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転生エルフとパパとママと林檎の樹  作者: まうまう


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ウィゼンベルク村とわたし#38

「てんたかきゅ、みあこゆるあき」


見上げた空は真っ青で高く澄んでいる。きっとミアの蛍ガラスの瞳にも青い空が映って一層青く見えていると思う。

あれから、お茶の葉をお土産に持たされて山のおうちに帰ってきた。

冬はじぃじのおうちにお引っ越しをすると決まったので、冬支度の為の食料が毎日の食卓に少しずつ出されるようになった。

野菜だけ生活は少し前から終わっていたけれど、毎日脂質とたんぱく質を少しずつ取っていたら、何だかほっぺや腕が前よりもっちりしてきた気がする。ここには体重計がないからわからないけど、太ったのかも。


時々遊びに来てくれるようになったイオさんとカイ兄ちゃんに

「みあふとっちゃ?」と聞いたら

「「前がやせすぎだ」」と口を揃えて言われたので、そうだったのかな?

ママも少しふっくらとした気がするし、何より血色が良くなった。

ママは体が弱いからそれはすごくうれしい。



山のおうちに帰ってから最初に遊びに来てくれた時、ミアはカイ兄ちゃんが心配になって「みあとあしょんでいいの?」って聞いた。

それまでは普通に友達として遊んでいたのに、みりあが捨て子で施設で暮らしてるとわかると離れていってしまった人は何人もいた。その時は悲しくて訳がわからなくて、施設のお兄さんやお姉さんに理由を聞いたんだ。そしたらきっと親に止められたんだろう。って。カイ兄ちゃんだって、お兄ちゃんに言われたらそうしないと怒られちゃうかも。

カイ兄ちゃんはきょとんとして「何でだ?」って。

「みあとあしょぶとおにぃーちゃんたちにしかられないの?」

「ミアはオレの妹だろ?妹と兄ちゃんが遊んでるだけだろ?それにオレと遊んでくれないのは兄ちゃん達の方なんだぜ?それなのにミアと遊んじゃいけねぇなんておかしいだろ?」

ミアが心配したのはおうちの居心地とか雰囲気なんだけど、微妙にズレた答えが返ってきた。

でも、お父さんであるイオさんと来てるんだし、大丈夫なんだよね。

「みあ、ふゆにじぃじのおうちにしゅむから、またあしょんでね」

「おぅ、村のこと色々教えてやっからな!」

「たのちみ!」



山は日に日に色を変えて行く。

緑が元気をなくして、黄色い葉が目立つようになり紅く色付いた葉がぽつぽつと出始めたころ、パパは一人で頻繁に村へ行くようになった。

村総出の採集の打ち合わせなんだって。

帰ってくると必ずじぃじやゲーテおばさんからのお土産を渡してくれる。

昨日はおばさんが焼いてくれたビスケット。最初に会った時にじぃじのおうちで食べたのと似てる。でも今日はお土産用なのか甘いジャムは乗ってなくて、代わりにバターが全体に塗ってあって粗塩がパラリと振りかけてあった。

これはこれで後引く美味しさ。

ほんのり甘い生地のビスケットに塩味が効いている。


今日はパパは山に行かずにおうちにいる。だから三人揃っておやつの時間。

ミアはミルクにゲーテおばさんのビスケットをぽりぽり。

パパとママはじぃじからのお土産のお茶にビスケット。

ゆったりとした幸せな時間だ。


「採集の日が決まったよ。来週の始めだ」

「わかったわ」

「採集が終わったらそのまま村のみんなと山を下りる。持って行くものはほとんどないと思うけど、準備を頼んだよ」

パパがママに頼んでる。

「みあは?みあのおてちゅだいありゅ?」

「うーん、そうだなぁ、ミアにはおうちを出るときにお部屋にクリーンをしてもらおうかな。それと、女神様に採集が上手く行くようにお祈りしてもらおうかな?」

パパがミアの首にかけている白い袋を見ながら言った。

パッと見、毛糸でできたペットボトルホルダーみたいなこれはママがミアの帽子を編む前の練習で作ってくれた。

中にはセラちゃん人形が入っている。

手で持ってると落として割ってしまうからと、首に下げる紐がついている。


「くりーんとおいのりならまかちぇて!」

袋ごとセラちゃんを握って気合いを入れた。


午後はパパもママのおうちのお片付けを手伝うみたい。

ミアはヤギママにお引っ越しの日が決まったって教えてあげよう。


「やーぎーまーまー」

「めぇえ」

「あのにぇ、おひっこしらいしゅーだって!またみあをむりゃまでのっけてね」

「めめぇえぇ~」

「たよりにちてるね」

いつものクリーンをして、ヤギママの毛並みを触らせてもらう。

うん!ふわふわのさらさらのピッカピカ!

これなら村で一番美人なヤギはうちのヤギママだよ。


あと、ミアのお引っ越しの準備は林檎の樹さんへの挨拶だ。

おやまのおうちを離れるならしばらく林檎が食べられない。

どうしよう。

なるべくたくさん持っていきたいな。

ピュイトにも食べきれないぐらいあげるって約束しちゃったし、じぃじにもお世話になるから渡しておきたいし、カイ兄ちゃんのおうちにも持って行きたい。だって、カイ兄ちゃんがミアと一緒に遊んでるから林檎が食べられるんだ、って思えば、カイ兄ちゃんはおうちで苛められないよね?

うふふ、ミアって策士じゃない?


でもミアじゃ全部運べないから、パパと相談しなきゃだね。

「ぱぁぱ~りんご、みあたっくしゃんいるーー!」













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