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騎士隊

一向に街に行かん……

髪をしっかりと整えて、私はリビングに戻った。


「うむ。さっきのジャンヌもおもしろかったが、今の方がかわいいな」

「……そうはっきりと言われると恥ずかしいわね」

「私はどちらもかわいいと思いますわ」


二人ともそんな優しい表情をしないでくれ。

本当に恥ずかしい……


「じゃ、じゃあまずセレナさんについて教えてくれ」

「ああ。長女のセレナはしっかりものでな。頭がよくて、芯の通った子だ。マリアにものすごく似ておるから、見ればすぐにわかるだろう」

「へ~」

「それに結婚もして、子どももおる」

「え!? 結婚してるの!?」

「おお、そうだ! 子どもは1歳になったばかりの赤ん坊でな~。これがまたかわいいんだ~」


レドーさんが今まで見たことないくらいに顔がゆるんでる。

ちょっと気持ち悪いな。

しかし、結婚か~。ちょっとあこがれちゃうな、やっぱり。

……私はもう聖女じゃないわけだし、少し夢見ちゃってもいいかな。


「あの子は今とても大変な時期ですけど、暇を見つけては会いに来てくれるのです。母となりましたが、私たちにとってはセレナは私たちの子ですので、頼ったりしてもらえると嬉しいものです。もちろんジャンヌちゃんも私たちを遠慮なく頼ってね」

「あ、ありがとう」

「それにな、あの子の旦那はロイドといって、このレネスの騎士隊の隊長なんだ」

「え?」

「それにロイド君は領主様の兄です」

「え!?」


え!? 待って、すごい情報が立て続けにきたぞ!?

と、とりあえず騎士隊について聞こう。


「騎士隊ってなに?」

「お前さん騎士隊を知らんのか?」

「ええ、恥ずかしながら。騎士とは無縁の生活をしてたものであまり詳しくはないわ」


む、無理があるかな~。


「う~ん、まぁ、なるほど。旅をしてたわけだし、そんなもんか」


よかった。納得してくれた。無理やりぽかったけど。


「騎士隊っていうのは簡単に言えば守り人みたいなもんだ。領主様や街を守り、民を守る。それに関わること全般が仕事になるからな。討伐任務もあれば街の清掃や見回りといった任務もある。まぁお役所仕事っちゅうわけだ」

「領主様のそばで働くことが多いわけですからね。戦うだけがお仕事ではないのですよ。夫も言ってましたがお役所みたいなものですので、どちらかといえば雑務の方が多いですね」

「なるほど」

「まぁそれでも人気ある職なのは変わるまい。給料もいいし、何より誇りになる」

「仕事がイメージと違うと言われがちですが、それでも街を守ることに変わりません。大変ではありますが、領主様の近くで働けるというのは、やはりやりがいがあるそうですよ」

「そしてロイドはその騎士隊の隊長を務めておるわけだ」

「ほぇ~」


なるほどな~。

騎士隊というのは要するに公務員みたいなものか。

それは確かに人気というか、やりがいがあるというか、まぁ納得だな。

そういえばミレアも警察みたいな職だとか言ってたっけ。

そしてロイドさんは隊長というすごい立場にいて、セレナさんはその奥さんというわけか。


「なんというか、ロイドさんもセレナさんもすごいな」

「ふふっ。昔から仲良しで、ロイド君の隣にいましたからね」

「結婚もすんなりいったぞ。ロイドならわしも言うことはなかったしな」

「昔から?幼馴染とかだったのか?」

「ああ。わしが領主様の父親とよくつるんでおったという話はしただろ。その関係でな、よく子どもたち同士で遊んでおった」

「ロイド君は正義感の強いまっすぐな子でした。それに付き添っていたのがセレナで、ロイド君が無茶をすればセレナが良く怒ってました」

「ロイドはわんぱく坊主だったからな。セレナは怒りながらも仕方ないなぁと笑っておったな」


なにそれ、超かわいいんですけど。


「それでおもしろいのがアリアのやつもロイドの惚れててな。見てて微笑ましかったわい」

「ふふっ、そうでしたね。でもロイド君はセレナ一筋で、アリアの想いには気づいてなかったわね。私たちは二人とももらってくれてもよかったんだけどね」

「ロイドは妻は一人だけと言いきったからな。アリアのやつも分かりきっていたからこそ、つらかったろう」

「そ、それは確かにつらいな。……アリアさんは大丈夫だったのか?」

「アリアはロイド君がセレナと付き合う前に告白したの。ロイド君は驚いたけど、アリアの想いを受け止めたうえで断ったのよ。だからアリアもしっかりと乗り越えることができたわ」

「だからこそ今では笑い話として話せるんだ。アリアのやつは話すと顔を真っ赤にするがな」


それは赤くなるでしょ。レドーさん、悪い顔になってるわよ。

それにしてもアリアさんには気難しいイメージしかなかったけど、可愛らしいところもあるのね。

気が合うって言ってたし、ますます会いたいわ。


「あと、二人とももらってくれてもいいって言ってたけど、この国は一夫多妻制なの?」

「基本的にはどこもそうだな。逆の多夫一妻もあれば、もちろん一夫一妻のところもあるし、同姓同士も認められてる。禁止してる国もあるからすべてがそうとは言えんが、自由ではある」

「<愛は自由であるべきもの。罪を犯さなければ抑え込むべきものではない。>という教えがあるの。だからいろんな結婚という形が存在するわ」

「へ~。それでロイドさんはセレナさんだけを妻にって言ったんだ。かっこいいな」

「本当にセレナ一筋だったからな。それを裏切ることもない、いい男だ」

「支え続けたセレナも頑張ったわね~」


本当にお互いに一途だったんだな。

素敵な関係だなぁ。

……私は今後そういう関係に発展しそうにない気がするのはなぜだろう。

長女の話は書ききりたかったのに、終わらなかった orz

これ次女と3女もやばい?

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