双子の女神#2
私、安西みりあ、地方都市の養護施設居住10才はいつの間にか死んでいたらしい。
ーー女神様、本当に私死んじゃったの?
女神様に言われた通り、伝えたいと思いながら問いかける。
「えぇ、若いのに残念だったとしかいいようがないわね。でも意外と落雷が死因というのはあるものなのよ。寒いところだと氷柱が刺さったり、南の方だとココナッツが頭を直撃とかね。あぁ、私はテラスティアというの。次からはそう呼んでくれるかしら?」
ーー私はこの後どうなりますか?
「さっきも言った通り、あなたには異世界転生をしてもらうわ。私の双子の妹が女神をしている世界よ。あちらでどういう転生をするのかは妹のセラスティアに任せることになるわ。私は地球の女神だから、あちらには干渉できないの。そろそろセラスティアもあなたの代わりの魂を持ってこちらに来るはずなのだけれど、あのこはのんびりだから」
「そんなことないですよー。お姉様ー」
また美少女が現れた。
テラスティア様とそっくりだ。ただこちらは髪がストレートの薄紫で瞳が金色だ。衣装は若干フリル度が少なめだがやっぱり白かった。
「久しぶりね、セラスティア。こちらは大体説明が終わったところよ。その手のひらのがそちらの交換する魂ね?」
「はい、お姉様ー。こちらが交換する魂ですわー」
妹女神様の手のひらには亀が乗せられていた。真珠の光沢をもつ甲羅に、しっぽは真っ赤なフサフサだ。地球では見たことがない。
亀は差し出された姉女神様の手のひらに移ろうとゆっくりひれを動かし始めたのだが、待ちきれなかったのかテラスティア様は上から甲羅をむんずと掴んで自分の手のひらに移動させてしまった。
「そして、あなたが私の世界へくる魂ね?」
妹女神様は私の右手をそっと握った。
「少し、このままでいてねー?」
「「これより魂の譲渡に入ります」」
二人の女神様が声を揃えると、それぞれの空いた手にファイルが現れた。
「「こちらが今回交換する魂と、ソウルナンバーの書類となります。お間違いのないようご確認下さい」」
役所の人みたいなことを女神様が言うと私の身体と妹女神様の持つファイルは青白く、亀さんと姉女神様の持つファイルは赤く光った。
「間違いないようね。これで管理権限の移動はすんだわね。今回の魂の交換はあなた達で終わりだったわね?さて、私は帰るわね。転生手続きも早く終わらせたいし。あぁ、お父様とお母様がたまには会いに来なさいってセラスティアに伝えてって仰っていたわよ。たまには自分から連絡をとってちょうだいね。いつも私にあなたの様子を聞かれているのよ?それから今度は仕事抜きでお茶でもしましょうね。あなたの世界の管理も頑張って。ではまたね」
そうして姉女神様は姿を消した。
結局一度もテラスティア様と呼び掛けることもなかった。
地球の女神テラスティア様は、ちょっぴりせっかちで早口だった。




