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転生エルフとパパとママと林檎の樹  作者: まうまう


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ウィゼンベルク村とわたし#6

涙を手のひらで拭い、ベンチからするりと滑り落ちると正面のセラスティア様の浮き彫り(レリーフ)の前へ行く。頭上に大きな星のようなものが煌めいていてセラスティア様がそれに両手を伸ばしている。

「それは女神様がこの世界をお創りになった時、初めに作られたものを表しています。アディル・フォスという強く輝く大きな星です。旅人はその星をみて方角を知ると言います」

後ろへ立った神父様が教えてくれる。


「みあにとってはね、ぱぁぱとまぁまがこのほちよ。みあになってからはさみちいのはいっこもないのよ。さみちくないといっちゅもこころがぱんぱんににゃるんだね、みあはぢめてちったよ。みあはぱぁぱとまぁまがだいしゅき。せらすてぃあしゃまはみあのおねがいをきいて、みあにぱぁぱとまぁまをくれぇたの。みあがぱぁぱとまぁまがいいってゆったの」

一度はこらえた涙がぽろぽろぽろぽろ止めどなく溢れてくる。

「ぱぁぱとまぁまとはなしゃないで。おねがい、みあのちあわせはぱぁぱとまぁまといられることにゃの」

浮き彫り(レリーフ)の前でお祈りのポーズをとる。

どうかミアの幸せを奪わないで。愛し子なんかじゃなくていいからミアをパパとママと一緒にいさせて!


ハッと息を飲む音がした。

浮き彫り(レリーフ)から薄紫の光が現れた。そしてさっきとは違いはっきりとセラスティア様の声がした。

「ミリアンジェ、愛し子よ、あなたの幸せはわかっていますよ。あなたの幸せはあの夫婦と共にあること。大丈夫、それは何にも脅かされません。まして、(わたくし)の信徒がそのようなことをするはずがありません。あなたの純粋な願いは(わたくし)の喜びでもあるのです。汝ピュリンハイドよ、時に信仰は澄んだ目をも曇らせてしまう。愛し子である前に幼子であるミリアンジェの願いを妨げてはなりません」

そう告げるとセラスティア様の声は薄紫の光と共に消えていった。

「な、なんと、声が…?女神様の御声なのか……?私の名を……呼ばれたのか?」

振り返ってみたら、神父様もお祈りのポーズをしていた。だけどさっきのお祝いの時とは違って、今はほとんど土下座に近い格好だ。


「お許しをッ、う゛ぅ゛、おゆるじをっ!私はなんという心得違いをしてしまったのでしょうっ、今ひとたび私は誓います。私の心は女神と共に。女神の喜びは私の喜びっ、ミリアンジェがこなたで幸せになれるように身命を賭して力になることを誓いますッ!」


床すれすれの頭からは嗚咽が聞こえてくる。今のセラスティア様の声は神父様にも聞こえてたんだ。


よかったぁ。

一時はどうなることかと思ったよ。

これで連れて行かれないよね?

セラスティア様のお告げのおかげだね。

ありがとうセラスティア様。

そして神父様はガチの女神様信者だということがわかったよ。

お祈りの言葉が途切れた後も土下座ポーズはそのままでまだプルプル震えてる。

出世とか疑ってごめんね。


「あのにぇ、しんぷしゃまにおねがいがあるの。ぱぁぱとまぁまにちがうしぇかいのみりあのことはないちょにしてほちーの」

顔を上げた神父様は涙で顔がくしゃくしゃだった。

きれいな顔が台無しだ。

「えぇ、もちろんです。きっと混乱させてしまうでしょうから、ミリアンジェは女神様から預かった愛し子ということだけで十分でしょう」

少し気持ちを持ち直したようで、しっかりとした返事をしてくれた。


よかった。できればパパとママの前ではミアはミアでいたい。


もう教会へは連れて行かないということと、ミアの前世のことは内緒にすることが約束できて、ミア大勝利じゃない?


気がついたら、いいねとブクマが100を越えていました。

ドキドキが止まりません。

不整脈かもしれません。


死ぬまでには完結まで書き上げたいものです。

(そんな大長編ではありません。念のためw)


いいね&ブクマして下さった皆様ありがとうございます♡


今後もミアをよろしくお願いします!



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