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転生エルフとパパとママと林檎の樹  作者: まうまう


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エルフの国のわたし#10

「ジーンッ!次呼ぶのは二日後だって言ってたよね!?」


目が覚めたら、いきなり聖域だった。

目の前には寝顔を覗き込んでいたらしいジーンの顔。


にこにこと「起きたか」なんて、のんきな返事。

どうやら寝ていたベッドごと転移させられたみたい。


もーっ!

もーっ!

もーっ!

こういうとこ!

こういうとこがエルフにそっくりだよ!

違う!

こういうとこがエルフは似ちゃったんだ!!


「もーーーっ!みんな心配しちゃう!!」


「大事ない、此度はちゃんと説明してきた故に」


「本当に!?ミア昨日大変だったんだから!」


「ん、心配いらぬ。先代神子は神気に耐えられるようであったしな。それに横におった小エルフも子供ながらに今日は耐えておった。あれはクローロンの末か?」


「小エルフ?リデルのこと?」


「私の姿を見て目を見開いておった」


「んと、リデルはエルフの国の王子様だよ。あっ、そうだ!リデルが“オリジン・クローロン”は初代王だとか何とか言ってたけど、ジーンは初代の王様だったの!?」


「いや?私には女神様より賜った役目がある故、王などやらぬ」


「なんだ、じゃあ別の“オリジン”さんか……」


そうだよね、ちゃんと歴史の本に「死んだ」って書いてあるらしいし。

同姓同名の間違いは日本でも聞いたことあるし!


「色んな種族を造った時、あやつらが私に王になれとうるさかったので分身を造ってやった。そやつのことであろう」


「えっ?分身!?」


「昨日言った通り自分と同等以上のモノは造れぬ。故に“私の分身(オリジン・クローロン)”には聖石をいくつか持たせて送り出したのだ。そうか、やはりあの小エルフはクローロンの末であるか」


ふむふむとジーンは一人で納得してるけど……


「そ、それって多分エルフのみんなは知らないことだよ。ジーンのこともどこまで話していいかわからなかったし、ミアの頭がヒミツでいっぱいになっちゃう……」


「別に秘密にする必要はないであろう?それとも私は何かいけないことをしてしまっていたか?」


「え?」


そう言われて、首をひねって考えてみるけどジーンは自分のお仕事をしただけ……だ。

「いけないことはしてない……よ?」


「ならば隠さずともよいのでは?」


みんな、すんごい、すんごいビックリするとは思うけど。


「……ソウダネ」


まぁ、ミアの頭の中がヒミツでぱんぱんになっちゃうよりいっか!


それより、せっかく今日も聖域に来たんだもん、早くミアの林檎の樹さんを世界樹にしてママのところへ帰らなくっちゃ!


「ジーン、このベッド元のところへ返しておいてね!」


まずはクリーンしてお着替えしなくっちゃ。

寝間着のままで外にいるのは何だか落ち着かないし。

創造(クリエイト)で服を作っちゃえばいいよね!

絵本で見たお姫様とかお嬢様とか昔の少女マンガみたいなのがこっちの女の人のお出かけの服。

普段着は大体地味なワンピース。

ミアもいつもワンピース。

でも、たまにはワンピース以外がいいな。

白いブラウスとスカートの組み合わせならきっと大丈夫だよね。


大きめな四角い襟のブラウス。

襟と袖口に控え目にフリルを少しだけ。

ボタンは小さめで同じ生地の包みボタン。

スカートは……外からはふわふわ布がたっぷり使ってあるスカートに見えるキュロットスカートにしよう!

膝よりちょっと上の丈で、ハイウエスト。

色は黒?紺?だとちょっと地味すぎ?

でも生地に光沢があったらそんなことないかも。

テカテカじゃない、うっすらと品よく光るのがいいよね!

よし、明るめの紺いろにしよう。

それに、膝丈の同じ紺色のソックスに焦げ茶色のローファーで!


創造(クリエイト)!」


テレビで見た魔法少女みたいに一瞬でお着替えするのもできた!


「へへっやった!ジーン見て見て!この格好変じゃない?」

その場でくるりと回ってみる。


ベッドを送り返したジーンは「かわいいとは思うが変かどうかは私にはわからぬ」とにこにこしてる。

ジーンの着ている服は神話に出てきそうな白くて長いやつ。

似合ってるけど、ファッションが古代で止まってるや……。


よしっ、自分で確認しよう!


創造(クリエイト)!」


大きな姿見を出してチェックする。


うん、大丈夫、変じゃない!

でもちょっと物足りないかな?

んと、そうだ、頭がさみしいんだ。

キュロットスカートと同じ生地の大っきなリボンがいいな。


創造(クリエイト)!」


横を向いて鏡に映すと頭の半分ぐらいある大きなリボンでミアの髪がちゃんとハーフアップになっている。


「うん、完璧!」


「あぁ、完璧だ!」


両手を広げたジーンがぎゅむっとミアを抱き締めてきた。

「わ、わ、何?どうしたの?」

創造(クリエイト)を使いこなせるミアはやはり私の娘だ!」

左右に揺れながらぎゅむぎゅむが止まらない。

抱き締めながら、くふふと小さく笑い声をあげている。


自分と同じ存在がいるのがうれしいんだよね。

ミアがいるから、もうさみしくないよ。

「よしよし」

手を伸ばしてジーンのサラサラの髪を撫でてあげたら、一瞬ビクッとしたけれど「……もう一度」とおねだりされた。


さみしくないよ、もうさみしくなくなるからね。


そう念じながらくっついてむぎゅむぎゅとなでなでをしばらくしていたけど、ミアのタイマーがきゅるるる~と終わりの時間を告げた。


ジーンはきょとんとしてる。


朝ごはんまだだったからしょうがないよね!?


ていうか、こういうところはミア、ジーンに似ちゃってるんじゃない!?



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