パパとママとわたし#11
2022/04/24 22:56 改稿の部分はミアの台詞にカタカナが混じっていたのを修正しました。
ストーリーには一切変更ありませんので、スルーしちゃって下さい。
「それで教会へいく日は決まったの?」
「あぁ、2週間後にしたよ」
「2週間?1ヶ月後にするんじゃなかったの?晴れ着間に合うかしら?」
「大丈夫、明日から洗濯はミアに“クリーン”してもらえばいいよ」
パパは優しい目をパチリとウインクさせてミアを見る。
「みあくりぃーんしていい?」
「あぁ、大丈夫だって、神父様はおっしゃったからね」
村の教会の神父様はちゃんと神父様になる学校を出ていてとても物知りなんだって。で、その神父様によると、エルフはとても魔力が多い種族なんだそうだ。平均的なエルフの魔力は平均的な魔法の使える普人(只の人間はこう呼ぶんだって)の10倍ぐらいあるんだそうだ。なので日常で使うクリーンぐらいなら倒れたりすることはほぼない。と、いうことらしい。
でもミアはまだ小さいし、エルフにも個人差があるだろうと言うことで、パパはまだ心配みたい。
「念のため1日6回までだよ」
パパとママとミアに寝る前に使うと3回。洗濯物で1回。後の2回はその時々でママのお手伝いで使う。6回以上使うときはパパかママに言うこと。に、なった。
やったね!お手伝いがんばるよーー。
「あぁそうだ、ミアにもう1つお土産」
パパがカバンから出したのは大きめのジャムのビンぐらいの壺。割れないように布でくるまれてた。コルクみたいな栓がしてある。パパが栓を取るとふんわり漂うあまーい匂い。
「蜂蜜!?」
ミアが言い当てるより先にママの弾んだ声。
「はつゅみちゅ」
「高かったでしょう?」
「それはゲーテおばさんがくれたんだ。“ご挨拶”のお祝いに、って。だからそれでミアに何か作ってあげて」
「まぁ、じゃあ何か当日お返しを持っていかなくちゃ。おばさまと会えたなら約束もちゃんとできたのよね?」
「まぁ、ね。ミアに会うのを楽しみにしてたから、ゲーテおばさんに任せておけば大丈夫だと思うよ」
「おばさま、様々ね」
「げーておばしゃん、だぁれ?」
「パパのパパの妹さんよ、わかるかしらね?」
なるほど、おばさんって年齢のことじゃなくて、親戚のおばさんってことか。ミアにもみりあにも初めての親戚だ。どんなお顔かな。ちょっとパパに似てたりするのかな?“ご挨拶”すごく楽しみになってきた。
その日の夕飯はせっかくだから、と、買ってきたばかりのソーセージを入れたスープだった。玉ねぎと人参と豆と輪切りにされたソーセージ。それがトマトソースで煮込んである。給食ででてきたポークビーンズみたい。ママが作ってくれたのはソーセージが粗びきだからお肉!ってカンジで食べ応えがある。スープもソーセージからのおだしが出ててとっても美味しい。ずっと野菜生活だったからソーセージからの脂肪分がとても甘く感じる。
ミアがすぐお口を開けるから、パパのふーふーが追い付かない。
「おいひぃね」
「「おいしいね」」
デザートに林檎を食べて、みんな満足。
いつも通りの寝る準備、の前に
「みあがくりーんしゅる!」ってパパにもママにもミアにもクリーンをした。スゴい効果。
肌はすべすべさらさらになったし、頭皮も髪もベタベタしない。歯磨きしなくても歯の表面もつるっつるだ。
ついでに着ていた服まできれいになっていて、パパの服から汗の臭いも消えちゃった。
「あしたもしゅるね!」って言ったらパパもママもこくこく首を縦に激しく振った。
やったね、ミアも家族の役に立ってるよ!
それからベッドに入っておやすみなさい。ほっぺにキスをしてもらって眠る。
「ぱぁぱ、まぁま、だいしゅき」
「パパもミア大好きだよ」
「ママもミア愛してる」
胸一杯の幸せを吸い込んでお布団へ潜る。
わたしのお祝いしてくれる“ご挨拶”、2週間後かぁ、楽しみ。