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前触れ




お母様とリリィが帰ってきた。



私はリリィとティータイムを過ごすために待ち構えていたのだけれど、帰ってきたお母様は私に大事な話があると私を執務室に呼んだ。



リリィは疲れているのか馬車で寝てしまっていて、そのリリィをマクレードお父様がお部屋に連れて行ってあげていた。



コンコン…



「お母様、ツェティーリアです」



「お入りなさい」



執務室には、お母様のほかにもディオールお父様とファレオお父様もいた。



「お父様たちまで…どうなさったのですか」



緊張した顔をしているお父様たちに、私はなにか重大なことが起きているのだと悟った。



「……数年のうちに、隣国との間で戦争が起こる可能性があるのだそうよ」



お母様のその言葉に、私は言葉を失った。



戦争。つまり魔法師であるディオールお父様や、騎士団長のファレオお父様は必ず参戦しなければならないということだ。



グレベリン公爵家は国の重要な戦力だ。戦いを避けることは許されていない。



文官であるマクレードお父様も登城してしばらくは帰れなくなるし、外交官のグレインお父様やお母様だって近隣国との外交で忙しくなる。



私はそんな誰もいなくなる公爵家を、どうにか維持しなければいけないのだ。



普通なら、子どもの私がすることではない。



でも、私は違うのだ。ただ幼い8歳ではなく、公爵家の、この国の重要戦力たちの長女なのだ。



「…私にできることは何でもします。お父様、お母様、私に戦争までの期間でできる限りのことを教えてください。お願いいたします」



「幼い貴女には厳しい日々になるわよ」



「承知しております。魔法でも、剣でも、もっともっと稽古をさせてください。」



お母様は困ったような笑顔でうなずいた。



あと数年…いつ起きてもおかしくない戦争のために、私はできる限りの努力をすると誓った。







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