パパとママとわたし#6
そのままおうちでお昼ごはん兼おやつの林檎を食べる。この世界は1日2食が標準なのか、うちが貧しいからお昼ごはんがないのかはわからないけど、多分後者だとミアは思ってる。
おやつはパパがいないから、ちゃんと自分の椅子に座って食べるよ。
最近は薄く切ってもらった林檎を掴んで自分で食べられるようになったよ。
しゃくしゃくよく噛むと、ジューシィな果汁が口いっぱいに広がる。甘くて美味しい♪
「みあ、ごはん、じぇーんぶりんごでいーよ」
正直、薄い塩味のスープは少し飽きてきている。林檎は美味しいから3食でも飽きないよ?ママも林檎好きでしょ?
「ミアのおかげで林檎はたくさんあるけど、毎回はちょっとねぇ。それに色んな物を食べないと大きくなれないのよ?」
「ミアは本当に“エルフに林檎”ね」って苦笑する。
時々言われる、この“エルフに林檎”、多分“なくてはならないもの”みたいな感じだと思う。ニュアンス的にはほかの意味があるような気もするけれど、2才児が説明を求めるのも変だと思うからそれはスルーだ。
ママと林檎を食べ終わる。
「ごちょしゃました!」
食べ終わったら、また庭に出る。
ママは畑仕事をする。ミアもお手伝いしたいけどまだ何もさせてもらえない。草むしりぐらいはできるかと思ったけれど、雑草取りは頼もしい味方がいるのだ。
それはヤギ。みりあが頭のなかで思い浮かべるヤギより毛が多くて長い。あんまりにも毛が多いから最初はヤギ?って思ってた。でもママ達は「ヤギ」だって。
まぁここは地球じゃないから名前が同じ違う生き物なんだって理解した。
もふもふのヤギはむしゃむしゃと畑の雑草を食べてくれる。それでいて大事な作物は食べない。違いのわかるヤギ、かっこいい。
パパとママはヤギに名前をつけてない。愛玩動物じゃなくて家畜ってことかな。
でもミアは返事がなくてもおしゃべりする相手が欲しいので勝手に「ヤギママ」と呼んでいる。
ミアにお乳をわけてくれたヤギだからだ。
ヤギはもう一匹いる。ミアの乳兄弟になる子ヤギだ。こっちは「ヤギ兄」と呼んでいる。ヤギ兄はもう大人と同じ大きさなのに、大事な茄子やにんじんの葉っぱを食べようとする。その度にヤギママにぐいぐい押されて畑から遠ざけられていて、教育的指導が行われている。
さすがヤギママ、教育には手を抜かない。
青い空に少しずつオレンジが混ざり始める頃、パパがお仕事から帰ってくる。
「ぱぁぱーーー!」
思いっきり叫んで、ダッシュで飛び付く。ダッシュと言っても実際はトコトコぽてぽてってカンジだけど。だけど気分は全速力で風を切っている。
「ただいまミア」
すぐさま抱き上げられて、ぎゅむぎゅむされる。
「ミアがいなくてパパはさみしかったよ~」
「おかぇりぱぁぱ」
ほっぺとほっぺをすりすり、むにむに。すりすり、むにむに。すりすり、むにむに。
「ほら、いつまでやってるの?夕飯にするから二人とも手を洗ってちょうだい」ってママが言うまでがお約束!
二人で笑っておかえりのあいさつはお終い。
昨日(4/19)異世界転生・転移/ファンタジーのランキングで218位に入っていました。
信じられなくて夢見心地で就寝しました。
今朝ランキングを確認したらすでにありませんでした。
どうやら本当に夢だったみたいです。
夢といえば次の次?ぐらいに、みりあの夢の小話を投稿しようかと思います。
その時はまたご一読下さいませ。