ネタバレ
冒険者の登録はすんなりと行き、俺は割とあっさりとエルニィから解放された。
俺はミコと一緒に壊れた魔力炉の修理を行っている。魔力炉はオーランドとの戦いで俺がぶっ壊してしまったが、ネイラの施設の中核を担う魔道具だ。早急に修理する必要がある。
その修理をしている最中、俺はとあることに気付いた。
「なあ、ミコ、最近ずっと喉に引っかかってた骨みたいなのがあったんだけど、今ようやっとその疑問が解けた気がする」
「いつから?」
「んー、多分生まれてきたときからずっとだな。あまりにも近くにあり過ぎて気付かなかったけど、本当ならもっと早くに気付くべきだった」
この街は他の街とは大きく異なる点がある。
一つは、街が魔物の住む森に囲まれていること。もう一つはこの街では『技能:魔道具』を持つ人間が生まれやすいこと。
この二つは一般的に知られていることだ。
だが、本当はもう一つあった。生まれたときからそうだったから気付かなかっただけで、きっとこの街に住む誰もが心のどこかでは無意識の内におかしいと思っていただろう。
俺はその正体にはっきりと明確にきづくことができた。
「魔道具に入ってる魔力は、誰が補給してるんだ?」
人間は魔力を管理する器官をもたないから、魔族や魔物のように魔力を操ることができない。だから、本来なら魔道具に魔力を貯めることができず、そのため魔道具を使うことができない。
だというのに、俺達は何食わぬ顔で魔道具を使っている。自分で魔力をチャージしているわけでもないから、魔道具に勝手にチャージされている魔力を使って魔道具を使用している。
誰かが魔道具に魔力を補給しているのだ。
恐らくミコはその答えを知っている。俺はそう睨んでいた。
そしてそれは正しかった。
「……神様。地下に居る神様じゃない方だけど。天にいる神様? かな」
いつだったかにオーランドが言っていた。神は俺達が知らない内に神の加護を俺達に与えてくれていると。
それがつまり、魔力だったのだ。
「天にいる神様って? ミコは、神様の巫女だったよな? 何か知ってたりするのか?」
ミコは首を横に振った。
「私は地下の巫女であって、天の巫女じゃない。だからそっちの神様の話は詳しくない」
神様は二柱いて、ミコは管轄が違うようだ。
「そっちの神様について詳しく知るにはどうすれば良いんだ?」
「……行ってみる?」
行くって? その神様の所にか? 神さまがいるところというと、地下にあった祭壇のような場所か……。
「行ける……のか……?」
「ユーガにその意志があるのなら。……ミコはオススメしないけど」
俺は首を縦に振った。




