊細な作業を約600年続けた」
「600年っ!?」
「魂の回復ってほんっっっっっとに大変なのよ。少しでも失敗したら人格に影響があるし……貴女が完全に回復できているのはホント奇跡なのよ」
「なんということだ……」
「ミカちゃんにしっかり感謝しなさい」
「全くだ」
ミカエル様、本当にありがとうございます。
本題に行けると思ってたけどいけなかった…
もうちょっと、もうちょっとだけお付き合いください〜