パパとママとわたし#1
わたしの朝はパパとママからのほっぺにちゅうで始まる。毎日なのにうれしくってくすぐったくて、お耳がピクピクしちゃう。
「ミア、おはよう朝よ」
「ミーア、おはよう、目を開けて?」
まだ眠たい目を半分開けて、わたしもパパとママのほっぺにちゅっとキスをする。そしたらパパとママもうれしそうに笑ってくれる。
「おたよぅ」
舌足らずな幼児の声で朝のご挨拶。
異世界転生してからようやくちょっとだけおしゃべりができるようになった。多分2才くらい?
わたしのパパになってくれた人は茶色の髪に薄茶の瞳。背は高い。ひょろひょろはしてないけど、がっしりもしていない。やさしいお顔。まだ一度も怒ったところを見たことがない。銀縁の丸眼鏡をかけて図書館で本を読んでそうなイメージ。名前はカッツェ。
ママはマリッサ。亜麻色の髪に、濃青の瞳。細身で儚げな印象の顔立ちだ。
「まぁま~」うーーんって両手を上に伸ばして、ベッドの上で立って待ってるとワンピースの寝間着がスポーンって脱がされる、そしたら今度はお洋服のワンピースがズボッてふってくる。首の後ろのボタンを留めてもらってお着替えはおしまい。
「ぱぁぱ~」今度はパパへ手を伸ばすと、抱っこして食卓まで連れてってくれる。そのままパパのお膝の上で朝ごはん。わたし用の椅子もあるんだよ?上手に座れるようになったから、脚が長くて座るところが高いのをパパが作ってくれたの。
でも、わたしの指定席はパパのお膝の上。
ママが「せっかく作ったのに?」って笑いながらパパに言ったら「だってすぐ大きくなって食べさせてあげられなくなっちゃうよ?」だって。
そんなわけでわたしはおやつ以外はパパのお膝の上でごはんを食べるんだ。
今日の朝ごはんも野菜スープとカンパーニュみたいなパン。それに擂り下ろした林檎。野菜スープはわたしに合わせてトロトロになるまで煮込んであって薄い塩味がついてる。
「ミア、あーん?」雛鳥よろしくわたしは小さな口を精一杯大きく開ける。スプーンをパクリと咥えるといつもと変わらず素朴な味のスープ。林檎を指さして「ぱぁぱ」って呼ぶと
「スープが先だよ?」って。
林檎は最後しかダメって。林檎好きなのに、悲しくなっちゃう。お耳もへにょって垂れちゃった。ママが外側の固いところを外したパンを持たせてくれる。固いところはパパがバリバリ、ガリガリ食べてくれる。わたしも大きくなったら固いところ食べられるようになるかな?
「先に林檎を食べちゃったらスープが入らなくなっちゃうわ」ママがミアから林檎の入った器を遠ざける。
小さなお腹はすぐ満腹になっちゃう。
でも、林檎は別腹だから大丈夫だよ?
早くスープを食べて林檎を食べる!
むぐむぐ頑張ってスープをぜーんぶお腹に入れたら、やっと林檎の番!
パパにスプーンでお口に入れてもらう。
甘酸っぱくていい香りで、おいしぃぃーー。
お顔がにこにこしちゃう。
お口を拭いてくれるママも、スプーンを持ってるパパもにこにこしてる。
「たくさん食べて大きくなってね」
手を伸ばせば抱っこしてくれる。
おでこへのキスもほっぺた同士ですりすりするのも、大好き。
毎日、「かわいいミア」って「ミア愛してる」って、抱きしめられながら眠るの。うれしい気持ちがグルグルって身体中を駆け巡ってパンパンになって、幸せが身体から溢れてパンクしちゃいそう。
ーーセラスティア様、わたし人生最高の時が毎日続いてる。
パパとママの子供にしてくれて、ありがとう。




