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残念系男子  作者: このみ
2/6

残念系男子2

新しく芽吹いた葉々の間から差し込む暖かな木漏れ日を受けつつ、その男は

学校へ向かっていた。

彼の名前は鬼島(きじま)(れい)青心(せいしん)第二高校へこの春から編入した男子高校生である。

モデルのような体型、神が贔屓して生み出したのではないかと思う程の美形、

纏うオーラは貴族かはたまた王族か。

陽光に照らされた日本人特有の黒髪は美しく輝き、時折艶かしく聞こえる呼吸音が

怪しい魅力を掻き立てる。

すれ違う女性達は振り返る余裕すらなく、心を奪われる。

「キャッw鬼島君だ。」

「カッコいい~(///」

「何の音楽聴いてるんだろ~。」

鬼島が通う学校の女子生徒達は、遠くから眺める程度の心の余裕が出来つつあった。


「おーい、鬼島ぁ。」

「あっ、木之下(きのした)君だw」

「木之下君もカッコいいよね~。」

「あの2人が並ぶとホンット絵になるわ。」

鬼島と同じく女子生徒から黄色い声が上がるこの男は「木之下 修一郎(しゅういちろう)。」

スポーツ万能、成績優秀、美形男子であり、人望が厚い男。

鬼島の幼馴染であり、転校して間もない鬼島唯一の友人である。


「鬼島、おはよーす。」

「・・・」

「てい!」

木之下は鬼島のイヤホンを強引に引っこ抜く。

「ぬはっ!これは木之下氏、拙者ついつい音楽に夢中だったでござるよw」

「そんな大ボリュームで何聞いてたんだ?」

「今週発売のねこニャン24(トゥエンティーフォー)のセカンドシングル、

『女の子の大事なひみチュ☆貴方だけに見てほしいの』に決まっておろうがっ(キリッ」

「・・・はぁ~・・・決まってねーよ。つか、いちいちドヤ顔すんな。」

「フヒヒwゆいこニャンの萌えボイスは堪らぬ!ハァハァwww」

「ブレない奴だなぁ・・・ほんっと。」


2人がそんな会話をしている中、同じく周りを歩いている女子学生達はというと、

「鬼島君と木之下君って仲良いよね。」

「あっ、木之下君が強引にイヤホンはずしてる。」

「鬼島君ビックリしてる。可愛いwww」

「木之下君も最初の返事で気づいて貰えなかった時、ちょっと拗ねた顔してた。」

「うそーw超見たかった。」


超絶美形男子、鬼島零。

彼は転校と同時に学校中の女性のハートを打ち抜いた。

しかしながら、打ち抜かれた彼女達は知らないのだ。

彼が超絶に残念系男子だという事に。

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