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勇者撲滅17


「ラナ♪」

夢見心地で呆然としている私の顔を覗き込むようにユージ様が話しかけて下さいました。

ポケッっとしていた私は・・・


「ヒャイ!」

声が裏返ってしまいました。

恥ずかしい~


「クスクスクス♪どうやら面白かったようだね♪ 楽しんでくれたんだったら何よりだ♪」

その後、興奮した私が、ミュージカルの事を思い出すようにユージ様に話し続けた事は内緒・・・。


その次に、中央区で有名なセントラルタワーと呼ばれるこの国で二番目に高いビルに入り最上階のレストランで食事をする事になりました。

因みに一番高い建物は、お城ですよ♪


15階建てのビルの最上階にあるレストランも本来であれば簡単に予約が出来ない様でした。

でも・・・


「ようこそユージ様♪ お待ちしておりました。こちらのお席にどうぞ♪」

そう言われて窓際の景色の良い場所へと通してもらいました。


「ハワワワワァ・・・町が・・・小さいですよユージ様♪ それに・・・何て綺麗なんでしょう~」

ハッキリ言って田舎者の行動だと思います・・・ですが、ユージ様は・・・


「うわぁ~綺麗だなぁ~本当だ♪ 町が小さく見えるな♪」

そう言って私に付き合って同じ様な態度をとって下さったのです。


この時には、全く気が付かなかったのですが、もっと後になってからマイ様やミレイ様にお話を伺ったら、ユージ様の前世の世界には、これ位の高さのビルなどどこにでもあるそうです。

ハッキリ言って珍しくも何ともないとの事にビックリした記憶があります。


ですが、この時のユージ様は、私に恥を欠かせない為に私以上に大きな声でそう言ったんじゃないかなぁ~っとユージ様のご友人のマイ様やミレイ様から教えて頂きました。


本当に・・・お優しい方・・・。

この話を後で聞いた時にも私の胸が高鳴った事を覚えています♪


「ユージ様♪このお料理も本当に美味しいですね♪」

「フフ♪ そうだね♪ ラナが喜んでいるようで俺も嬉しいよ♪」


ここで出された数々の料理がこれまた味わった事の無い程、本当に美味しかったんです♪

私は、本当に興奮しっぱなしで、そんな私の顔を嬉しそうに眺めるユージ様がいました。



それで、四件目に向かわれたのが何故か・・・


「下着屋ですか?」

「そう♪」

「その・・・いくら私でも・・・その~下着位は履いていますよ?」


てっきり奴隷だったから下着を履いていないと思われたのかと思ったら・・・

「馬鹿者!そんなの当然だろう!」

と怒られてしまいました。


「では・・・何故ですか?」

「それは、単純な話だ!綺麗な女性は、セクシーな下着をつける義務があ~る!」

そう力説され・・・


「そ・・・そうなのですか? 私は、そんなに綺麗じゃ・・・」

そこまで言って思い出す。


「間違えました! 綺麗でした!」

そう言ってデコを隠す


「むぅ~中々、察知能力が優れて来たな・・・」

「へへ♪」

そう言うユージ様の手が後少しで私のオデコに当たるところでした。

危ない、危ない・・・。


それからの私は・・・と言うと・・・

「ヒャァァ~こんな際どい下着・・・」

「ヒィィ~これどうやって身に付けるんですかぁ~」

「ヒモパン?ですか? これは・・・ヒャァァ~恥ずかしい~」


店員さんに説明されながらどの様なものかを聞きながらアレコレ教えて頂いたけど・・・私の想像の斜め上をいかれる下着ばかりでした。


「本当にそんな下着があるのですか?」

私が小さな声で呟くと

「えぇ♪ 殆どの女性は必ず持っているものですよ♪」


そう言われてちょっと高かったけど思い切って購入してみた・・・


「勝負下着!」


店員のお姉さんは

「お客様でしたらどんな異性もいちころですよ♪ 」

と絶賛して下さいましたが・・・


私は何であんなものを購入したのでしょうか?

ユージ様にお見せする時など・・・ひゃぁぁぁ~私の馬鹿ぁぁぁぁ~ひぃぃぃ~恥ずかしい~


私がお会計を終えると鼻を膨らませたユージ様の姿が見えました。

いつもは、カッコいいのに・・・その・・・何と申しますか・・・

出来ればあまり見たくありませんでした。


「むふぅ~♪ その下着をラナが付けると思うと・・・興奮するな♪」

そう言ってユージ様が舐めまわすような目つきで私の身体を見ました。

「もぅ~ユージ様のエッチ~♪」


さっきの顔は、だらしなかったので、見たくないと思いましたが、まさか私の下着姿を想像されて興奮されているとは・・・? 私の・・・下着姿で?・・・きゃぁぁぁぁ~ま・・・まさか・・・でも・・・本当に? ユージ様は・・・私の下着姿を・・・見たいの?・・・うそ・・・それなら・・・きゃぁぁぁぁ~私の馬鹿ぁぁぁぁ~恥ずかしい~


その後、ユージ様が店員さんに

「いくつか下着を見繕って貰えるか?」と声を掛けていて

後で沢山の下着が届いた事にはビックリしましたが、もしかしたら・・・そんな事が頭を過りました♪


その後、公園でボートに乗った事も楽しい思い出・・・。

「ラナ♪俺の足の間においで♪」

「はい♪・・・こうでしょうか?」


「う~ん・・・もっとくっついて!」

「ひゃい! し・・・失礼します・・・。」

その・・・ユージ様の・・・色々なところが・・・その・・・何やら暖かいものが・・・


「ラナはボートに乗った事はあるのか?」

「いえ・・・初めてです♪」

「そうか♪ だったら・・・」


そう言って私の手をもって一緒にオールを漕いで下さいました。

「なるほど・・・この様にして船を漕がれるのですね♪」

「そう♪ だからウトウトしている人の動きを“船を漕ぐ”って表現する事があるんだよ♪」


「へぇ~♪ その表現は面白いですわね♪ 確かに・・・ウフフ♪ 本当ですね♪ ウトウトしている動きみたい♪」

『可愛いなぁ~ラナは・・・』

「だろう♪」


背後を振り返ってユージ様を見たら物凄く優しいお顔で笑って下さいました。

幸せ♪ もう全~部!幸せ~♪

傍から見たら絶対羨ましい光景だもん♪


周りから見ればイチャイチャしているバカップルなのだが・・・

周りにいるカップルたちが羨ましそうに見つめている。


ラナとユージがボートから降りるとあっと言う間に貸しボートが無くなってしまった。

次の場所へ移動しようと池の周りを2人が歩いていると先程ユージとラナが座っていた状態で幸せそうにしているカップルたちの姿が池を埋め尽くしていた。



その後もユージ様のエスコートで夕食にとワザワザ三星レストランを予約して下さっていて生れて初めて“お寿司”と言うものを食べました。


「ユージ様!初めて生のお魚を食べましたが・・・こんなに美味しいものだったんですね♪」

最初は、生のお魚だと聞いて驚きましたが、食べてさらに驚きました。


「美味しいだろう♪ 喜んでくれれば俺も嬉しい♪ 楽しいかラナ♪」

「はい♪ 楽しくて、楽しくて仕方がありません♪」


「そうか♪ 嬉しいかラナ♪」

「はい♪ 全~部、嬉しいです♪」


「フフ♪ ラナ・・・幸せか?」

「はい♪ ユージ様と一緒であればいつも幸せです♪」

「そうか♪ ラナの幸せそうな顔が見れて俺も幸せだ♪」


今日の事は、一生忘れない・・・。

私の人生にこんな幸せな事が起こるなんて思わなかった。

でも・・・こんなに幸せだと・・・やっぱりちょっと怖くなる・・・。


私は、いつまでユージ様の元に置いて下さるのだろうか・・・。

メイドとして老いるまでお傍に仕える事が出来るのかなぁ~?

ユージ様がその内、どなたかとご結婚されて・・・


そこまで考えた時・・・気が付くと涙が零れていました。

へっ?私・・・泣いているの・・・何で?


「ど・・・どうしたラナ? 何か嫌な事があったのか?」

心配そうに私を覗き込むユージ様。


このお方は、何でこんなに優しいのだろう・・・?

私を・・・人として見てくれた・・・初めての人・・・。

私に全てを与えてくれてた初めての人・・・。


「フフ♪なんでもないです♪ 目にゴミでも入ったのかも知れません♪」

「ビックリさせるなよな! 泣かすのはこれからなんだから・・・」

最後の方が良く聞こえなかったけど・・・


泣かすのは・・・?

どう言う事・・・

小首を傾げて考えていると


「ほら!行くぞ!」

「はい♪」

そう言われてユージ様の後を付いていく。


知らない間に自分からユージ様の腕に絡みついていました。

ユージ様に触れていたくて仕方がありません・・・我慢できませんでした。


このセントハイムは、本当に大きな国なんですよ・・・。

中央区と呼ばれる第一層だけでも直径15㎞もあります。

第三層まで含めれば直径50㎞以上の超巨大国家なんです。


ユージ様から聞いたのですが、

「分かり易く言えば、東京都がそのまますっぽりと入る大きさだ。

現代の地球の様な高層ビルがない事を考えればどれだけ広い範囲が栄えているか分かると思う」。

と誰に向けた言葉なのか?私には良く分かりませんでした。


なので、国の中に当然の様に小さな山や川がいくつも存在します。

そもそもこの王国自体が元はなだらかな山だそうです。

なので、手付かずの草原があったりもします。


そして、ユージ様が向かわれたのは、セントハイムの第二層にある標高200m程の山で頂上には温泉旅館と呼ばれる施設があると教えてくれました。


そして、大きな旅館へと入るとこの場所もすでに予約してくれていました。

入店するなり鍵を渡され向かった先にあったのは、個室の温泉と呼ばれるものでした。


綺麗な細工の施された綺麗な部屋が手前にあり奥に露天風呂と呼ばれる温泉があった。

ヒノキ風呂だとユージ様が教えてくれた。


とっても大きなお風呂で、二人で入るのが勿体ないと思った。

えっ?恥ずかしくないのか?って?


勿論です!ほぼ毎日ユージのお背中をお流しするのだから恥ずかしい訳ありません。


「ラナ早く来い!何を反り返っているんだ?」

オッと!私とした事が・・・ユージ様の自慢で知らない間に身体が反り返っていたみたいです。


「ユージ様♪ お背中お流ししますね♪」

私がいつも通りそう言うと・・・私の想像の上をいかれた。


「何言っているんだ?お前も入るんだよ!」

「えっ? えぇぇぇぇぇ~!! 今・・・何と・・・?」

「だから~! ラナもタオルを巻いて一緒に入れって言ったの!」


「ヒャァァ~ そそそそそれは・・・ユージ様と同じお風呂に・・・いいいい一緒に入ると・・・そそそそその様な考えで・・・よよよよ宜しいのでしょうか~」

この時の私はどの様な表情をしていたのでしょうか?


「何言っているんだよ!当然だろう? ここ・・・混浴だぞ?」

ここここ・混浴?


「ヒャァァ~私なんかが恐れ多い!でも・・・ユージ様の仰ることですから・・・恥ずかしい~」

もう・・・身体のどこから湯気が立ち上っているのか分からない位、身体のあちこちが熱いです・・・。


そして、意を決して

「失礼いたします・・・。」

奥のお部屋で服を脱ぎ大き目のバスタオルを巻いて露天風呂と呼ばれるお風呂にチャプンっと入る。


シルエット越しに私が服を脱ぐ姿をユージ様が鼻を伸ばして見ていたそうですが、この時は全く気が付きませんでした。


「どうだ? 気持ちが良いだろう♪」

そう言って空を見上げるユージ様に釣られて顔を上げると空には綺麗な満月が輝いていました。


「はぁ~癒されます♪ お月さまを見ながらお風呂に入るなんて・・・とっても素敵です♪」

「よしよし♪少しは、素直になってきたな♪ それで良い・・・それと・・・ラナの給金を今月から金貨20枚にする事にしたから・・・これは決定ね♪」


「あうっ!」

お月さまを眺めながらウットリとしていたらユージ様に不意を突かれて知らない間に決定されてしまいました。

決定と言われては反論する事が出来ません。



こちらも良ければ呼んでくださいね♪

■「新世界!俺のハチャメチャ放浪記! 記憶喪失の転生者」もアップしましたので宜しければご一読ください

https://ncode.syosetu.com/n0781fy/

月曜日の朝7時に更新します。来年1月分まで予約してあります。


■「小さな小さな 大冒険!!」もアップしましたので宜しければご一読ください

https://ncode.syosetu.com/n6880gm/

月曜日と木曜日の朝7時に更新します。来年1月分まで予約してあります。

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