広岡マン!今季限りでこの世から撤退!
「ええ、我々、広岡マンは、一定の成果を得たと、いうことでこの世から、今シーズン限りで撤退することと致しました」
10月5日。広岡マンはこの世からの撤退を発表した。この話題は、世界を駆け巡り、イタリアで詩を製作する、ムラカワアオイの耳にも、この知らせは届いた。イタリアのムラカワの創作場所、「喫茶Ⅴ」へ、我々はインタビューを申し出た。
「アオイ君。今、広岡マンがこの世から撤退することを発表しましたが、どんな、お気持ちですか」
「広岡マンがこの世から撤退することは春先に聞いていた。それが、噂であってほしいと、ずっと、願っていた。今までの成功を考えると広岡マン、なくして語れない。87年にロータス広岡マン。88年からずっと、マクラーレン広岡マンで、この世チャンピオン。広岡マンの一員であったことを誇りに思う。神戸、明石、姫路の広岡マンスタッフに心からお礼を言いたい」
ムラカワは涙を流し、「喫茶Ⅴ」から、パソコン片手に走り去った。ムラカワは広岡マン、そのものであった。三度のワールドチャンピオンも、広岡マンなくして語れない。ある時は喜びを分かち合い、ある時は叱咤激励。ある時は広岡マンのダジャレにつき合わされて、うんざりしていた。
しかし、ムラカワは、この世で広岡マンに、世界中の誰よりも感謝している詩人なのかもしれない。