地球とはなんぞや
「そして、今の神聖王国があるのです」
国家の主な収入は観光らしい。
他大陸から敬虔な信徒がくるんだって。教会管轄の巨大図書館がオススメらしいよ。
「マリーナは何故、神官になったの?」
「私は教会の孤児院で育ちました。小さな頃から神は身近にいたのです。そして私は空の神・アイーダ様から加護をいただきました。そして夢だった神官になれたのです」
空の神・アイーダ様……。あ!あのイケメン兄ちゃん!そういや1番空飛んでたかも。性格も軽いしね。
じっとマリーナの顔を見る。若いともっと美人だったんだろな。イケメン兄ちゃんが好きそうな顔だ。マリーナに言ったら神様に対する夢を崩しそうだな。
「教会の仕事は何をするの?」
「教会には、さまざまな機関があります。
頂点に教皇様をいただき、教皇様を補佐する教祭様。その後に、1級神官、2級神官と続き、10級神官まであり、その下に見習い神官があります。神官を目指さない者で教会で働きたい者は下働きとして神官の面倒を見ます。掃除・洗濯・料理などですね。
私が育った孤児院では見習い神官が面倒を見てくれましたよ。何故か孤児院から神様の加護を得るものが多いので幼い内から教育を施してくれるのです。ありがたいことです」
ふむふむ、いいシステムが出来てるんじゃないかい?教会が孤児の面倒をみてくれるなんて。そして未来の神官が育つと。
マリーナが新しいお茶を入れてくれる。
う〜ん、贅沢だね。1級神官に入れてもらうお茶なんて。
正面に座ったマリーナがキリッとした顔で見てきた。なんじゃらほい?
「アイコ様は最高神様とお会いしたことがおありですか?」
そうか、教会関係者には気になるよね。あまり話すと私が半神だってバレそうだし、そこそこ軽く答えておきましょうか。
「お会いしました」
マリーナさんのお顔がグッと近くなった。ああ、分かるよ。前のめりになるよね。聞きたいよね。神様の事。
「その時の状況を伺う事は可能でしょうか?」
ん〜。なるべく詳細な情報が欲しいと見た。どうしようかな〜。どこまで話そうかな〜。
私がうんうんと悩んでいると、心なしかマリーナが悲しそうな顔になってきた気がする。うー、まっいっか。
「実は私、この世界の人間じゃないんですよね。ママはあっ!さ、最高神様は浄化の乙女を結構ランダムに選んでいて、目についた不幸そうな人に幸せになってほしくて選ぶんです」
「なるほど!新発見です!何か特別な力を元から持っているわけじゃないのですね!この世界のにんげん?じゃないってどう言う事ですか?」
マリーナは私が間違えてママって言った事を流してくれるのかな?ちょっと冷や汗出た。
こっちじゃ人の事を人間て言わないのか。人族だもんな。
「私は地球って世界から来たんです。文明も生活様式も食事も多分なにもかも違うと思います。あっ!でもちゃんと人ですからね!おぎゃあと両親から生まれてますから!」
「なるほど!このフレア以外にも世界があると言う事ですね!またまた新発見です!そのちきゅーとはどんな世界だったのですか?」
あー、マリーナの目が輝いている。世界の神秘にふれているんだからね。私も地球にいる頃は異世界に来るとは思わなかったよ。
「地球はね、私がいた日本と言う国は戦争に負けて平和だったね。高い建物がいっぱいあって、機械って言って人の代わりに動いてくれる道具があったよ。あと移動手段がたくさんある所かなぁ」
「戦争に負けて、平和?なんですか?」
「うーん、なんて言えばいいかな?王様が居ない国なんだよ。国民の代表を庶民が決めて代表者達が国を動かすんだ」
「王様がいない。王族がいないんですね?貴族もいないんですか?」
「王族はいないけど、皇族はいるよ。国の象徴としてだから国政に口出しは出来ないけどね。貴族もいない。昔は居たけどね」
「それは、凄い国ですね。他にはどんな物があるんですか?」
「この世界の魔道具と似た物が沢山あるよ。面白い所だと遊ぶだけの場所が沢山あるよ。それに食事が美味しい!」
そういえば神界に行ってから神果しか食べてなかったや。いや、とっても美味しかったんだよ!神果!
日本食も食べたいなぁ。お寿司とかご馳走だったんだよね。
通販でお寿司買えないかな?見てみよう。
あ!外食店の品まで買える!これは良いものだ!ケーキだってパフェだって買えちゃう!8億あるし、いいよね?高級なお寿司を食べたっていいよね?!よしっ!買った!
机の上にお寿司が現れた。おおいしそーう!醤油もハシもある。
はっ!マリーナが呆然としてる!私だけが食べたら可哀想だよね。マリーナさんにも購入!
「マリーナ、これはお寿司って言ってね地球の食べ物なんだよ!この黒い醤油を魚の身につけて食べるの!凄い美味しいんだよ!食べよう!食べよう!いただきまーす!」
ん〜!!美味しい〜!!これだよ!これ!ママにも食べさせてあげればよかった。ん?神様って神果以外に食べるのか?
「な、な、なんですか?これ〜!?」
あ、あれ?マリーナがテンパってる。




