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セブンブレイブ―知ってるようで知らない世界で―  作者: 屋野五月
第一章 ゲームの始まり
6/14

まずは挨拶から

途中視点が変わります。

「・・・・・・さん」


・・・・・・?・・・人の声が聞こえる。


「・・・・・・キ・・・・・・さんっ。」


 誰だろう?聞いたことのない声だ。

 疑問に思いつつも、ひどい眠気で頭は回らない。瞼の重さが過去最高に思い。

 体を揺すられている気がするが眠気は一向にさるけはいがない。

 あと五分だけ・・・などと頭の中で言っていると、


「ミヅキさん!ジンパチさん!起きてください!」

「ひゃい!?」「ファっ!?」


 と、頭上から鼓膜を破かんばかりの大声が響いた。

 じんじんと痛む耳を抑えながら声が聞こえた方に眼を向けると、


「え・・・」「あぁ?」


 困ったような呆れたような顔をした女性が私を見ていた。

 その女性は明らかに日本人ではない、金髪碧眼の眼鏡が似合う美人さんだった。

 金髪美女さんは混乱している私を気にせず話を続ける。

 

「お待たせしたのはこちらの不手際ですけど、こんなところで居眠りしないでくださいね?他の方たちに迷惑がかかるので。」

「あっ、はい・・・」「サーセン・・・」

「さっ、目が覚めたなら早く受け付けカウンターの奥へ。そこからまっすぐ進んで行けば分かりますから。ミヅキさん、ジンパチさん、おふたりともご一緒で構いませんので。」


 女性はそう言うとさっさと受け付けカウンターに行ってしまった。


 去っていく女性の背中を眺めながら考える。

 おかしい。なんだこれは。というかどこだここは。

 私はさっきまでスーパーに向かう途中の交差点にいたはずだ。そして流れるように事故に遭い、気づけば金髪美女に説教をされていた。落ち着こうとして回りを見てみると・・・さらにおかしいことに気づく。

 まず此処はわたしの部屋や病院ではなく・・・どころか近代日本とは思えない建築物であるということだ。しかもそれらはものを知らない私でも分かるほどの、年季を感じる内装だという。

 次に此処にいる人たちがまるでコスプレみたいな格好しかいないといこと。道行く人たちは銃刀法違反確実な刃物や武器を腰や背に持って当たり前に歩いている。魔法使いのような杖と帽子を持っている人もいれば、猫耳やしっぽを生やしている人もいる。


 こんな光景見たことがない。あるとしたら・・・


(これはもしかして、もしかしてだけどさぁ、いわゆる・・・)

「あのぉ、もしもしぃ・・・」


 そんなまさか、と考えながら悩んでいる私に遠慮気味に机の真向かいの人が話しかけてきた。


(そういえばもう一人居たっ・・・け・・・・・・)


 私に声をかけてきた人の顔を確認をする。

 まず最初に目に飛び込んできたのは、顔の傷だ。とても大きく右眉から左の頬にかけて顔を一直線に走っている。次いでその眼光に目がいく。目は細く切れ長で鋭く、見ているとまるで刃物のような切れ味を感じてしまう。

 そして髪は、色は真っ赤で長さはボウズとスポーツ刈りとの中間ぐらいの長さだが、何故だか爽やかスポーツマンという感じが全く感じられない。

 体つきは多分今まで見てきたなかで一番大きく逞しさ感じられる体をしている。しかし、その体には何かと戦ってできたとしか思えない傷がいたるところにある。机の上に置かれた手はとても大きく、見ているだけでその拳の重さと硬さが伝わってくる。


(こ、こわああああああああ!カタギじゃ無いよ絶対!)



ーーーージンパチside



「ミヅキさん!ジンパチさん!起きてください!」

「ファっ!」「ひゃい!」


 いきなり鼓膜がビリビリするほどの大声で起こされてしまった。声のした方を向くと、金髪でナイススタイルな知らないお姉さんがそこにはいた。突然の事態にパニックになっている俺を無視する形でその女性(美人)は話を続ける。


「お待たせしたのはこちらの不手際ですけど、こんなところで居眠りしないでくださいね?他の方たちに迷惑がかかるので。」

「サーセン・・・」「あっ、はい・・・」

「さっ、目が覚めたなら早くカウンターの奥へ。そこからまっすぐ進んで行けば分かりますから。ミヅキさん、ジンパチさん、お二人ともご一緒で構いませんので。」


 美人さんはそう言うとさっさとカウンターに戻っていった。


 去っていく美人さんの背中を見ながらここはどこなのかを考える。座りながら周りの確認をするが・・・全く心当たりがない。見たことも聞いたこともない場所だ。周りの人間たちもまるでコスプレのような格好をした奴らばかりだ。こんな奴らが集まりそうな場所なんて、某夏の祭典ぐらいしか思い付かない。

 結局分からないことを放置して、次は自分の状態を確認する。とりあえず座ったまま軽くストレッチをして確かめてみるが、こちらは特に違和感らしきものは無くすぐ終了。

 さて次は・・・と考えていると、何やら視線を感じそちらに向くと、先程の美人さんが何やらこちらを見ている。そこでさっきの言葉を思いだした。


(たしか二人一緒にカウンターの奥、だっけ。)

 

 美人さんの言葉を思い出しながら自分のやることを考えてみる。とりあえずお向かいさんに声をかけなくては。そう思い、なんだか目の前でぶつぶつ言っている少年(?)に声をかける。


「あのぉ、もしもしぃ・・・」


 あまり驚かさないようなるべく優しく声をかける。入学式の日の失敗を繰り返さないように努力した結果だ。そして俺の声に気づいたのか少年(?)はこちらを見て、・・・石のように固まった。

 しまった。と、思ったが今さらどうしようもない。仕方がないので話を進める。


「・・・なんか時間みたいだし、もう行きません?」

「!はっ、ひゃい!わかりました!」


 できる限り優しい声を出したつもりだが、完璧にビビった声をあげられた。哀しい。

 しかし、声だけ聞くとこの少年(?)は女のようにも思えてくる。難しい。よく観察してみるとなんだか少年か少女なのか分からなくなってきた。


 身長は目測で160あるかないかで、体は男にしては細く、女にしてはしっかりとした感じ。胸は・・・その、スッキリしていて、スレンダーな女性でも通用しそう。黒い髪の毛は多分一般的な女性より短めで、いわゆるボーイッシュな感じだが、天使の輪とかがあって綺麗な気がする。顔立ちは中性的で、かわいいという感じだが、やはり少年なのか少女なのか判別の難しい顔をしている。

 まとめると、ボーイッシュな女性にも、かわいい系な男にも見えるということだ。

 結局、声が女みたいなので女性ということにしよう。間違ってたら謝ればいい。


「お、お待たせしましたぁ」

「いえ、お気になさらず」


 そんな中身のない会話をしながら、俺たちは指定された場所へは歩き出した。


 ・・・・・・横並びに歩いて数分、意外と長い廊下をお互い無言で歩く。正直気まずい。どうしたものかと考えていると、向こうから話しかけてきた。


「えっと、失礼ですがお名前は・・・」


 ・・・・・・そういえば一度も名前らしきものを名乗ってなかったことに気づいた。俺はとっさに「佐藤です」と名乗ると彼女は驚いた顔をした。


「?どうかしまし「え?もしかしてっ、もしかしてですけど、佐藤っていうことはもしかして、にほんじんなんですか?」え?あっ、はい、そう「そんなんですか!?いやぁよかったぁ、いやぁ実はですね、わたしもなんですよぉ!いや最初は私、目が覚めたら知らない場所にいて、どうしようかと思ってたんですけど、神様っているんですねぇ、もしかしたら他にも私みたいにこちらに来た日本人がいるんじゃないかと考えていたんですが、まさかこっちに来て数分で、いや数秒で出会わせてくれるとは。あっ、佐藤さん、佐藤さんってしたの名前は何て言うんですか?」え?えーと・・・「あっ!すいませんそう言えばさっきもそうですけど私の名前を言ってませんでしたね!それじゃ、改めて名乗らせていただきます!佐藤ミヅキです!あっそれとですね、やっぱり名前だけではなんだか味気ないというか寂しいというかここは同じ日本人同士、やはり腹を」


 なにこれ?


 いやほんとにどういうこと?なんで?どうして?俺名前を、ていうか名字を名乗っただけだよね?それがどうして人生初のマシンガントークの餌食にされているの?ていうかすごいなこれ。どこで息継ぎしているんだよホント。てか今名前名乗っていたはずなのに、うっかり聞き流しちゃったんだけど。なんだっけ、たしか佐藤・・・「あ、あの・・・」

 突然の事態に軽く混乱していると、少女改め佐藤なにがしさんが何やらまた困ったよな怖がっているような顔をしてこちらを見ていた。


「えっと、その、私なにか気に障るようなようなこといいましたか?」


 ・・・・・・どうやらこちらが黙り込んだのをなにか勘違いしたようだ。どうしよう。いや誤解だって伝えればいいんだけど・・・。


「あー「あっ、すいません。私ったらさっきから自分ばっかり喋っちゃって!」いえ「さっきも言いましたけれど、目が覚めたら知らない場所で知らない人に起こしてもらっちゃって!」はい、「ホント困っちゃって途方にくれているところまさかの同じ日本人の方に出会えるだなんて!それでつい、テンションがですね、その、ガーっと急上昇しちゃってですね!」はい」


 頼むから話を聞いてくれ!

 別に怒ってないから!ただ俺とテンション違いすぎて戸惑ってるだけだから!マシンガントークとか初めてで困惑してるだけだから!

 とりあえず落ち着いてもらわなくては、そう思い俺は口を開いた。


「静かにしろ」


 瞬間、佐藤さんはビクリと肩を震わせて黙り込んでしまった。なんだか、言葉のチョイスを間違えた気がする。

 間違えたものはしょうがない。俺は話を戻すことに勤めることにした。


「・・・・・・改めて自己紹介でも」

「え!あ、はい!そうですね、そうしましょう!それじゃぁ、早速私から!」


 さっきまで目に涙を溜め、青ざめていた佐藤さんは俺の言葉を聞いて一瞬にして元気を取り戻された。テンションの差が激しいな。



「佐藤ミヅキと申します。不束ものですが、よろしくお願いします」

「・・・・・・佐藤ジンパチと言います。よろしく、お願いします」


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