表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/14

佐藤深月のことの始まり

投稿します

私こと佐藤深月は人付き合いが苦手なオタクである。

いや、正確には違う。

決して人見知りする人間ではないが、すぐに離れていくので早々に諦めた。


私の両親は同じ会社の同じ部署で働いていて、仕事の都合上よく転勤をした。


そう、我が家は転勤族であった。


覚えているだけでも7回は転勤しており、転校した数もそれに準ずるといった具合だ。

当然、そんな私に友達なんぞ作れる訳もなく、子供の「転校しても友達だよ」「必ず手紙を送るからね」などの言葉は信用しない方が良いとかなり早い段階で悟った。


そんな転勤生活に終止符を討たれたのは私が高校受験の時のこと。私は両親に高校を期に一人暮らしをしたいということを告げた。最初は両親と揉めたが、私は折れずに説得を続け、一人暮らしの権利を得た。


その後、合格した高校近くのアパートを借り、私の一人暮らしはスタートした。両親からは最低限の仕送りをしてもらい、欲しいものがあるときは短期のバイトをしたり、趣味を楽しんだり、という生活。


そんな生活を初めて1年半近く。


二年生の夏休みのある日にそれは起こった。


夏休みも中盤に差し掛かったある日、私は暇をもて余していた。というのも、やりたいこともやらなきゃならないことも全て終えてしまったからだ。

まず夏休みの課題は最初の一週間で終わらせた。夏休みは遊びに費やしたかったのだ。 そして、趣味のゲームや漫画と遊んでいたのだが、それも昨日やり終えてしまったのだ。


さてここで「友達と遊びに行く」という選択肢がないのが私である。いないわけじゃない。クラスでも休み時間は何人か過ごすことはある。ただ急に遊びに誘うというのに抵抗があるだけだ。


そんな誰にも言わない言い訳を頭で考えながらネットサーフィンして暇を潰しているととある記事が目に入った。

それは私がかつてハマったゲーム《セブンブレイブ》の続編がでるという記事だ。


《セブンブレイブ》はいわゆる討伐系のファンタジーRPGだ。主人公はクエストをクリアしながらストーリーを進めていき、色々なことがあって、最終的には世界を救うという王道モノだった。

さらにサブクエストでは登場キャラの掘り下げなんかもありそっちもすごい面白かったのを覚えている。


そんな《セブンブレイブ》の続編がでると書いてある記事を小躍りしそうになりながら読んでいると、すでにある程度の情報は公開されていた。


(ん~、キャラメイキングはそんな変わってないみたいだねぇ。それと主人公が今度は冒険者になってるね)


公式サイトで見て気になったのはこの2つである。他にも新しいモンスターや新しいシステムも追加さらているようだが、やってみなければ分からないので保留。

それよりも気になるのは先ほどの2つである。このゲームはファンタジーな世界観なためいろいろな種族がいる。人間、獣人、エルフ、ドワーフ等々。《セブンブレイブ》ではキャラメイキングでは人間1択で、ファンの間では続編が出たら他も選択できるようにして欲しいとよくネットで書き込まれていた。

また、前回は最初の国に所属していた騎士の一人で、王様の命令で旅に出るといった王道モノだった(ちなみに最初のジョブは見習い騎士だが途中から条件を満たすと上級騎士や魔法使いや弓術士、果ては暗殺者や呪術士なんかにもなれた)。だが今回はどこの国にも所属してない冒険者というスタートである。


(さぁて、今回はどんなストーリーになるのやら)


そんなことを考えているとお腹が空いてきたのを感じる。しかし、いま冷蔵庫にはジュースしかないことを思い出す。仕方がないので買い出しをすることに。

道中、やってたゲームのことを思い出す。ストーリーのこと、登場キャラのこと、キャラメイキングはとりあえず髪を黒に、目の色を金色にしたこと。理由は少し個性を出したかったこと。

 そんなことを考えながら赤信号なので立ち止まる。


(そう言えば、もうひとつ気になった事と言えば・・・)


 考え込んでいる私は後ろから来る存在に全く気づかなかった。


 気付けば私にドンと強い衝撃がはしり私は倒れるような形で道路につき出されていた。


「・・・え?」


 驚きながら後ろを見ると自転車に乗った男性がこちらを驚いた顔をしてこちらを見ている。右手にはスマホを持っていた。

 それだけですべての謎は解けたがどうしようもない。次からながらスマホは辞めろとしか言いようがない。そんなことを動かない体で考えるがそれは現実逃避にしかならなかった。


 何故なら道路を走っていた車にそのまま跳ねられたからだ。


 自分の体が空中を浮きながら考える。もうなんなんだ今日は。私は何か悪いことをしたのか。そんなことを考えていると体が段々重く感じてくる。いやいやまさかそんな、と思ったが段々眠くなってきて考えがまとまらなくなってきた。そして―――――――――――――――――






 気づくと私はよくわからないところにいた。

 一見すると白くて大きく、そして机らしきもの以外何も無い部屋としか言いようがない場所。机の上には何かがある。

 それはなにかと思い近づいて見ると、それは私が愛用していたゲーム機だった。

 普通ならば違和感を持つ筈が、私は気にせずゲームを起動させた。

 起動させたゲーム機には私の知らないゲームがあったが気にせず始める。

 そのゲームはファンタジーだというのが努迫力のオープニングを見ながら理解し、スタート画面に。そこには、


『セブン・ブレイブ2』


 という文字が出ているが気にせず始める。

 そのまま進めているとキャラメイクの画面がでた。私はなんとなく黒髪に金色の眼を選択し終了する。

 全部の選択肢を終えると今度はテキストウィンドウがでてきた。ウィンドウの真ん中辺りに笑顔の受付嬢らしき女性がいる


「はじめまして!冒険者ギルド『ノルン』へ!冒険者希望の新人さんですね?冒険者になるためにはこちらで登録してもらう必要があります。ここに名前を記入してください。(※登録後変更不能)」


入力は漢字もひらがなもカタカナもあったがとりあえずカタカナで『ミヅキ』とした。


「ミヅキさんですか・・・良いお名前ですね!あ、そうそう。早速で悪いのですがこれから冒険者としての適性を測るテストがあるんです。ギルドへの本登録はそちらを終えてからになります。ミヅキさんから見て右側にあるカウンターで受け付けしてください」


 ▼チュートリアル:『ギルドへの仮登録』をクリアしました

 ▼チュートリアルをクリアしたので報酬が受け取れます

 ▼ギフトスキル『神眼(D)』を習得しました

 ▼ギフトスキル『必要経験値減少』を習得しました



 ▼ようこそ*******の世界へ


「ん?」


今、変な文字があったような?そう思った瞬間!


ゲーム画面から眩しい位光が溢れ出してきたのだ!


そして、目が開けらずにいる私の耳に一言、


『GAME START』


という声が聞こえた。

続けて投稿します

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ