パパとママとわたし#14
パパよりもママの方が我に返るのは早かった。「夕飯作らなくっちゃ!」慌てておうちに戻っていく。
パパはミアを見つめていたけど「ミアといると退屈しないなぁ」って笑った。
「さ、この水で手を洗っておうちへ入ろっか」
「うん!」
「今日のごはんは何だろうなぁー?」
「みあねー、りんごがいーい」
「えー毎日食べてるよー?」
「えへへ、みありんごだいしゅきー」
手を繋いでもらっておうちへ入る。
囲炉裏にはもう火が入れられて、暖かな光が満ちていた。
夕飯はお芋と玉ねぎとちょっぴりのベーコンを炒めたのだった。でもバターとガーリックが使ってあってとってもいい香りがしてる。
お耳とお鼻がぴくぴくしちゃう。
今日もパパのお膝の上で「いたーきます!」ふーふーしてもらってもぐもぐする。「おいふぃー」ミア用に薄く切ってあるパンに手を伸ばす。今日のパンには薄くバターが塗ってあった。早速もぐもぐ。うん。ほのかな塩味と日本で食べてたのよりミルクっぽさがあって美味しい。
ふと、パパのお皿を見ると、パパのパンにはバターは塗られていなかった。
ママのにも塗ってない。
みりあもミアもこういう時、どうしていいかわからなくなる。「ミアのパン食べてもいいよ」って言っても「ミアが食べなさい」って言うんだろうなぁ。結局どうしていいかわからないまま完食した。
パパとママとミアにクリーンをして、すっきりして寝る準備をする。
囲炉裏の火は落とされて僅かな熾火が息をしている。薄緑のランプが灯されてお部屋が淡いグリーンに染まる。
おやすみのキスをして目を閉じる。
……ねぇ、セラスティア様、みりあは大事にしてくれる両親のところへ行きたいってお願いしたけれど、ミア大事にされすぎじゃないかな?あとで何か悪いこと起こったりしないよね?
みりあは誰かの一番になったことはなかった。ミアでも、もしかしたらパパの一番はママで、ママの一番はパパかもしれない。でも、二番はミアだと思うの。みりあに優しくしてくれた施設の所長さん、職員さん、卒業してしまったお兄さんやお姉さん、みんな、みんな家族や他の誰かや自分自身、大切な人はすでにいて、どれだけ優しくされてもみりあを一番に考えてくれることはなかった。二番でも三番でも四番でもない。ただの施設の子。
さみしくてしょうがなかったけれど、“一人で生きていく”ことができるように、運動は苦手だったけど勉強も頑張ってたし家事もできるようにできる限りお手伝いもした。
みりあが死んじゃったって聞いたときショックもあったけど悲しむ人もいないし、いいか。とも思った。
なのに、今、こんなに大事にされている。
あぁ、今頭を撫でてくれてるのはパパかな、ママかな?
幸せすぎてこわい。って何のことかわからなかったけどこーゆーことかな?今ならちょっとわかる気がする。
いっぱいお手伝いもして、いい子でいるから、ミアを捨てたりしないでね。
パパ、ママ、だいすき。
GWですね。私の職場ではすでにGWです。
サービス業ならば避けては通れぬ道です。
連休中は更新が滞る可能性大です。
すみません。
先に謝ってしまいます。