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勇者撲滅43


そして、ユージとラナがダンジョンに潜ってから1ヶ月が経った後・・・


「ユージ様♪ 新たなスキルを覚えました♪」

「本当か! 今度はどんなスキルと覚えたんだ?」


「はい♪ “鑑定”のスキルの様です♪」

「マジか・・・それもレアスキルって言っていたよな・・・。」


「そう言えば仰っておられましたね♪ ですが、これでいつでもユージ様のステータスをお調べする事が出来ますね♪」

「確かに・・・それは、助かるな♪」


そう・・・未だにユージは自分のステータスを開いてもレベルやスキルだけしか表示されなかったのだった。

それ以外を確認したければ冒険者ギルドの魔道具を通さないと分からなかったのだが、ラナが覚えた“鑑定”と呼ばれるスキルは、先程レアスキルと言われた通り、1000万人に一人いるかどうかと言われる程のレアスキルであった。


鑑定のスキルは、兎に角便利で、瞬時に相手のステータスを看破する事が出来る。

レベル次第では、さらに相手の弱点まで看破する事が可能だ。


品物に使えば、その商品や物の状態を詳しく調べる事が可能であり見分けが付きづらい薬草などであっても普通の薬草と上薬草とをハッキリと見分ける事が出来る。

偽物であればフェイクと表示されるらしいので、商人であれば喉から手が出る程、必要とされるスキルであった。



「ついでだ♪ラナ!俺のステータスを鑑定してくれるかい?」

「はい♪畏まりました♪ “完全鑑定“」


■―――――――――――――――――――――

名前:ユージ・ワールド・カミヤ(年齢19歳)

職 業:勇志 レベル:127

力  13,335(105)

体 力 12,700(100)

魔 力 20,320(160)

センス 7,620(60)

素早さ 1,905(15)

加 護 ―――――


武器:龍刀(攻撃力8,000)、魔導弓(攻撃力1,000+α)

防具:火龍の鎧シリーズ(防御力4,000 + 火属性耐性40%)

    火龍のレッグガード(防御力1,000 + 火属性耐性15%)

    火龍の盾(防御力3,000 + 火属性耐性20%)

    火龍の額当て(防御力1,000 + 火属性耐性15%)

―――――――――――――――――――――■


「うわぁ~♪ ユージ様のステータス・・・物凄いですね・・・」

「本当に・・・凄まじいステータスになってきたな・・・それにしても・・・ここまでハッキリ自分のステータスを見たのはレベル60の頃以来だな・・・レベルは倍位なのにステータスが4倍以上に伸びているな・・・」


「ユージ様の加護はどう言う事なんでしょうか?」

「ん~・・・恐らく加護が無いんだろうな・・・まぁ~それは良いとして・・・ラナの方はどんな感じなんだ?」

「はい♪ 私は・・・ステータスON!」


■―――――――――――――――――――――

名前:ラナティーア(年齢18歳)

職 業:聖人 レベル:72

力  1,080(15)

体 力 1,584(22)

魔 力 7,200(100)

センス 1,080(15)

素早さ 216(3)→324

加 護 ユージの愛


武器:世界樹の杖(攻撃力1500 + 魔法効果2倍 + 消費魔力量50%)

防具:光りの衣(防御力1,500 + ※常時魔力を消費、0.1/秒 で物理攻撃耐性、各種魔法耐性50%)

光のティアラ(防御力3,000 + 各種魔法耐性20% + 魔力、体力回復速度2倍)

光のマント(防御力3,000 + 状態異常耐性50% + 魔法耐性20%)

光のブーツ(防御力1,500 + 素早さ50%アップ)

―――――――――――――――――――――■


「ブッ! ラナのレベル72なの!? 予想はしていたけど・・・凄いな・・・B級冒険者並みだな・・・」

「本当ですね~!私も久しぶりに見たので気が付きませんでした・・・あっ♪」

何故かラナが身体をクネクネし始めた。


「どうしたイキナリ・・・?・・・ブハッ!! ユージの愛?・・・何この加護・・・?」

「いやぁ~ん・・・私の加護が進化しています♪」

「嬉しそうだな・・・まぁ~ラナが良いなら・・・・良いか・・・それにしても・・・やっぱりステータスの差があるもんなんだな~」


「そうですね♪ ユージ様のステータス・・・凄い数値ですもの♪」

「おかしいなぁ~・・・以前トールさん達と話した時のステータスと比べると・・・俺の勘違いかなぁ~?」

レベルは以前トール達とステータスの話をした時の倍近い

ただ・・・ステータスの帯率が増えている気がした。


「そう言えばさっき俺のステータスを調べてくれた時にラナが“完全鑑定”って言ったけど・・・他にもあるのか?」

「あっ!申し訳ございません。ご報告するのが遅くなりました。

実は完全鑑定と簡易版である“戦闘力鑑定“のスキルを授かったようです。」


「へぇ~戦闘力鑑定かぁ~面白そうだな♪ そうしたらこれからは、その戦闘力鑑定で教えてくれるか?」

「はい♪ もしよろしければ戦闘力鑑定で調べますか?」

「そうだな♪ 頼むよ♪ ラナのも一緒に教えてね♪」

「畏まりました♪ “戦闘力鑑定“」



■―――――――――――――――――――――

名前:ユージ・ワールド・カミヤ(年齢19歳)

職 業:勇志 レベル:127

戦闘力:55,880(+武器、防具)

弱点:遠距離攻撃30%

―――――――――――――――――――――■


■―――――――――――――――――――――

名前:ラナティーア(年齢18歳)

職 業:聖人 レベル:72

戦闘力:10,745(+武器、防具)

弱点:近距離攻撃70%

―――――――――――――――――――――■



「へぇ~こんな感じかぁ~面白いな♪ なるほど・・・これだけでも意外と予測が付くな・・・。」

「どう言う事ですか?」


「う~ん・・・例えば単純な戦闘力だから最後に“~”が付いているんだろうな。

それに弱点だ。俺の場合は遠距離攻撃30%だから恐らく近距離中距離攻撃や防御に比べて70%の戦闘力がダウンするって感じだろうな・・・そうなると魔法に弱い可能性が高いって事だ・・・。」


「なるほど・・・って事は私は、魔法や装備によってさらに戦闘力が上がるって事ですね♪

後・・・そうか!装備が凄いから近距離攻撃が弱点でも30%ダウンで済んでいるって事ですね!」

「おそらく・・・これは情報が早くて良いな♪ やっぱりこれからは、この方法で頼めるか?」



「はい♪ 畏まりました♪・・・そう言えばユージ様♪ ダンジョンは、本当に終わりで宜しいのでしょうか?」

「あぁ♪もう十分だ♪ それに明日は大事な日だしね♪」


「大事な日? それは・・・いえ・・・何でもありません・・・」

『この頃の私はダメだ! 一緒にいる時間が長すぎて図々し過ぎる・・・ユージ様の事を詮索するなんて・・・腕組も自重しなきゃ・・・当たり前の様に自分から腕を組むなんて・・・はしたないわ! でも・・・次!次から気を付けましょう♪』


そんな事を考えていたラナであったが、前を歩くユージが腕を差し出した瞬間、自分からユージの腕にしがみ付いてしまった。


『次から気を付けよう♪』

そう言って、既に数ヵ月が経っているのだが・・・



そして、次の日ユージは、予定があると言って朝早くから出かけてしまった。


「はぁぁぁ~・・・寂しい・・・」

ホテルの部屋を掃除しながらラナの顔が曇って行く


「この数ヵ月間・・・毎日一緒にいたからなぁ~・・・幸せだったなぁ~」

今度はニコニコと微笑み始める。


「むぅ~・・・」

すると今度は膨れっ面になった。


「寂しいです~!どこに行ったんですかぁ~! ラナを置いていかないで下さい・・・なんて・・・言える訳ないもの・・・もぅ~どうしたんだろう・・・自分の気持ちが抑えられない・・・誰とあっているんだろう・・・私より大事な人と会っているのかなぁ~・・・って何言っているんだろう・・・私より大事な日となんか山ほどいるに決まってるよね・・・」


傍から見ていると面白い。

表情が次から次へとコロコロと変わっていく。


「いやぁ~ユージ様と離れたくないよぉ~・・・もう・・・本当にどうしちゃったんだろう・・・わたし・・・」

少し前も他の女性と仲良さそうに話しているだけで嫉妬している自分に気が付いた。

ユージに言い寄ろうとする女性は後を絶たない。


当然だ。

今やユージの事を知らない者などこの国にはいない。

町の大商人のご令嬢や貴族令嬢等、様々な女性から声を掛けれているのだ。


最初は、ユージに

「俺に近づいてくる女共の防波堤になるんだぞ♪」

と言われて言い寄ってくる女性の前で露骨にユージに引っ付いたり彼女の振りをしたりと幸せな日々を送っていたラナであったが、どうしてもユージと離れてしまう事があった。


一瞬、離れただけで何人もの女性が輪を作ってしまう。

そうなると貴族の会話を邪魔する訳にはいかない

自分が奴隷ではなくなったとは言え一般市民でしかないのだ。


ユージが楽しそうに他の女性と話す姿を見る度に胸が締め付けられそうな思いをしていた。

「もうヤダ・・・私の心って醜い・・・でも・・・ユージ様が優しいから・・・」

椅子に座りそう呟きながらベッドに顔を埋める・・・。


「はぁ~ユージ様の匂いがする♪幸せ~♪」

変態・・・ニヘラァ~っと美人が台無しな程、顔が崩れている。

すると幸せな気持ちのまま眠りに付いたようだ・・・。




『ふわぁ~♪ 何か・・・気持ち良い~♪』

ボォ~っと目を開くとユージに腕枕をされて眠っていた事に気が付いた。


「ハワワワワァ! 申し訳ございません。ユージ様! ウッカリ眠ってしまいました・・・。」

「ん?何で謝るんだ♪ 今までダンジョンに籠っていたんだから疲れているに決まっているだろう?

それより・・・おいで♪ もう少し眠った方が良い♪」


スッカリ目は覚めていたのだが、ユージに触れられると思った瞬間

「はい♪」

それでも未だ恥ずかしいのか顔を赤らめて恐る恐る横になる。



「ヒャァ♪」

「俺の我が儘に付き合ってくれてありがとうな♪」

そう言ってユージがラナの頭を自分の胸に引き寄せ髪を撫で始めた。


「いえ!そんな事はございません!」

『ユージ様の胸・・・髪の毛が気持ち良い~♪ 幸せ~♪』


「そうか♪ ありがとうな♪

そうだ!ラナの身体を偶には俺がマッサージしてやるよ♪」


「はい? ユージ様が・・・私をですか?」

『お断りするのよラナ!』

『そうよ!ユージ様にマッサージさせるなんて!』


『だけど、ユージ様に触れて貰えるんだよ?』

『そうだよ!そんなチャンスは二度とないかも・・・』

『二度とない?』



「あの・・・その・・・そんな事をユージ様にさせるなんて・・・とても嬉しいのですが・・・それならホテルのマッサージを頼みますので・・・」

「やだ! 他の人にラナの身体を触らせたくない! それとも俺が触れるのが嫌なのか?」


『キタァ~♪ チャンスよコレは!』

『そうね!ユージ様がこれ程言って下さっているのよ!』

プチ脳内会議終了。


「そんな事がある訳がありません! 寧ろ一杯触れて頂いて構いません・・・ひぃぃぃ~そうではなくって~・・・そう言う意味じゃないんです~」

自爆・・・。



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