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勇者撲滅2

趣味のトリックショットもコロナウイルスのせいで自粛中。

お陰で、もう一つの趣味である小説のアイディアがバンバン浮かんでしまいました。

一つ目が終わってから掲載しようと思いましたが、増えすぎて来たので、同時に掲載する事にしました。

一月に数回しかパソコンにログインしないので、コメントを頂いてもタイムリーにお返事できないかもしれませんが、頑張りますので応援お願いします♪


□ □ □ □ □ 


大昔は、魔王が復活する時だけ勇者が異世界からやって来てこの世界を救ってくれたのだが、この百年の間、

勇者関連の職業として転移転生してくる人間が年々増えて来たそうだ。


それでも30年以上前までであれば、英傑の異世界人が転移してくるのは一年に一人だったが、20年前には数人となり、10年前には10人前後の勇者が転移転生してくるようになったとの事。


特に、この10年間は勇者関連の職業を持った異世界人の転移転生者の数が凄まじくなったとの話だ。

年々増加していき5年前までは、毎月何十人もの勇者関連の職業を持った異世界人が転移されてしまい大変な事になっているとの事だった。


有事の際にやって来る、勇者や大賢者と言った職業は、本当に素晴らしい人格者だったと文献に記されていたようだが、現在は、魔王の復活や伝説級の魔物も影を潜めているので、それ程、危険な時代ではないらしい。


平和な時代に転生者や転移者など必要ないはずなのに日々、そう言った者達が増えてしまうと問題が頻繁に起こるようになったとの事。


そうなると、心が成長していない凄まじい能力を持った人間が跋扈し始める。

自分の力に酔いしれた勇者や偉そうな大賢者が増えた。

そうなると必ずと言って良い程、犯罪に手を染める勇者や危険な魔法を考えなく使う大賢者などが増え始め兎に角、質が悪いとの事だった。



それどころか現在では、テロリストとして全世界に指名手配されているのだとか・・・。


最初の頃は、各国とも勇者や大賢者が転移されて来れば、大喜びで迎え入れたのだが、勇者と言うだけで何の努力もせず国家を食い物にし始めたり、格好をつけて意味もなく危険な魔法を使い大量殺人を起こし始めたりと年々、勇者と大賢者の質が落ちていったらしい。


それでも数十年前までは、一年に数人のペースだったのだが、地球上で異世界転移物のラノベが流行ってからと言うもの勇者や大賢者と勇者関連の職業で転移転生してくる異世界人の数が激増したとの事だった。


転移した直後は、清く正しく見えたが、日に日に素行が悪くなっていき最後には必ずと言って良い程、傲慢になってしまうらしい。

そして、数の増えた勇者と大賢者の扱いに困った各国が、何度となく良民となる様に話し合いの場を設けたが、聞く耳を持たなかったとの事だった。


そして、余りにも傍若無人な言動に痺れを切らした各国が、勇者一派を追放し始めた。

当然な行動だと思う

勇者達と言ってもこの世界にいるのだからどこかの国民である事は間違いないのだ。

にも拘らず国の方針を無視し自分のエゴを通すのであれば、本来、犯罪者になったとしても文句は言えない。


ところが、当然、勇者と大賢者達は、これに反発した。

そして、今では、数百人以上の勇者達で国を立ち上げたらしい。

他にも国家を疎む者達を引き入れ人数は、1万人とも、2万人とも言われる。


そして、国家転覆のクーデターを起こそうと新しく転移してきた勇者や大賢者を攫っていき、さらに力を増やそうと度々このセントハイムの国や周りの国々を襲うとの事だった・・・。


なので、毎日どこかの国で転移者が現れると逆に大変だという事で、各国の神官が神々に祈りを捧げ今までバラバラに来る転移者達を数ヵ月に一回にまとめて転移して貰う事と異世界転移転生者の管理がし易い様に世界の中心である超巨大国家“セントハイム”だけに転移して来るようにして頂いたとの事だった。


そして、転生転移した異世界人達にこの話の顛末を聞かせ一般市民として生活して貰おうとしたのだが、例外なく狂ってしまうらしい。

そして、勇者の国に取り込まれては、テロ行為を行ってくる。


5年前に、かなり大きな戦争までも引き起こした事で、現在は勇者関連の職業を持って転移してくる異世界人は、転移と同時に投獄され場合によっては、一生牢獄に入るか場合によっては処刑されるとの話だった。


その為、5年前からは、異世界から転移して来ても一年に数人位しか世界に広がらないのだそうだ。

だから今回みたいに、一度に3人もレア職として国民の権利を得た事は無かったらしい。

現在、犯罪者扱いされていない異世界人は、全世界に10人程しかいないと教えてくれた。


□ □ □ □ □ 



「と言う歴史があり、全世界共通認識となっております。我がセントハイムは、神々との話し合いの末、許可を頂き実行しておりますので、残酷だとか非道だとか思わないで頂けると助かります。」


先程までの間延びした話し方ではなく真面目な話し方も出来るんじゃないか!

とユージは、突っ込みそうになったが、心の声だけに留める。

そこには、先程までとは違いキリっとした顔のエルザの姿があった。


先程から転移と言ってはいるものの実際には、100年位前の勇者や大賢者の申し出を神々が聞き届け地球で死んだ者は、自分の思い描いた姿となって転生出来る仕組みとなったらしい。

実際、ここにいる三人も地球で死んで実際には転生者としてこの世界に来ていたのだった。


「私は・・・異世界とか・・・良く分からないけど・・・さっきの人達・・・殺されるの?」

「私も良く分からないけど・・・それって・・・どうなの?」

顔を青くしてエルザの話を聞いていた2人が、呟いた。


そして、少しすると階段を降りて行った勇者一行達の大声が耳を霞めた。

「ふざけるな!横暴だ!ここから出せ!」

「人権侵害だ!何で俺が!」

「ふざけないでよ!出しなさいよ!」


かなり離れているのだろうが、三人のいる場所まで微かに聞こえるという事は、相当大きな声で怒鳴っている事は間違いない。


「俺は勇者だぞ! こんな仕打ちをして良いと思っているのか!」

「煩い!サッサと歩け!」


「この俺は大賢者様だぞ! こんな事をして困ったって助けれやらないからな!」

「困るのはお前等の様な存在だ!」


「痛い!なにするの!?」

「何にもしてないだろうが!」

「そうよ!何で犯罪者になるのよ!」


「心苦しいがお前達は、ここに来た時点で犯罪者。

勇者や大賢者など今の時代に不要なのだ!」


「だから~不要って言われても俺達には何の事だか分かんねぇ~よ!」

「勇者なんだよ!? 貴方達だって勇者がいれば助かるんじゃないの?」

「そうだ! 俺だって大賢者なんだ! お前達よりも間違いなく強くなる んだ!」

「そうよ!そうなれば貴方方だって助かるんじゃないの!?」


「馬鹿ばかりだ・・・この世界の者であれば職業を叶えて貰える事など有り得んのだ!

何で、ワザワザ勇者や大賢者として転移する必要がある!神々が何か言ったのか?

言わなかったであろうが! 自分が勘違いしている事に気が付きもせんとは・・・だからお前達は、反省しないのだ! だから必ず愚かな行動をし始めるのだ!」


「ふざけんな!何でも良いからこの縄を解けよ!」

「そうよ!私は大賢者なのよ! 絶対に凄い魔法を使えるようになるんだから!」

「そうだ!俺達は勇者何だぞ! お前達とは違うんだ!」

「「「「「そうだ!そうだ!」」」」」


「本当に呆れてしまう・・・馬鹿の一つ覚え・・・愚かにも程がある!

今の言葉で確信した・・・お前達は、必ず犯罪者になる人間達だ!」


「その様だな・・・これ以上の話し合いは皆無であるな!今すぐ投獄せよ!」

聞こえてくる声を呆然と聞いていたらエルザが真剣な顔で話し始めた。


「仕方が・・・ないのです。

転移されたばかりの貴方方に理解しろと言うのは無理だと分かっています。

ですが、そう遠くない内に我々がお話した事が、嘘ではないと必ずご理解する事になります。」


「取り敢えず・・・私達は国民として生活させて頂けるのであれば、信じるしかありませんね・・・」

「そうね・・・それに何も分からない事ばかりだし・・・」


「有難うございます。

折角素晴らしい能力を授かって来られたのですから第二の人生を謳歌して頂ければ幸いです。

その為に我がセントハイムは、貴方方に協力を惜しみません・・・。」


真剣な顔で、そう言われて渋々納得するしかなかった。

他人だから・・・無理やり割り切るしかない。

地球だったら大量殺戮・・・。

許される事ではない。


そして、エルザが言っていた通りに俺達の待遇は素晴らしいものだった。

この世界に慣れるまで一人一人に召使兼教育係が用意され一ヶ月に渡ってたくさんの事を教えて貰った。

そこそこ立地の良い場所にある一軒家を用意され最初に渡された金貨100枚とは別に毎月金貨50枚を支払ってくれる。


エルザが言うには、このセントハイム王国は、公爵や侯爵が納める“セントラル”の第一層と伯爵や子爵が納める“ミドル”の第二層、男爵や準男爵が納める“ボトム”の第三層と別れていて、俺達の家は、第一層に用意されていた。


階層によって住人の生活レベルが変わるものの生活水準としては、第三層であっても立派なものだそうだ。

第一層の中でも中央に貴族が住んでおり、その周囲が様々な国民の生活区域となっているのだとか・・・。


俺達の住居は、第一層の外れの方ではあるものの商業地区に面している。

地球で言えば都内と言える好立地なのだ。


エルザに言われた通り少しの間は、この世界を理解する事に努めた俺達三人だったが、基本の言語が英語と日本語である事には驚きを隠せなかった。


エルザが言うに「それだけ異世界の転生転移者が多かったって事ですね♪」

と言っていたが、過去の尊敬された勇者達が及ぼす影響力を考えれば納得する答えでもあった。


地球とほぼ同じ大きさであるこの惑星“テラ”の文化は、地球とほぼ同じだ。

一日24時間、一週間、一年12ヵ月と曜日迄同じだ。


この世界は、まだまだ未開拓の地が多く地上の5割以上は人の手が入っていない

文明として発展してきているとは言えまだまだ、魔物が多い場所である・・・


整備されている街道も増えてはいるものの未だ手付かずの場所があるのは、仕方がないといえよう・・・

考えれば当然である事が分かるだろうが、この世界には魔物がいる。


もし、地球上に恐竜が生き残っていたら今ほど地球が栄えていたであろうか・・・

答えは否である。

工事しているすぐ傍に凶悪な生物がいると分かっていて働こうとするものなどいる訳がない。


魔法文明であるこの世界だからこそ人間の文明が漸く栄えているのだ。

文明は予想以上に栄えているとは言っても紙幣は普及していない。


大量印刷の技術がない事と偽造防止の技術が確立されていない事など理由は様々な様だ。

貨幣の単位はエーカ。

硬貨だけの世界だ。


それぞれ

白金貨・・・一般的には流通していない特殊加工の施された硬貨で100万エーカ

大金貨・・・高額所得者に流通している大きめな硬貨で10万エーカ

金 貨・・・ここから下が一般的に流通している硬貨で1万エーカ

銀 貨・・・1000エーカ

銅 貨・・・100エーカ

小銅貨・・・10エーカ


となっていて、価値も日本円とほぼ同じだ。

市場もあるし商店街もある。

生活するには、何の問題もない事が分かり正直、俺達はホッとしていた。


しかし、街並みの中に武器屋や防具屋、魔道具屋や魔導書屋など見慣れないお店もあり、冒険者と呼ばれる職業の人が歩いている姿を見ると不思議な光景だった。



与えられた家に案内されると一人の堅物そうな20代前半位に見えるメイドが、待ってくれていた。

「お会いできて光栄です。

私は、これからご主人様の使用人としてお仕えさせて頂くラナと申します。 今後とも宜しくお願い致します。」


「こちらこそよろしくね♪」

話によると王宮で育成されたメイドなので、全ての業務を完ぺきにこなすスキルはもっているとの事で、右も左も分からない状況では、本当に助かった。



こちらも良ければ呼んでくださいね♪

■「新世界!俺のハチャメチャ放浪記! 記憶喪失の転生者」もアップしましたので宜しければご一読ください

https://ncode.syosetu.com/n0781fy/

月曜日の朝7時に更新します。来年1月分まで予約してあります。


■「小さな小さな 大冒険!!」もアップしましたので宜しければご一読ください

https://ncode.syosetu.com/n6880gm/

月曜日と木曜日の朝7時に更新します。来年1月分まで予約してあります。

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