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転生エルフとパパとママと林檎の樹  作者: まうまう


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ミアとオレ#1

山番の小屋を出て、父ちゃんとオレは村への帰り道を急ぐ。まだ時間はあるけど、日が暮れちまえば危ねぇことが増えるから。坂道を父ちゃんの後ろをついて歩く。


オレに小さな妹ができた。

もちろんホントの妹じゃないけど「かいにぃちゃ!」って、兄ちゃんって呼んでくれた。おっきな目で見上げてきて「しゅごい!」って尊敬の眼差しで見られてくすぐったかった。

オレは家族の中ではいっつもチビ扱いで、父ちゃんも兄ちゃんも「まだまだ」とか「まだ早ぇ」とか誉められたり任されたりすることがない。

ミアは村の子供なら誰でも知ってるようなことも知らねぇし、誰でもできるようなこともできなかった。

手を握って小ささと柔らかさにびっくりしたし、おんぶしてやった時髪がサラッてしてくすぐったくて、耳に当たるほっぺたがぽにょっていうか、もにょってして、あぁ、これが小さな女の子ってヤツなんだって、母ちゃんが言った「小さな女の子に乱暴するなんて情けない」って言ったのがマジで実感できた。


オレなんで、昨日あんなことしちまったんだろう。


昨日は朝から兄ちゃん達は二人で狩りに行っちまった。「オレも一緒に行く!」って言ったのに「お前にはまだ早い」って言って連れてってくれなかったんだ。そりゃ上のダイ兄は来年成人になるからわかるけど、ライ兄はまだ12でオレと4つしか違わねぇのに。オレをおいてくなんてヒデェって思いながら家で仕事の準備してる父ちゃんに相手をしてもらおうと思ったら、近所のオッサンが「大変だぞ、村長がエルフの孫娘連れてたぞっ」ってデケェ声で近所中に触れ回ってきたんだ。それ聞いた父ちゃんは「どうなってんだ?」って飛び出して行っちまったんだ。


むしゃくしゃしながら広場まで行ったのに、いたのは女ばっかりでオレの友達は誰もいなかった。

ちぇっ、折角ここまで来たのにっていつものヘンテコごっこ遊びしてる方へ近づいていくと、知らねぇチビが混じってた。

髪から覗く耳が長くて時々ピコピコと動いてる。なんだあれ。父ちゃんがよく狩ってくるラビーみてぇな耳。


父ちゃんは狩ったラビーの耳を片手で両耳を一纏めにして持っていた。チビの耳は離れてるから片方ずつ握れば持ち上がるかもしれねぇ。


って思ったオレはバカだ。


言い逃れしようとしたオレの耳を父ちゃんに引っ張られて痛さに涙がこぼれた。

あんなにどこもかしこも柔らかくて小さいんだもんな、痛くて当たり前だ。

母ちゃんが泣いて、自分が悪いことをしたってのはわかったけど、今日ミアをおんぶして本当に悪かったと思った。

ミアは許してくれたけど、何で耳を引っ張るなんてことやっちまったんだろう。

ため息が出た。


「おー?なんだ疲れたか?おぶってやろーか?」

先を歩いてた父ちゃんが振り返った。げ、ため息聞こえたのか。

「違う。まだ歩ける!」ずんずんと速度を上げて父ちゃんの横へ並ぶ。

「なぁ、父ちゃん、ミアの父ちゃんと友達なのか?」

「話してなかったか?もともとはなカッツェの兄貴と友達だったんだ。それにカッツェと牧場のダズの同い年コンビと四人で一緒に、お前ぐらいの小せぇ頃は毎日遊んでたな」

父ちゃんは懐かしそうな目でオレの頭を撫でた。

「今でも怖いけどよ、あの頃の村長も怖くてよ、イタズラした俺とカッツェの兄貴に巻き込まれて四人でよく叱られたもんだ」

にししって感じて父ちゃんが笑う。オレもその頃の村長に叱られてる父ちゃんを想像しておかしくなった。

「だがなぁ、カッツェのおふくろさんが病になってからはアイツが家のことも村長の仕事の手伝いもで、遊べなくなっちまったんだよなぁ」

遠くの空を見つめて、父ちゃんは一瞬寂しそうな目をした。その頃のことを思い出したのかも。

「だから、久しぶりに会ったカッツェがあんな幸せそうで俺はスゲェ嬉しいわ」

父ちゃんはオレの頭を今度は乱暴にガシガシと撫で回した。

「いつの間にか、あんなかわいい娘までいやがって」

「ミア、オレのこと兄ちゃんって呼んでくれた!」

「おー、カイ兄ちゃん。よかったな許してもらえてよ」

「父ちゃん、小さい女の子ってかわいいんだな。オレも妹欲しい。どしたら妹くれる?」

父ちゃんはそれを聞いて困った顔をした。

「妹はミアでいいじゃねぇか、兄ちゃんになったんだろ?」

「ミアは大きくなったらオレのお嫁さんにするから妹じゃなくなっちまうだろ」

「嫁さんねぇ、カッツェから許しをもぎ取るのはなかなか難しいんじゃねぇか?ありゃなかなか手放さねぇぞ」

さもおかしそうに父ちゃんは笑うけどオレは本気だ。

「オレ、ミアといっぱい遊んでやるし、強くなって守ってやる!そしたらミアの父ちゃんだっていいって言ってくれると思うっ」

ギュっと握り拳に力を入れる。


「まぁ、ガンバれ。父ちゃんも応援しとくわ。それから妹は母ちゃんに頼め。な?」

「ん、わかった!」


家に帰って、ミアにちゃんと謝って許してもらえたことを母ちゃんに話したら、ぎゅっと抱きしめられて「えらかったね、それでこそ男の子だ」って誉められた。

なのに「妹が欲しいって父ちゃんに頼んだら母ちゃんに言えって」って言ったら今度は頭をはたかれた。

なんでだ???








今回はカイ兄ちゃん視点でのお話を投稿させてもらいました。作者はこの親子けっこう好きだったりします。登場人物が少ないのに何言ってんだか。ですが(;´д`)

よければ感想などもらえるとうれしいです。

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