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魔物狩り


 魔道具を一から作るとなると素材が必要になってくる。万能エネルギーである魔力は好き勝手に暴れる厄介な物質であるため、素材集めには力を入れた方が良い。粗悪なものを素材にして作った魔道具が爆発するなんてのは良くある話だ。


 というわけで、俺は魔道具の素材として最もオーソドックスな魔物の素材を取りに来た。

 俺が住んでいる街は魔物が多く生息する森に囲まれている。俺が自分で魔物の素材を獲得するのは容易で、俺は思い至ったが吉日とばかりに森にやってきた。


 ホーホー、ホッホー。ホーホー、ホッホー。


 街で良く聞く鳥の鳴き声が聞こえてくる。森と街は距離が離れているはずだが、鳥の声は思ったよりも響くようだ。聞きなれた声が俺にホームグラウンドのような落ち着きを与えてくれる。


「さて、最近は魔物が増えて困ってるって話だったし、ちょっと狩りも手伝ってやるか」


 俺はインフィニティから魔道具の剣を取り出した。割と一般的なサイズの剣だ。エイリアンの基地で俺が使っていた馬鹿でかい剣と比べると幾らか劣る。


「作ってみた魔道具の使用感はどんな感じかな」


 因みに今の俺は義手を付けている。あれからなんやかんやあって義手の基礎だけでも作っておいたのだ。

 現状だと普通の腕のように動かすだけしかできないが、今後は腕に色々な機能を付けていく予定だ。

 両腕で剣を握って何度か振ってみる。……腕も剣も調子は悪くない。


「できれば午前までには一通りの種類を狩っておきたいし、そろそろ始めるか」


 俺が居る区間の森には大体50種程度いるらしい。その中で出現率が比較的高い物に絞ると40程度だという。

 俺は朝の眠気を取るために頬を叩いた。


「よし!」


 ということで俺の初の素材狩りが始まった。


 ◆


 どの魔物も大した強さではなかった。

 大体30体ほど狩ってみたが、ダンジョンで戦った魔物の方が圧倒的に強い。初めて使っている剣の調子が良かったのもあって、かなりスムーズに狩りが進んでいた。


 狼の死体をインフィニティに放り込むと、俺は次の獲物を探すため、近くの木に飛び乗る。

 木の枝を蹴って森を進んでいく。その最中に魔物を探すのだが、この辺りに住む魔物は既に俺が狩っている魔物と同じ種類の魔物ばかりになっていた。


「みたことある顔ばっかりだ……。まだ狩れてない魔物はあと十種類ぐらいなんだけどな。スライムだのゴブリンだの植物だの。みたことあるやつばっかりだ」


 出来る限り同じ魔物は狩りたくない。俺は魔道具の素材として使えそうな魔物がいないかどうかを調べるために魔物を狩っているのだ。

 最近、急に魔物が増えてきて街が困っているという話があるのは知っているが、面倒をしてまで手伝おうと言う気はない。


「お、あれは……」


 視界に一体の鳥が見えた。まだ俺が狩っていない種類の魔物だ。

 それと……、邪魔なことにその鳥と戦っている人間がいる。身の丈ほどもある剣を振るう少女が一人と同じく剣を握る男が二人。


「どうするかな……」


 俺はインフィニティから魔物の本を取り出した。この区間で発見されている魔物について書かれており、その魔物がどれ程のものか一目で分かるようになっている。

 本によるとあの鳥はこの森の最高レアの一体のようだ。魔道具技師としては、是非とも手に入れたい素材だ。

 下唇を噛む。


「……横から奪いたいけど、獲物は見つけたもの勝ちって話だしな。交渉するにしても、足元見られたままの交渉は嫌だし……」


 などと俺がうだうだとしている間にも戦闘は続いている。

 現状では鳥が優勢のようだ。森の中だと言うのに、木々の合間を縫うように移動して攻撃を仕掛けている。時には葉の多くついた枝などを投げて視界を奪ったりと、テクニカルな動きを流れるように行っていた。


 対し、人間の方は完全に鳥にいいようにされていて動きが緩慢だった。少女が持っている身の丈程もある剣は一見すると強力に見えるものの、環境に合っていないのが致命的で十分な力を発揮できていない。

 使い手は悪くないが、もっと環境に合った武器を持ってくるべきだった。


 このまま競り合っていれば、いずれ人間の方が負けるのは確実だろう。


「あいつらが死んだ後に狩れば……。いや、流石にそれは良くないか。しゃーない。運が悪かったと思って素材の方は諦めるか」


 しょうがない。

 ってことで俺は救助に向かった。


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