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転生エルフとパパとママと林檎の樹  作者: まうまう


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ウィゼンベルク村とわたし#31

朝ごはんの後は、ちゃんと汚れた食器をクリーンした。

ついでにこんな空模様だから、洗濯物も持ってきてもらってクリーンした。

「お天気に関係なく洗濯物がキレイにできるなんて、ミアちゃんは洗濯屋が開けるねぇ!」と、ゲーテおばさんはとっても喜んでくれた。

「空いた時間でママに編み物が教えられるよ」とミアの頭を撫でてくれる。

ママも「お願いします」と嬉しそう。

「ママ、お裁縫はミアのお洋服を作ったりしてたけど、編み物は久しぶりで…」と恥ずかしそうに話してくれる。「おばさまに習って上手にミアの帽子を編むわね」今度はママが頭を撫でてくれる。

「ろいりょのけーと!」ミアのお帽子!

「そうよ、せっかくいただいたのだもの素敵なのを作りたいわ」

二人は早くもどんな帽子を作るのかで盛り上がっている。


ママ達の予定は決まったみたい。

パパはどうするのかな?ミアと遊んでくれるのかな?

パパに聞いてみよっと。


「パパもミアと遊びたいんだけど、山のお仕事の事でじぃじと村の人との打ち合わせに行かなくちゃいけないんだ。本当はすっごくミアといたいから、ミアが泣いちゃうならパパはミアと一緒にいるよ?」

すごく真面目な顔でそんなこと言われても……誰かが待ってるんだよね?

「まぁまとおるしゅばんしてる。ぱぁぱ、おしごとがんばっちぇ」と言えばパパはすごくがっかりしていた。


パパとじぃじが出掛けてしまうと、ゲーテおばさんとママは居間で編み物講習会だ。ミアはその回りでうろちょろする。

他所のおうちにきたら、勝手に歩き回らない、案内されたお部屋にいること。トイレは貸して下さい。って言ってから行くこと。引き出しや冷蔵庫を勝手に開けたりしないこと。

施設の職員鈴木さんに教えてもらったこと、ちゃんと覚えているから大丈夫。最近は親のいる子でもマナーが守れない子がいるんだって。

触らないよ、見てるだけ。

山のおうちにはないものがいっぱいある。

一番目につくのは大きな暖炉。

レンガでできてる。今はまだ寒くないから空っぽ。

隣に大人の腰ぐらいまでの高さのタンス。上にレースの敷物が敷いてある。手作りっぽい。ゲーテおばさんが作ったのかな?

ちらりとママ達を見ると、ゲーテおばさんの編み棒はくるりくるりと軽やかに動いている。ママはそれほどでもなくて、少しもたついたりする時がある。まずは練習用の毛糸で慣らすみたい白い毛糸が籠に入っている。

レースの敷物の上にはきれいなお花が描いてあるお皿と陶器でできた白いお人形。リサちゃん人形ぐらいのそれは胸の前で手を組んでいるポーズでマリア像みたい。もしかしてセラスティア様かな?

セラスティア様かどうか確かめたくてじっと見ていたら、ゲーテおばさんが「気になるのかい?」と、わざわざ立ってタンスの上から取ってくれた。

「女の子はやっぱりお人形が好きさね。それはね、セラスティア様っていう女神様だよ」って教えてくれた。

おぉー教会以外でもセラスティア様は信仰されてるんだね。持たせてもらったので今度はみりあが見たセラスティア様の顔と似ているかしげしげと眺める。銅像とかってたまに似てないのがあるっていうしね!んー、似ているような、似ていないような?リサちゃんみたいに色がついてなくて白一色だし、大ざっぱに目、鼻、口が作られてるだけだからよくわからないや。

そんなミアを見てゲーテおばさんは「気に入ったのなら、持っておゆき」と言った。

えっ!?ミアそんなつもりで見てたんじゃないよっ!?

ママもびっくりして「ダメですよ、そんな。子供のおもちゃにしたら罰が当たります」とお断りしてくれた。けど、ゲーテおばさんは「いいじゃないか、こんなかわいい子が遊び相手なら女神様だって笑って許して下さるよ」と言った。そして、ミアの人形を握った手を両手で包み込んで「今は遊び相手だけれど、大きくなったら辛いことや人に言えない悩みを女神様に聞いてもらうといいよ」と続けた。


その後、ママとゲーテおばさんがやり取りをしたけれど、結局人形はミアがもらうことになった。



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