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7. 新たな事件は誘拐事件

翌日、早朝から玄関のベルが鳴り、それが目覚ましとなり起こされる。時計を見れば午前7時ちょうど。

こんな時間に一体誰なのか。ソーマかと思い寝起きで重い身体を起こし玄関の扉を開けた。


「どなたですか…ソーマ…?あ…レイド刑事でしたか…」


「おはよう、エレナ。朝早くからすまない。」


「おはようございます、レイド刑事。こんな朝早くからどうしてここに…」


「実は君に依頼を持ってきたんだ。」


「依頼…ですか?」


「ああ。」


レイド刑事は持っていた書類の入った封筒を見せてくる。


「分かりました。ですが、その前にソーマを呼んできてもよろしいですか?」


「もちろん。」


レイド刑事には先に家に入ってもらい、私は隣の家に住むソーマを呼びに行った。扉のベルを押すと、すぐに出てくるソーマ。どうやらすでに起きていたらしく、寝起きではなかった。


「おはよう、エレナ。」


「おはよう、ソーマ。」


「何かあったのか?」


「ついさっきレイド刑事が来て、新たな事件の依頼があるらしいの。家で待っていてもらってるから今から来てくれる?」


「分かった。」


私とソーマはレイド刑事の待つエレナの家に行く。

ソファーに座りじっと待つレイド刑事。


「今、紅茶を淹れますね。」


「ありがとう。」


私は、ソーマが昨日買ってくれていたハーブティーを淹れ二人に出した。事件のことをメモするためにホワイトボードはこの前の事件のときに使った場所に置きっぱなしにしていた。今日も使うとしよう。


「レイド刑事、依頼したい事件とは。」


紅茶を一口啜るレイド刑事。


「最近、この街で誘拐事件が発生した。」


「誘拐事件…ですか?」


「ああ、そうだ。エレナは、この街のシェルビー通りにある路地から人通りが全くなくなることを知っているか?」


シェルビー通りにある路地…?

どこだ…それ…


「エレナ、昨日お前が絡まれたところだ。」


ああ!あそこか。

確かに人通りが全くなかった路地だった。


「その路地付近でで誘拐事件が起きたと?」


「ああ。被害者はローズ・アルテミス、21歳。母親に言われ買い物に出かけたらしい。中々帰ってこない被害者を心配し、母親が警察に相談しに来た。捜索をしているとその路地で被害者の靴が片方だけ残されていた。だが、そこからどこを探しても被害者の消息は分かっていない。街の人間にも聞いてみたが、被害者が寄って行った店の店主しか覚えていなかった。他にも聞いてみたが情報はなし。」


レイド刑事が教えてくれた事件の詳細をホワイトボードに書き留める。


「これが被害者の情報だ。」


手渡された資料に書かれている被害者の情報。

写真に映る被害者は…エレナに似ている。

ふとそう思った。

エレナのように純白な肌と透き通るような青い瞳。

優しく微笑む彼女はまさかこんなことになるなんて想像もしていなかっただろう。


「カフェでアルバイトをしていたんですね。」


「ああ。被害者が働いていたのは誘拐されたであろう路地の近くにあるカフェ【ドゥ・リュミエール】だ。

路地に行くよりも前にあるカフェっていうこともあってそのカフェの客は多いらしい。」


「カフェを超えるとその路地に行きつくということですね。」


「そういうこと。」


被害者のローズはカフェでアルバイトをしている。

カフェの客は多かった。

一番に考えられるのは、被害者になんらかの感情を抱いたカフェの客が犯人という線。


「被害者に何かトラブルとかはありましたか?」


「いや、そんなものは無かったよ。」


「被害者に近づく変な客…とかは?」


「それも無かったなぁ…まあ、被害者が働いている時間によく来る常連客はいたらしいが…」


「その常連客の情報は?」


「二人の中年男性らしいが詳しい情報はまだ捜査中だ。」


その常連客二人の情報が分からない限り、進めそうにもない。


「では、レイド刑事。どうして、シェルビー通りにある路地から先は建物もあるのに人気が全くないのかを教えていただがませんか?」


この事件を解決するには、なぜあの路地から先が全く人通りがないのかこれを知るべきなのだと思った。

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