佐藤塵八のことの始まり
今日最後の投稿です
俺こと佐藤塵八は人見知りするオタクである。
いや、正確にはそうではない。
特に人が怖いわけじゃわけじゃなく、人との接し方が分からないのである。
俺は子供のころ、体が弱くインドア派な病弱な少年で、入院することも多々あった。そんな俺の両親は俺に強くて頑丈な子に育って欲しかったらしく、幼い頃から近くの空手と柔道の道場に通わされた。また、叔父がそういうことならと趣味のサバイバルに付き合わされた。俺もその思いに答えるように強くて頑丈な体になるよう頑張った。頑張りすぎた。
結果、中学生の頃には俺の身長は189cm、体重90㎏超え、サバイバルのせいで身体中キズだらけという中学生らしからぬ体になった。
だが、本来の俺はインドア派のオタクである。できれば同じ趣味の友達が欲しいのである。が、彼らは俺の姿を見ると一瞬固まり、近づけば涙目になるという始末だ。(後で知ったが、俺は顔も怖いらしい)結局、中学ではオタ友はできなかった。
そして高校生、入った高校で俺は浮いていた。高校一年生とは思えない見た目ですでにビビられていたのだが、自己紹介のとき、緊張しているのを隠すため仏頂面になり、声が高くならないように注意したら、低くなりすぎ、結果クラス全員にビビられた(後に知るがカタギとは思えなかったらしい)。
結果、俺に用事があるか、所属した柔道部の部員以外話しかけられることもなくなった。
それでもそれなり楽しく高校生活を謳歌していた二年の夏休みのことである。
夏休みも半分ほど使ったいつもより暑い日、俺はダレていた。いつもより暑く感じる部屋に力を奪われていたのでのである。課題をやろうにもやる気が起きず、ゴロゴロしながら手元のタブレットで面白いことはないかとネットを閲覧していると、
「おっ、マジか」
そこには以前やったことのあるゲーム、《セブンブレイブ》の続編が発売されるという記事があった。セブンブレイブは、いわゆる武器を持って3D格闘ゲームみたいなアクションをしてモンスターを倒すというゲームでだ。
そのなかに登場するキャラが可愛くて、一時期ハマっていたのは随分昔に感じる。ちなみにそのキャラは、他のキャラ(男)と幼なじみで、色々とあり、最後は幸せそうに抱きあっていた。
そうして俺の冒険の終わった。閑話休題。
そんなことはさておき、記事を読み続けると既に色々と情報が公開されているらしく、せっかくなので公式サイトへ。今回も個性豊かなキャラが豊富で期待が高まる。
俺はせっかくなのでと、『セブン・ブレイブ』をやり直そうと決めた。
ゲームを探してる間、なんとなく公式サイトの情報を思い出す。どうも続編では、新システムや新しいモンスターもでるようだ。
どうやらメインのジョブ以外にもサブジョブというものが追加されるらしい。そっちには以前にはないジョブが追加されるそうな。
モンスターも全く新しいのから前からいた奴を強くしたようなものまで様々だ。
そうしてるうちにゲームを発見。早速やろうと思うが、部屋が暑苦してしょうがない。顔中から珠のような汗が止まらず、顎から滴り落ちている。クーラーが全然効いてないのかと思いリモコンを確認すると、
『暖房』
と表示されていた。
何でと思いながらも冷房に変えるがすぐにはどうにもならない。仕方がないので部屋が涼しくなるまで他の場所、とりあえず麦茶でも飲みに台所に向かおうとした。が、そこで事件が起こった。
足がもつれて、そのまま頭を机にぶつけたのだ。
普段の俺なら鍛えた体のお陰でなんとかなったはずが、サウナのような部屋のせいで脱水症状に陥り、なにもできずに直撃した。
その後、受け身も取れずに床に倒れた俺はあっさりと意識を手放してしまった。そして―――――――――――――――――――
気づくと俺はよくわからないところにいた。
一見すると白くて大きく、そして机らしきもの以外何も無い部屋としか言いようがない場所。机の上には何かがある。
それはなにかと思い近づいて見ると、それは俺が愛用していたゲーム機だった。
普通ならば違和感を持つ筈が、俺は気にせずゲームを起動させた。
起動させたゲーム機には俺の知らないゲームがあったが気にせず始める。
そのゲームはファンタジーだというのが努迫力のオープニングを見ながら理解し、スタート画面に。そこには、
『セブン・ブレイブ2』
という文字が出ているが気にせず始める。
そのまま進めているとキャラメイクの画面がでた。
「めんどくさいからランダムでもいいか」
うまく頭が回らないでいる俺は、ランダムでキャラメイキングしてくれる機能があったのでそれを使った。
結果、赤い髪の毛でロングのキャラができた。終了し次へ。
終えると今度はテキストウィンドウがでてきた。ウィンドウの真ん中辺りに笑顔の受付嬢らしき女性がいる
「はじめまして!冒険者ギルド『ノルン』へ!冒険者希望の新人さんですね?冒険者になるためにはこちらで登録してもらう必要があります。ここに名前を記入してください。(※登録後変更不能)」
受付嬢がかわいいなぁとか考えながらとりあえずカタカナで『ジンパチ』とした。
「ジンパチさんですか・・・良いお名前ですね!あ、そうそう。早速で悪いのですがこれから冒険者としての適性を測るテストがあるんです。ギルドへの本登録はそちらを終えてからになります。ジンパチさんから見て右側にあるカウンターで受け付けしてください」
▼チュートリアル:『ギルドへの仮登録』をクリアしました
▼チュートリアルをクリアしたので報酬が受け取れます
▼ギフトスキル『神託(D)』を習得しました
▼ギフトスキル『必要経験値減少』を習得しました
▼ようこそ*******の世界へ
「ん?」
今、変な文字があったような?そう思った瞬間!
ゲーム画面から眩しい位光が溢れ出してきたのだ!
そして、目が開けらずにいる俺の耳に一言、
『GAME START』
という声が聞こえた。
本日は、以上です