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女神の愛し子  作者: 春爛漫
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神々の姿

 うんうんと悩んでたけど、マリーナが欲しいのは神々の姿。

 だとすれば、創造で作った物でもいいんでないかい?


 私は頭の中でイメージを固める。


 ママ、ママ、ママ。えいっ!


 作ったのは等身大ママのポスター。額縁と遮光対策有り。


 マリーナが驚いている。


「こ、これは!」


「ま、最高神様だよ」


「おお!神よ!!」


 マリーナがポスターに向かって最高礼拝してしまった。どうしよう。

 あ、どの神様かわかった方がいいよね。ポスターの下に『最高神 フレアディーテ』と入れておこう。


 次は太陽神様。イメージ。イメージ。えい!


 出た!髪が燃えてるんだよね。怖くて触れなかったな。本人?本神は触ってもいいっておっしゃってたけど。


 次は海神様!イメージ。イメージ。えい!


 海神様は波に乗ってるんだよね。どうやって移動してるのか不思議だったんだ。髪の先が水と一体化してるし。


 次にーー


 と続けて等身大神様額縁入りをどんどん作っていくと、寝室がいっぱいになってきた。


「マリーナ、あと30神様はいるんだけど……。マリーナ?」


 マリーナが座り込んで口を大きく開けていた。


 大丈夫?マリーナ?


 マリーナの目の前に行って、顔の前で手をひらひらと振ってみた。


「はっ!ど、どどどど、どうしましょう!あ!アイコ様!これは!こちらの肖像画は頂いてもいいのでしょうか!?対価が必要でしょうか!?それは、おいくらなのでしょうか!?」


 あ、すっごいパニクってる。


「おちついて、マリーナ。全部あげるから、対価は私の滞在費にしておいて」


「了解いたしました!!きょっ、教皇様にお知らせしないと!!!」


 いつもは落ち着いているマリーナが転けそうな走り方で部屋から出て行ってしまった。


 なんか、残された。寂しい。


 抱き枕を出してベッドで横になってよ。


ーーーーーーーーーー


ーマリーナー


 緊急事態!!緊急事態です!!急いで教皇様にお知らせしないと!!


 何十枚もの神々の肖像画!!価値は計り知れない!!教会の大!大!大!大事件です!!


 絵師に不審な顔で見られたって知るものですか!!聖騎士が困惑した顔をしたって今の私より困惑している人はいないはず!!


 この時間の教皇様は執務中のはず!!廊下を走ってはいけません〜??今走らないでいつ!走るんですか!!だって宝石より!金銀財宝より!価値がある神々の肖像画が客室に何十とあるんですよ!!国が買えますよ!!


 ああ、こんなに執務室が遠いなんて思ってもみなかったです!息が苦しい!!今だけは私の運動不足を呪います!


 あ、疲れた事でちょっとだけ冷静になってきました。はぁ、はぁ、あと、もう少しで執務室。


 執務室を警護している聖騎士が不審そうにこちらを見てきます。あ、顔見知りです。よかった。


「どうしたんですか?1級神官殿?ふらついてますよ?休まれては如何ですか?」


「はぁ、はぁ、緊急事態です!教皇様にお目通りを!」


 聖騎士の顔色が変わりました。素早くノックして要件を伝えてくれます。これでスムーズに執務室に入れます。


 ああ、教皇様が近づいて来てくれます。なんとありがたい事でしょうか。


「マリーナ神官!緊急事態と聞いた。アイコ様に何かあったのか!?アイコ様はご無事か!?」


「アイコ様はご無事です。今、客間の寝室にいらっしゃいます。大事なご報告があり参りました。

 信じられないでしょうが、アイコ様が神々の肖像画を能力でお出しになりました。対価はアイコ様の滞在費でいいと仰せですが国が買える価値があります!保管場所のご指示を承りたく参りました!」


「なんと!!それは……誠なのだな」


 私の真剣な瞳をご覧になり、教皇様が悩んでいらっしゃいます。


「聖騎士を4人ほど連れて来なさい!場所は客間です!マリーナ神官は、ここで少し休みなさい。それから客室に来てください。私は先にアイコ様の元へ行きます」


 教皇様が颯爽と部屋を出ていきます。お言葉に甘えて息を整えてから客室に戻ろうと思います。


 ああ!私のお役目は今日この日の為にあったのですね!!全世界が震撼します!今日この日に感謝を!!


 床でもいいです。少し横になります。汚い?いいんです!あなたも全力疾走してきなさい!気持ちがわかるから!


ーーーーーーーーーー


 泣いて疲れてたのか、ベッドで少しうとっとしたら、ざわざわとうるさくなってきた。


「失礼します、アイコ様。サリーナ・パトスです。ご機嫌はいかがですか?」


 むくりと起きる。あ、教皇様だ。


「大丈夫です。マリーナはどうしましたか?」


「疲れたようなので休ませています。神々の肖像画があると聞いてきたのですが」


 あ、そうだそうだ。


「あと、30神様ほどありましてね、何処に出せばいいですか?」


 教皇様は寝室を見回しているが、いっぱいなんだよね。


「応接室にお願いできますか?」


「いいですよ」


 あ、抱き枕はアイテムボックスにしまってと。なかなかの使い心地だった。


 応接室に行くと絵師さんはいなくなっていて、部屋の中には教皇様以外の人はいなくなっていた。


 それじゃあ遠慮なく作りますか。


 次は植物神。ポスターが大きくなるなぁ。


 次々とイメージして出していき、最後の1神様となった時に悩んでしまった。

 ここは素直に教皇様に聞こう。


「教皇様、獣神様なんですが、私、本当のお姿を見た事ないんですよね。どうしましょう?」


 真剣な顔をしていた教皇様がこたえてくれた。


「本当のお姿とは何ですか?」


「獣神様はその時々の気分で、走りたい時は脚の早い動物になったり、のんびりしたい時は牛になったりするんですよ」


 教皇様が悩んでしまった。分かる。悩むよね。

 一度鳥になった時なんかは話しかけられてびっくりしたもん。「鳥が喋った!」って。


「全部まとめてお姿を出せますか?」


「すんごい量と大きくなりますよ?」


 あ、うなっちゃった。1神だけ無いって嫌だよね?


「獣神様は等身大じゃなくていいです。覚えてる動物だけ1枚に纏めて出せますか?」


「やってみます」


 私のイメージ力と記憶力が試される時!

 そういや、ナマケモノみたいな動物になっていたこともあるなぁ。


 いざっ!出てこい!


 1枚の図鑑ぽくなっちゃった。大きい。スペース取っちゃってごめんちょ。


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