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勇者撲滅21


「いや・・・前世で俺もタケシもカンナも同級生だよ・・・ただ・・・」

「私達が通っていた塾があって・・・そのバスに大型トラックが衝突したの・・・」

「降りようとしていた俺達三人を巻き込んでアキラだけ即死だったんだ。」


「なるほど・・・それで時間差があった訳だ・・・」

「でも・・・私達も数日違いで死んだはずだったんです・・・でも半年も違っていました。

「アキラは、俺達が来るかもしれないって一人で準備してくれていて・・・」


「何言ってんだよ!辛気臭い話は止めろ!こうしてまた三人が集まったんだから良かったぜ!」

「なるほど・・・確かエルザって子が、そんな事言っていたな・・・」


「ところであんたの名前を教えてくれないか?」

「俺か? 俺は、ユージ!」


「ユージさんか・・・あんたはいつ頃、転移してきたんだい?」

「俺は・・・かれこれ・・・5~6ヵ月前ってところかな?」


「「「イィィィ~!」」」

「僅か半年でその強さなのか?」

「うそ!? 私達の半分以下なのに?」


「まぁ~やり方次第って事なんだろうな♪ さてと・・・俺はCランク試験の最中だからもう行くぞ!

縁があったらまた会おう♪」

「あぁ・・・悪かったな・・・。本当に助かった!」


そう言って三人はセーフティエリアにある帰還の魔法陣へと向かって行った。

この階層の狭間にも魔物が襲い掛かって来ることもあるが、見通しも良く魔物の出現率もかなり低い事を考えれば、200m程の距離であれば問題ないと判断したユージは必要以上のお節介を焼く事はしなかった。


「さて・・・俺・・・何匹倒したんだろう・・・。20体は超えていると思うんだけど・・・。

 まぁ~これだけ魔物が出るんだから足りるかな?」

そう言って10階層へと降りてゆく。






そして、ラルク達へと話を戻す・・・


「ハッ♪あいつは、冒険者に必要なものが備わっていやがるな・・・。」

「確かに完璧な対応だったわね・・・。」


「討伐数も既に30を過ぎてるし・・・それにしても・・・オークソルジャーとはな・・・アイツは、レアモンスターに良く当たる奴だな!?」


「S級のレインハルトの名言を思い出しちまったよ・・・」

「何だっけそれ?」


「馬鹿なあんたは知らないかもね・・・“ダンジョンはより強い者に惹かれる・・・真に強き者にダンジョンは応える”って名言だよ!」


「そんな名言あったっけか?」

「ふん!馬鹿なあんたに期待してないよ!」

「冗談だって♪レイチェルは真面目だね~♪」


「あんたがチャランポランなだけでしょうが!」

額に青筋を浮かべて怒鳴り散らす

その勢いに押されてラルクが両手を上げて首を反らしていると


「あっ!ホラ!画面を見ろよ!」

「ったく! 何が画面よ!・・・って・・・もう到着したのか・・・?」


ユージの姿が映ったモニターには、10階層のフロアマスターに挑戦し始めたユージの姿があった。


「はぁ~つくづく引きが良い奴だなアイツは・・・」

「まさか・・・このフロアも・・・レアボスだなんて・・・」


「いやはや・・・恐れ入った・・・まさか・・・オークジェネラルが現れるとは・・・あれ・・・C+ランクって言うヤツもいるけど・・・レベルによってはBランクだぞ?」

「オークジェネラルのレベルは・・・40!これって・・・」


「あぁ・・・間違いなく・・・Bランクだ!・・・レインハルトの名言か・・・ちょっと信じられる言葉だな・・・。」

「流石に・・・この相手は厳しいんじゃないのか?」

「まぁ・・・それもアイツの運だろうな・・・冒険者をやってれば遅かれ早かれこんな事もあるさ♪」


目の前のモニターには、激しさを増すユージとオークジェネラルの姿があった。






「お邪魔しま~す♪」

そう言って10階層のフロアマスターの扉を開けて入って行く。

先程と同じ様に中央に掘られた魔法陣が輝くと魔物が現れた。


手には、先程のソルジャーと同じ様なハルバードを手に持っているがデカい!

「あの武器!3メートル以上はあるな・・・それにしても・・・武器もデカいけど・・・フロアボスもデカいな!」


一般的なオークの身長は170㎝前後

オークソルジャーであれば、200㎝前後

それに対して目の前のオークは230㎝を超えている。


そして、穂先とは別に付いている斧の様な部分を薙ぎ払う様にユージに打ち込む。

しゃがんで躱したユージの頭上をゴォォォ~っと言う音と共に通り過ぎる。


「早い!うぉっ!」

オークジェネラルの払ったハルバードは威力を弱める事無く今度は頭上目掛けて打ち下ろしてきた。


一瞬の判断で躱すとドカ~ンと言う轟音と共に地面に打ち付けた。

「ヒィィィ~! すっごい力♪ あれだけの力で壊れないんだから・・・大したもんだな・・・。」


そんな事を呟くと今度は、穂先に付いた槍の部分で連続して付き始めて来た。

キンキンキン!と龍刀で防ぐとまたしても横凪の一閃


「くっ! 強いな・・・。けど・・・フン!」

一足飛びでオークジェネラルの懐に飛び込みお返しとばかりに一閃する。


「グォォォ~ゥ!」

オークジェネラルが身に纏っている鉄の鎧事引き裂き深々と切り裂いた。

ドバドバと足元に鮮血が飛んだ。


「どうよ!」

手応えがあった・・・そう思った直後またしても横凪の一戦がユージを襲う

「ちっ! しつこい野郎だ・・・何!?」


横に避けようと力を入れた瞬間、足元に広がったオークの血で足を滑らせてしまう。


「まじ!? くっ!」

慌てて盾を両手で構えて防いだものの体重差は歴然。

20メートル以上吹き飛ばされた。


「グハッ!ゲホゲホ・・・ゆ・・・油断した・・・痛っ! ポーションを飲んでいる暇は・・・くれそうにないな・・・。」

ドシン、ドシン、ドシン、と重そうな音を響かせながら追いかけてくるオークジェネラルの姿が目に映った。


「ハッ♪俺も・・・幸せボケをしていたのかもな・・・こんな状況なら・・・何度もあっただろうが!・・・思い出せ・・・あの国の事を・・・思い出せ! あの感覚を・・・自分の・・・感覚を・・・研ぎ澄ませ!」

一瞬目を瞑ると言う有り得ない行動を取った後、再び目を開けたユージの表情がギラっと変わる。


「そうだ・・・やらなければ・・・やられる・・・倒すか倒されるか・・・殺すか殺されるか・・・クックック・・・俺は・・・お前等を・・・殺す側だが・・・な・・・」

カチッとユージの中で何かのスイッチが切り替わる。


そう口にしたユージの姿は既にいない。

眼前に迫ったオークジェネラルの後ろに一瞬で移動するとしゃがみこんで跳躍すると同時に龍刀を振り抜く!


キン♪という音と共にオークジェネラルの身体がズレ始める。

「本当に素晴らしい刀だな・・・」

地面に吸収される様にオークジェネラルの姿が消え去るとそこには、拳大の輝く魔石が現れた。


「ふぅ~っ・・・まだまだだな俺も・・・。」

そう言って魔石を拾うと道具袋に収納した。


「時間は・・・」

そう言って別の道具袋から懐中時計を取り出す


「それにしても・・・懐中時計って・・・何で腕時計が広まらないんだろう・・・さすがに時計位はあるだろうに・・・」

またしてもビジネス脳へと移行し始めた。


「オッと!それはまた今度だ。

えぇ~っと・・・まだ1時間も残っているのか・・・どうするかな・・・。」

そう呟くユージの姿があった。




そして、Cランク冒険者への昇格試験が終了の時間を迎えた。

時間までに、スタート位置に戻って来なければ失格と言われていたので、全員が集まっていた。


「皆さんお疲れ様でした♪ 各々聞きたい事もあるとは思いますが、昇格試験の結果は、この後冒険者ギルド委員会で厳正に採点し翌日発表いたしますので、明日、最寄りの冒険者ギルドへお越しください。」

職員のタントがそう告げると


「お疲れだったな。

まぁ~何だ・・・今回の試験で昇格できなかったとしても次頑張れば良いんだから、落ちてもクヨクヨするなよ♪」

そう告げるラルクの横腹に肘鉄を叩き込むのはレイチェルだ。


「グハッ!て・・・てめえ~!」

「あんたは、一々一言余計なんだよ!

私の目から見て、全員ではないが、動きの良かった者も数多くいたと思う。

今日は、ゆっくり休んで楽しみに待て!」


「では本日はお疲れ様でした。

これで解散といたします。」

こうして、昇格試験が終わりを告げた・・・。







SiDE:???


「本当に忌々しい世界だ・・・」

蛮族が着るような皮の鎧に身を包んだ青年の目には憎しみの炎が宿る。


「本当ね・・・でも・・・以前の様にはいかなくなってきたわね・・・。」

同じ様な服装の少女が悔しそうに自分の指の爪をかじる。


「やはり、5年前の戦争で大半の戦力を失った事が大きいでござるな・・・。」

そう言って話すのは中年の男性だ。


「ったく!潜入した奴らはどうなったんだ! あれから2週間足ったぞ!」

イライラした口ぶりで話すのは十代半ばの少年だ。


「見つかって摑まったか・・・裏切ったかも知れんな・・・。」

最初に話した黒髪の青年がそう呟くと


「ざけんな!俺らの中に裏切り者なんかいる訳がねぇ~だろうが!違うか!」

イライラした口調で金髪の少年が口を荒げる。


「そうね・・・でもいつまでも待っている訳にはいかないわよ?」

そう言って自分の爪をかじるのを止めた黒髪の少女が話を続けると


「そうだな・・・今は、力を付ける時・・・そうだろう?」

茶髪の壮年が、そう言って黒髪の青年へと目を向ける


「あぁ・・・そうだな・・・」

憎しみの宿った目を瞑る。


「それにしても・・・前回の襲撃を阻止されたのは痛かったな・・・セントハイムの牢獄には多くの仲間が捕まっているんだ・・・そいつらを連れ出せれば・・・」


「そうね・・・けど・・・今の私達の戦力じゃ返り討ちになるのが目に見えているからね・・・」

「まったく・・・忌々しいシステムだ・・・」

「そうだな・・・何とか中に潜れさえすればどうにかなりそうだが・・・外からの防御は完ぺきに近いしな・・・。」


「・・・一度・・・国に戻ろうかと思う・・・。」

「マジか! 仲間を開放していないのにか!?」

「そうだ!」

ギロッとヤンキー風の男を睨み付ける


「うっ!わかったよ・・・それで・・・どうするつもりなんだ?」

「そうだな・・・出来れば、テイマー・・・否、キングテイマーの能力者を探そうと思う。」


「キングテイマーだと?」

「あぁ・・・そうだ・・・。」


「キングテイマーなら俺らの城にも一人いるじゃないか! アイツでもティム出来ない魔物なんているのか?」

「間違いなくあいつ一人では難しいだろうな・・・」


「キングテイマーなのに無理だって言うの? だけど・・・キングテイマーの所有者なら、一人でSランクの魔物を使役出来るって話だよ?」


「奴の実力だとSSランクってところだろうがな・・・」

「SSランク!?・・・何を考えているんだい?」


「・・・ある魔物をテイムして各地の巨大国家を襲わせようと考えている。」

「「「!!!」」」


「それって・・・どんな魔物なの?」

「神話の魔物の一角だ・・・。」

「それって・・・グレイトドラゴンとかの上位ドラゴンって事か?」


「あぁ・・・そうだ・・・だが、使役したいのは・・・アルティメットドラゴン!」

「「「アルティメットドラゴン!?」」」


「過去の勇者に封印されたって言うあの伝説の化け物龍の事か?」

「そうだ・・・」


「封印されていた場所が分かったの?」

「フッ・・・灯台下暗しとは良く言ったものだ・・・」


「そんな情報いつ聞いたのでござるか?」

「少し前に閣下から連絡が入ったのだ・・・究極龍の居場所が判明したとな!」


「って事は・・・」

「だが・・・話によると封印を完全に解呪出来た訳ではないらしい・・・」



こちらも良ければ呼んでくださいね♪

■「新世界!俺のハチャメチャ放浪記! 記憶喪失の転生者」もアップしましたので宜しければご一読ください

https://ncode.syosetu.com/n0781fy/

月曜日の朝7時に更新します。来年1月分まで予約してあります。


■「小さな小さな 大冒険!!」もアップしましたので宜しければご一読ください

https://ncode.syosetu.com/n6880gm/

月曜日と木曜日の朝7時に更新します。来年1月分まで予約してあります。

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