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異世界の旅路はトップ解決で  作者: ふきの精
旅路の始まり
18/28

18



 騎士団の駐屯所に辿りついた私は、

伊吹とともに今回の恩賞を受け取った。

貨幣の事は女将さんや村長さん達に教えてもらっているので、

けっこうな大金だとわかる。


 「銀-5の魔物ならば適正な報酬だよ。

 それだけのことを君たちはやってくれたんだ。

 遠慮せずに受け取ってもらいたい」


 バイカルさんが言うには、リベルさん達にも各自

同じくらいの報酬がでているとのこと。

そういえばリベルさん達はギルドに属しているんだっけ。

あまりギルドのことを詳しく聞く機会が無かったけど、

会いたければギルドの人に伝言を頼めばよさそうかな。


 「イブキはもう出ていくのか?

 なんならしばらくは滞在してもいいんだぞ」


 「いえ、姉とこれからのことを話す必要もありますから、

 今日から出ようと思います。今までありがとうございました」


 そう言って深くお辞儀をする。いつもよりも改まった口調の伊吹を見て、

なんだか中学の卒業式を思い出した。

まだあれから一年もたってないのになんだか懐かしいな。


 「何か困ったことがあれば尋ねてくるといい。

 最初はなかなか慣れない生活で大変だろうからな」


 「はい、その時は遠慮せずに頼らせていただきます」


 その後ラハンさんと冗談半分、寂しさ半分な会話をしたり

ジュナさんから心配性なお母さんのような振る舞いをされたりしつつ

私達は騎士団の駐屯所を後にする。



 「ふふふっ」


 「なんだよ姉ちゃん。やけに嬉しそうだけど」


 あれ、顔が自然にほころんでたのかな。


 「伊吹がみんなに大事にされてたんだなぁって思ってね。

 姉としてなんだか嬉しくなったの」


 「……」


 伊吹が無言で先を急ぐ。

ちらっと見えた顔はやけに赤かったのちゃんと見えてるからね。

私は足早に歩く伊吹の後ろについて行くように、歩みを早めた。



 「そういえばどこにいくんだっけ?」


 突然足を止めて問いかける伊吹。いや弟よ…わからないで歩いてたの?


 「伊吹…あなたどこに行くつもりだったの?

 バイカルさんにステアを紹介されたでしょ」


 ステア…元の世界で言うアパートのようなもの。

町などは村などと違って家を持ってる人が少ない。

これは単純に土地の広さと人口密度の問題からなんだそう。


 この世界は魔物が徘徊している為に、

それらの侵入を防ぐ壁がつくられている。

村にも簡単な柵があり、警備の人がたってたけど町は石壁で囲まれている。

壁で囲むとどうしても面積が限られてしまう。

それに人が多く集まるので、住む人も多くなる。



 結果として冒険者の人だけじゃなく、

町の住民の人達もステアに住むことになる。

一部の貴族の人とかは屋敷に住んでるみたいだけどね。

ステアにも色々あって、一日単位で借りるところや

年単位で借りるところなど様々。

治安面も上から下まで広く、

私たちが紹介されたのは迷い人の為のステアなんだとか。


 ステアを管理する人も私達が異世界から来たって分かっているので、

こちらも接しやすいね。このあたりのサポートがあるっていうのも有難い。


 今度は私が伊吹を先導するように歩きはじめる。

幸い場所はこの通り沿いにあるので、迷う事はない。

大通り沿いにあるのは、道に迷いやすい迷い人の為を考えてのことかもしれない。

ちょっと脇道に入ったら、元の場所にもどってこれそうにないし…。


 「露店も色々珍しい物が売ってるわね。

 一度ステアで部屋をとったらみてまわろっか」


 物珍しそうな顔でキョロキョロする伊吹に提案する。

あぁ、目を輝かせて頷いてる。

この辺はやっぱり男の子だなぁって気がするね。


 さて、歩くこと数分。目の前にある木造の古めかしい建物。

鉄筋コンクリートのアパートとは違い、洋館といった趣の建物。

ただいくつも扉があるし、独特な雰囲気がする。

分かりやすく言えばアパートを洋風の館にイメージチェンジさせたみたいな?

ただ他にも幾つもこういった建物が見えるから、

こっちではこれが普通なんだと思う。


 私達はロビーと併設されている受付に足を運ぶ。


 「すみません、部屋をとりたいんですけど」


 受付にいるのは清潔な身なりの女性。こうして見るとホテルっぽい気もする。


 「はい。こちらは迷い人の方専用のステアとなっております。

 お客様はどなたかの身元保証をうけてられますでしょうか?」


 「はい、これでしょうか…」


 私は村長さんに書いてもらったものと、

さっきバイカルさんから貰った伊吹のものとを見せる。


 「ええっ、いつのまに…」


 後ろで伊吹が驚いた声をだしてるけど、

ラハンさんと話し込んでいた時に受け取ったんだよね。


 

 「……はい、確認いたしました。たしかに公的な保障をうけておられます。

 当ステアにお越しいただきありがとうございます。

 最初にステアについての説明をさせていただきますが

 よろしいでしょうか?」


  私達は受付のお姉さんから基本的な説明を受ける。

要約するとステアはアパートのようなものだった。

うーん…二部屋とってもお金がもったいないよね…

とりあえず一部屋を一週間借りておこうか。


 「えっ!? 姉ちゃん一緒の部屋にするのか?」


 私が受付の人と契約の話をしていると、

伊吹が驚いた顔で割り込んでくる。


 「一部屋ずつ借りるのもったいないでしょ。

 まだちゃんとした仕事も探していないんだから」


 「けど…」


 他人同士なら男女が一緒の部屋というのは問題あるかもしれないけど、

姉弟なんだから遠慮することないのに。

あっ、ひょっとして…


 「着替えを覗いたの気にしてるのだったら、

 今朝みたいに見えないようにすればいいのよ」


 「ちょっ!? 姉ちゃん何言ってんだよ!」


 焦るに焦る伊吹を不思議そうに見る。

男の子はこういうところ気になるのかな?

結局伊吹がそれ以上何も言わなかったので、

受付の人にそのまま契約をしてもらった。


 「へー、結構広い部屋だね。これなら二人でも十分な広さじゃない?」


 部屋に案内された私達は、部屋内を興味深くキョロキョロする。

契約した部屋は二人から三人用だったので、かなり広く感じる。

家具は最低限あるって聞いてたけど、

見たところベッドは三つあるしチェストもある。

あっ、ドレッサーまである。鏡は流石に元の世界のものよりは

精度が悪いけど文句はいえないかな。

特に買い足さないといけないものはなさそう。


 「もうすぐ夕方になるわね。

 早めに夕食をとって今後の事を話し合いましょうか」


 朝早くに村を出て、今は夕方前といったところ。

獣車の中で寝てたけど、やっぱり長旅は疲れるね。

伊吹はなんとなくまだまだ元気そうだけど、

スポーツしてたから私とは体力自体違うんだと思う。


 「そうだな。カードのこととかも情報共有しときたいし」


  ということで、受付の人に食事が出来る場所を聞いてみた。

というか受付というよりは管理人さんと言ったほうが良いのかも。


 「それでしたらこのステアの右隣にある止り木亭が良いと思いますよ。

 夜は酒場になりますけど、まだしばらくの間は食堂の時間ですから」


 うん、隣っていうのは助かるね。

というか、昼は食堂で夜は酒場っていう形態が多いのかな?

村の食堂もそんなかんじだったし…。


 「ありがとうございます。そちらに行ってみます」


 私は管理人さんにお礼を言って、伊吹とともにステアを後にする。



  外は雲ひとつない晴れやかな青空が広がっている。

止り木亭はこの時間、そんなに人がいなかった。

もうお昼はかなり過ぎてるし、夕食にもまだ早いからかな。

とりあえずお勧めのものを用意してもらった。


 「おっ、うめぇ!」


 伊吹はアルルバードのシチューを美味しそうにかきこんでる。

お腹…減ってたのかな?

私の方はベル鹿と木の実のソテー。うん………美味しいわ。


 「そういえば、姉ちゃんこれからどうやって生活していくんだ? 」


 「そうね…とりあえず食堂のウェイトレスでも探そうかなって思ってるけど…

 ここは人手が足りてそうだから無理かもしれないけどね」


 この時間にもウェイトレスさんは二人いる。

お昼の忙しい時間はわからないけど、今の状況を見る限り

募集をしているようには感じない。

まぁ町だし食堂もたくさんあるだろうから何かしらあると思いたいけど。


 「そっか…あのさ…」


 なんだか伊吹が言いにくそうにしている。

どう切り出せばいいか迷っているというか…


 「俺って騎士団に誘われてたんだ。でも姉ちゃん探す必要があるし、

 姉ちゃんは元の世界に戻りたいって言うと思うから

 その話は断ったんだ」


 バイカルさんが手助けしてもらったっていってたけど、

そこまで伊吹のことを買ってくれてたんだね。

うん…自分の事じゃなくてもなんだかうれしい。

ただたしかに騎士団にいたらそこで束縛されてしまうし

元の世界に帰ろうと考えてると騎士団では身動きが出来なくなるかもしれない。


 「けどなにかしらの収入は必要だし…俺、冒険者をやってみようと思うんだ」


 冒険者…


 「幸い俺には戦う力があるし…

 なによりせっかくこんな違う世界に来たんだ。色んなところを見てみたいし

 この力も思いっきり使ってみたい」


 真剣な表情で私に訴えかける伊吹。正直なところ…冒険者をしてほしくはない。

リベルさん達と接して冒険者という生き方もいいかなと思う気持ちはある。

でも…伊吹には危ないことをしてほしくない。戦う力があるといっても

その力が万能な物でないことは、自分でもよくわかる。


 ……でも…こうやってまっすぐに目を見て話す時は、

もう心に決めてる時なんだよね。

それなら、真っ向から否定するのじゃなくて

手助けしてあげるべきなのかもしれない。


 「…わかったわ。伊吹がそう決めたのなら私が何を言っても駄目だろうし」


 私がそう言うと途端に表情を明るくする伊吹。

今朝危ないことをしてきた伊吹を問い詰めただけに、反対されると思ってたのかな。

賛成してもらえるとは思っていなかった顔だ。



 「でもひとつ条件をだしてもいいかな?」


 「えっ? 条件?」


 キョトンとする伊吹。

うん…こっちも伊吹が冒険者になるのなら譲れない事があるんだよね。


 「私も一緒に冒険者になります」


 「いや、姉ちゃんはウェイトレスをするんじゃ…」


 「それは二人とも町で働いた場合よ。

 心配なのよ。だから私も一緒に連れていくこと。

 これが私からの譲れない条件」


 「いや、外は魔物も多いし危険な場所もあるし…姉ちゃんは町にいてくれよ」


 伊吹は困ったような顔で私を説得する。

でも心配してくれるのはありがたいけど、

それはこっちも同じなんだよね。

それと…また会えなくなるかもしれないと思うと

心がギュッと締めつけられそうになる。

伊吹を一人にさせたくない…そんな気持ちで元の世界に帰ろうと思っていた。

そんな時、思わぬ再会を果たすことが出来た。

あのときの気持ちをもう味わいたくない…

それが本当の理由かもしれない。

しかも…万が一命を落としてしまったら、

もうどの世界に行っても会えなくなる…。


 正直言うと魔物との戦いは怖い。

森で苔人間に襲われた時のことを、いまでも思い出すと恐怖が蘇る。

土地喰らいのような巨大な魔物と戦う事もこの先あるかもしれない。

それでも…町で帰りを心配して待つよりも、隣で支えてあげたいと思う。


 その後、伊吹が何度か思い直させようと言葉をかけるが私の意志は揺るがない。


 「………わかったよ。それじゃあ姉ちゃんも一緒にギルドに登録しよう」


 説得は無理だと思ったのか、伊吹が私の条件を受け入れる。


 「でも…あんまり無茶はしないでくれよ」


 「そのセリフ、そのまま伊吹に返すからね」


 ようやく話がまとまった私達は、食堂を後にする。ずいぶん長く話してたのかな。

外にでるとぼんやりと空に赤みがさしていた。



 夜、寝る前に私達はベッドに腰掛けて真剣な顔で向かい合う。

見ているのは…手元のカードだけどね。


 冒険者として生活するからには、戦う為の力をつけないといけない。

幸い私達にはカードの力があるので、

それをいかに使いこなせるかが大事になってくる。

ゲームでは協力して戦うというのがなかったので、

二人でどうデッキを組み合わせるか

頭を悩ませている。とはいえ、私はそんなに難しいカードは使えないんだけど。


 「姉ちゃんはそのデッキを強化していくのが良いと思う。

 使い慣れてるっていうのが大事だと思うし」


 「ええ、そうさせてもらうわ。使ったことのないカードは不安だし」


 ゲームと違って命がかかっているからね。危ない橋は渡れない。

そういえばポイントが溜まっている。今のポイントは1450。

前回みた時は最後550だったからかなり増えている。

土地喰らいを直接倒したわけじゃないけれど、

戦ったことでもポイントになったのかもしれない。


 「そういえば伊吹ってポイントいくつあるの?」


 伊吹は騎士団の人達と一緒に戦ってたらしいから、結構溜まってるのかな?


 「えっと…80かな」


 「……ええーっ!? どうして私よりも少ないの? 

 騎士団の人達と戦ってたんじゃないの?」


 まさかの数字にびっくりした。


 「あぁ…溜まったらすぐにパックを購入してたから…」


 なんという………いや…ポイントがカード購入にしか使えないのなら、

それが正解なのかもしれない。


 「私は他にポイント使うことがあると思って溜めてたけど、

 使ったほうがよかった…ん?」


 伊吹が私の言葉に愕然とした顔をしている。

ひょっとして考えなしに使ってたのか……。


 「はぁ…とりあえず二パックほど購入してみるわ。

 デッキを編集しようにもカードが少ないから」


 そう言ってパックを購入することを意識する。

んー……いいものでないかなぁ…。


 ポイントが減った瞬間、目の前に十枚のカードが輝きながら現れる。

うん、やっぱり幻想的な光景だ。



 「あっ、俺にもみせてよ」


 伊吹が私の横に来てカードを眺める。かなりパックを購入しただろうけど、

やっぱり気になるんだね。どれだけカードをもっているのやら…

私は目の前に現れたカードをみていく。



ジャングルサーペント


 ブロンズ   コスト3   エナジー10

 アタック 30  ライフ 35



ホビットの細工師


 シルバー   コスト3   エナジー10

 アタック 10  ライフ 5


 エナジー2: あなたのコントロールする

       全てのマジックアイテムのエナジーを1回復する。




リッチと化したエルモンド


 ゴールド   コスト5   エナジー10

 アタック 30  ライフ 20


 エナジー2: あなたの墓地にあるスペルカードをデッキに戻す。

       手札から一枚カードを捨てるなら、それはデッキではなく手札に戻す。



マナジュエル


 シルバー   コスト1   エナジー10

 マジックアイテム


 エナジー1:マナを1入手する。この能力は一ターンに一度しか使えない。




叡智の魔道書


 シルバー   コスト3   エナジー5

 マジックアイテム


 このカードが場にある間、あなたの手札の最大数を+2する。

 このカードが場に出た時、あなたはカードを一枚引く。

 



スペル・ストーンアーマー


 ブロンズ   コスト1   スペル属性・土

 

 あなたのコントロールするユニット一体はターン開始時までダメージを受けなくなる。

 ただしアタックも行えなくなる。




スペル・死神の手


 シルバー   コスト5   スペル属性・闇


 対象のユニット一体を破壊する。



 他はごく普通のブロンズのカードだった。

ゴールドもだけどシルバーも多い。これは当たりじゃないかな?


 「うぉっ、エルモンドだ。スペルが回りだすとえげつないんだよなぁ。

 エストラードがいればダブルスペル決めれるし

 失われた図書館だしとけばぶんまわるし…ブツブツ」


 伊吹がわけのわからない事を言い始める。日本語でお願いします。

いや…日本語なんだろうけど…。


 ジャングルサーペントはおなじみのバニラなユニットだ。

正直このくらいシンプルな方が使いやすくて好きかな。

ホビットの細工師は、マジックアイテムを並べるデッキだと使えそう。

マナジュエル、叡智の魔道書もわかりやすい効果だ。

どちらもアドバンテージをとりやすい。



 ストーンアーマーはガードの為に使うくらいかな。

攻撃したあとにスペルを使って

ガードにも回すって使い方も出来るけど、

下手にアタックして倒されたら使えないしなぁ…。


 死神の手は……これこっちの世界だととんでもないカードになるんじゃないかな。

これを使えば土地喰らいも倒せたんじゃ…


 「ねぇ伊吹。この死神の手って…使ったらひょっとして土地喰らいも倒せるの?」


 私の言葉に伊吹は少し考える。


 「うーん…たぶん倒せると思う。他のスペルは効果あったんだし」


 ということはどんな魔物も一撃? 

ゲームでも大型のユニット対策として使えたけど、

私のデッキみたいに小型のユニットをたくさん並べるタイプには使いにくかった。

こっちの世界でも数が多い魔物には使えないだろうけど…

それでも土地喰らいを一撃で倒せるなら怖ろしいカードになりえる。


 「ただ…たとえばこういうカード」


 そう言って伊吹が一枚のカードを目の前に出す。



天上の番人アルナ


 ゴールド   コスト3   エナジー10

 アタック 25  ライフ 30


 このユニットはスペル、能力によって破壊されない。

 このユニットはスペル、能力のダメージを受けない。


 エナジー3:対象のユニット一体に上記の能力をターン開始時まで付与する。



 「こういった能力があるユニットには効果がない。

 こっちの世界の魔物にもひょっとしたら

 そういう能力を持っているものがいるかもしれない。

 もしくはスペルを無効化するとか…」


 そっか。たしかにそういった能力があってもおかしくないね。 

いざ使った時に効果がないってなったら、そのまま命を失いかねない。


 「あと、できるだけこの手のカードは使わないほうがいいと思う。

 もし相手を即死させるような力が使えるってわかったら…

 変なトラブルにまきこまれかねないし」


 うん。伊吹の言うとおりだね。おまけにカードを都合よく引けるとも限らない。

強い力を持っているカードがあるとしても、過信はするべきじゃない。

過ぎた力を晒してしまって権力闘争にまきこまれるとか、

小説なんかでよくある展開だ。

元の世界に戻るまでは、できれば平穏に過ごしたい。


 「とりあえず俺の中で姉ちゃんが使えそうなカードをピックアップするから

 どれかとそのエルモンドを交換してよ。

 スペルデッキにそのカード後一枚入れたかったんだ」


 「いいわ。私じゃたぶん使いこなせないし」


 こうして私と伊吹は夜遅くまでカードを挟んで話し合いを続けた。

うん…ここが異世界とは思えないくらいに何度となく繰り返した光景。


 それはほんの少しだけ、私達に日常が戻って来たんだと感じさせた。

 




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