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1分程度で読める、掌編小説集です。「こちら」から、他の掌編小説を読みにいけます。

人の上に成り立つ理想

作者: 行世長旅

働かずに生きたい。


これは誰しもが1度は考えたことがあるのではないでしょうか。


つらい労働から解放され、自由に暮らしたい。

夢と表すに相応しい妄言ですね。


中には、仕事が生き甲斐、と思っている方もいるでしょう。しかし、仕事である以上制約が付きます。


お金に変えるためには、時に我欲を押さえなければならない。そんな場面は必ずしもあります。


では、妄言が実現されたらどうなるのでしょうか。


暮らすお金には困らず、職場という強制収容所に時間を取られるわけでもなく、望まない人間関係に付き合わなくてもいい。


自分の時間は自分の思い通りになる、そんな自由。


羨ましいですね。


しかしこの夢は、全員が叶うわけではありません。


そんな妄想が本当に実現するわけないじゃん。という安易な否定ではなく、世の中の構造的(・・・・・・・)に叶いません。


仮にその夢を全員に実現させてみたとしましょう。

するとその瞬間から、労働者はいなくなります。


電気を送っていた電力会社は機能を停止し、部屋の明かり1つ点かなくなります。


水を飲もうにも水道会社が機能していないため、飢えや渇きを満たせません。


買い物をしようにも、スーパーもコンビニも何も営業していません。物を盗み出すことは可能かもしれませんが、そんな僅かな資源など全員で奪い合えばすぐに無くなってしまいます。


どうでしょうか。

ケータイを弄りながら好きな娯楽に興じ、飲食も睡眠も全て自由になる夢のような生活は、絶対に叶いません。


世界は、1秒で崩壊します。


働かなくても生きていけるという選択肢があるのは、それだけ他人が労働を請け負っているということです。


だから労働はしなければならない。……などと言うつもりはありませんが、遊んで生きている人間に「お前は俺が働いてるから今の生活があるんだぞ」と心の中で優越感に浸るくらいはしてもいいと思います。

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