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勇者撲滅14

先日4ヵ月ぶりにビリヤードのトリックショットの撮影をしてきました(;^ω^)

ハッキリ言って絶望的なまでに下手になっていたので滅茶苦茶ショックでした。_| ̄|○

流石に600以上ものトリックショットをアップしているのでアイディアが少なくなってきたので、今はトリックショットよりも小説を書いている方が楽しいかも(^^;

相変わらず一月に二回程しか「小説家になろう」にログインしないので、コメントを頂いてもタイムリーにお返事できないかもしれませんが、頑張りますので応援お願いします♪

今まで生きて来て嬉しかった事なんて記憶にない。

今まで生きて来て楽しかった事なんて記憶にない。

「私の人生って・・・なんなんだろう・・・」

こんな時でも涙も出ない・・・。


その瞬間、私の隣にいた使用人に向け何かの魔法を放たれ、その爆発で私も吹き飛ばされ意識を失った。

薄れゆく景色の中で最後に見た光景は、悍ましい表情を浮かべて笑う勇者たちの顔とブランターク辺境伯の最後の姿だった。


気が付くと私は、瓦解した屋敷の瓦礫に埋まっていた。

身体中に痛みが走ったが、怪我をすると怒られた幼少の頃を思い出し最後の力を振り絞って外に出た。


ヨタヨタと街中を歩くと壊滅状態の街並みが目に入った。

何日気を失っていたのか分からないが、至る所で火の粉がくすぶっている。


呆然と辺りを見渡すと突然、身体の力が抜け初めて近くの教会で、しゃがみこんだ。

正確には、元教会があったであろう場所。


建物は半壊していたものの辛うじて屋根がある場所が残っていた。

その場所で一人膝を抱えてフードを被った。

神を象ったと思われる銅像が辛うじて残っていた。


「神様・・・私の人生って・・・何なのでしょうか?

何の為に生れて来たのでしょうか?

私は生まれる必要があったのでしょうか?」


しかし、神は応えてくれない・・・。

このまま空腹で死ぬかもしれない・・・。

それも良いのかも知れない・・・そう思っていた。


お腹が空いた・・・それでもまだ生きていた。

何日たったんだろう・・・。


気が付けば、辺り一面に雨が降っていて燻っていた火が次々に消えて行く。

降り注ぐ雨を、口を開けて飲むと少しだけ元気が戻った気がした。


ヨタヨタと町を歩くも焼き焦げた死体ばかり目に入る。

最初は驚いたものの既に慣れてしまった。


元の街並みの記憶を頼りに歩くと飲食店が並ぶ通りに出た。

当然、全て焼け落ちている。


クンクン・・・気のせいか・・・食べ物の匂いがする・・・。

その匂いを頼りに歩き続けると、元は飲食店であった場所に辿り着いた。


クンクン・・・確かに食べ物の匂いがする・・・。

崩れたレンガを取り除き続けると大きな収納棚が拉げているのが分かった。


私は、自分の指から血が噴き出している事も忘れ、無我夢中でレンガや岩をどけた。

やっとの思いで、どかし終えると収納棚の中に肉や野菜。穀物やチーズが入っていた。


助かった・・・死を受け入れていたはずなのにその言葉が頭にあった 。

動物の様に手掴みで口に放り込むが、弱った胃が受け付けない。


それでも、無理やり流し込むように食べ物を食べた。

何故か分からないが、死んだ方が増しと思えるような状況にあって命が助かった事に感謝する自分に気が付いた。


そこで、何日過ごしたのか・・・

傷ついた体が癒え始めフっと教会の事が頭を過った・・・・。


神は、私に生きろと言っているのだろうか・・・

何もない人生・・・死ぬ事さえも意味を持たない私に・・・


もし、そうなのであれば今の私に何が出来るのだろう・・・」

そう思って周りを見渡すと数多くの犠牲者の亡骸が放置されていた。


せめて土の中に埋めて上げよう・・・

それからは、朝から晩まで引きずる様にしてでも一人・・・また一人と穴に埋葬した・・・。

幸いな事に・・・言葉は違うだろうが、戦争の傷跡の様に地面には穴が沢山開いていたから土をかぶせるだけの作業だった。


100体・・・1000体と埋葬した時、私の周囲の犠牲者の躯は、目に入らなくなった・・・

神様・・・私の命は、少しでも誰かのお役に立てたのでしょうか・・・

そして、何か月此処で生活していたかも分かりませんが、収納棚の中にあった食糧が無くなり始めると私は意を決して外に出る事にしました。


幸いにセントハイムの方向は街道が教えてくれる。

冒険の心得がある訳じゃなかったので、街中に落ちていた防具を身に付け出来るだけ使えそうなものをかき集めた。


途中、動物なのか魔物なのか分からないものに襲われたが、最後に持っていた食糧を放り投げたら逃げ出す事が出来た。

夜通し歩き続けた事で、セントハイムの城壁が目に入った。


そして、門番に話しかけたところで、気を失ってしまった。

気が付くと、どこかの屋敷のベッドの上だった。

それが、3人目のご主人様、ブランターク辺境伯の息子ヘンドリー侯爵様の屋敷だった。


これには理由があった。

偶然にもブランターク辺境伯の遺物を持っていた事と奴隷契約が残っていた事だ。


このご主人様は、性格がねじ曲がっている。

顔は良い方なのだろうが、自分以外を全て下に見る。


下卑た笑いで女性を嫌らしい目でしか見ない。

それが嫌で、なるべく目立たない髪形と服装に変わっていった。


すると奴隷である私を、まるで、生ごみを見るかのような態度になっていった。

給金は、月に金貨2枚。


絶望的な状況下であった戦火の後と方が少しは幸せだったと思う。

時間が経つのが、今まで以上に遅く感じた。


自分の身の周りは全てメイドにやらせる。

自分の事は何一つ出来ないそんなお方だった。


見栄とプライドが高く。

何一つ魅力を感じない人だった。

それでも常に笑顔でいた。


奴隷を買う人たちは、醜い人が多いと思った。

そして、半年程で第三層の貴族の方に売られる事になった。

それから盥回しの様に売られ続けたある時、誕生日パーティーがあり、そこで給仕をしていた私を気に入って下さったのが、王室付きのメイド長ヒルダ様だった。


16歳の年に王室でメイドをする事となりました。

給金は一月金貨10枚。

毎週、日曜日は休み迄くれる。


今までに無く忙しいものの時間が普通に過ぎて行く感じがした・・・逆にその方が良かった。

淡々と過ぎ去っていく日々。

嬉しい事が無い代わりに悲しい事もなかった。


毎週休みがあると言っても何をやって良いかも分からない。

なので、教会に行くようになりました。

理由は、私の様な子供達が沢山いるからです。


こんな自分でも少しは人の役に立っている・・・

そう・・・少しでも自分が生まれて来た意味を持ちたかっただけかも知れません

それから、教会に行ってはお布施をする様になりました。

ただの・・・偽善・・・。


偶に街中に出ると同い年であろう女の子達が幸せそうに笑っている姿を良く目にした。

何がそんなに楽しいんだろう?

一体、何がそんなに幸せなんだろう?


私と年の変わらないカップルであろう人達が嬉しそうに微笑み合っている。

どうしたら、そんな自然な笑顔になるんだろう?

その様な光景を見る度に不思議で仕方がありませんでした。


朝5時に起床。

身支度を整えてから自分の分担している場所を掃除するだけで3時間が過ぎて行く。


私達奴隷が朝食を頂けるのは、最後でしたが、それでも午前9時には食事にありつけました。

その後は、主の用事を仰せつかったメイド長から様々な業務を指示される。


そしてある時、勇者が町に潜伏していたらしくかなりの被害が出ました。

話を聞くとお城に投獄されている転生者と呼ばれる人達を拉致したそうです。


この時もかなりの被害者が出たそうです。

その中に以前、私を買われた貴族達が含まれていて、皆命を落としたと聞きました。

その話を聞いても可哀そうとも良かったとも何も感じなかった。


何故私が王宮のメイドをしているのか不思議でしたが、、どうやら異世界から来られる転生者と呼ばれる方々の専属奴隷として飼われていて私を含め何十人と同じ様な奴隷がいると教わりました。


毎年数人の先輩方が国の要請に従い王宮から出て行く姿を何度か見る事がありました。

それを見た時、私の人生は間違いなく一生この様な生活が続くのだろうと思った。

それでも生きていけるのだから感謝しないといけないと思った。


でも・・・少しくらいは・・・

いけない!そんな考えを少しでも思ったら・・・。

自分の心は、深く・・・深く押し込めなければ・・・


そして、2年が過ぎたある時、とうとう私にも順番が回ってきた。


新しい主の名はユージ・カミヤ様と言うらしい。

この国の軍事参謀室長のご令嬢エルザ様からそう伺った。


異世界から来られる転生者の方は、素晴らしい能力を持っているからくれぐれも粗相が無いようにと強く念を押された。


失敗したら・・・

そんな事を考えると怖くなりました。


嫌われたら追い出されてしまうかもしれない・・・。

以前の様に売り渡されてしまうかもしれない・・・。

そんな事を思うと怖くて仕方がない。


ご主人様となったユージ様の住居は第一層“中央区の東”にあり小さいながらも一等地の場所にありました。

大きなお屋敷では無かったが、私一人で全てを担うのであればちょうど良い大きさだと思った。


粗相が無いように・・・。

朝が弱いとの事で、ドアをノックして起こして差し上げると毎日、嬉しそうに

「お早う♪ラナ♪ いつもありがとうね♪」


そう言ってくれるので正直戸惑ってしまった。

今までのご主人様達は、起こす事が当たり前、それなら良い方だ。

機嫌が悪ければ殴られる事もある。


朝食もそうだ。

ユージ様は、何を作っても

「美味しい♪ラナの料理は本当に美味しいね♪」

と嬉しそうに毎回必ずそう私に話しかけてくれた。

でも私は・・・“このお方は・・・変わっている”・・・そう思った。


私の特技は、何があろうと愛想笑いをいつでも主に向ける事が出来る事だったのに何故かユージ様には、無表情で接してしまう事が度々あった。


いけない!

こんな事では、奴隷メイドとして失格だ。

こんな事をしていたら、また売られてしまう。


そう思えば思う程、自分の感情を出すのが怖くなった。


?・・・自分の感情・・・?

そんなものなどあるはずが無いのに自分で言って驚いた。


ある時、お風呂を頂いた後、伊達メガネを忘れてユージ様に見つかりました。

「誰?・・・ラナ・・・だよな・・・メガネが無くても見えるのか?」


ビックリしました・・・。

私が眼鏡をしていようが、眼鏡を掛けていようが、そんな事を聞かれた事もありませんでした。

だから・・・


「はい・・・伊達メガネですので、問題ありません・・・」

そうお答えしたら・・・私の想像を遥かに超えた答えが返って来られたので驚いてしまいました。


「だったら今後は眼鏡をしない方が良いな♪

勿体ないよ美人なのに♪ 前から綺麗だとは思ったけど眼鏡が無い方がもっと綺麗だ♪」


こんな言葉を言われた事などある訳がありません。

冗談はお止めくださいとお伝えした次の日から毎日綺麗だとか美人だとか言われ続け恥ずかしくて仕方がありませんでした。


なのに・・・不思議とその日以来、私は眼鏡を掛けなくなりました。

理由はご主人様に懸けない方が良いと言われただけの事だったのですが、私にとっては、どちらでも構わない・・・その程度の事だったのですが、ユージ様は子供の様に無邪気な笑顔で喜ばれていました。


そんな事があって以来、特定の要件以外でも何かに付けて会話をする様になり少しずつですが、ユージ様の事を理解できるようになっていきました。


毎日「ラナは何を作っても本当に料理が上手だね♪」

そう言われて悪い気はしませんが、褒められるとその後待っているのは、辛い事が多い。

でも・・・毎日そう言われ続けるともっと美味しい料理を作って差し上げたくなった。



こちらも良ければ呼んでくださいね♪

■「新世界!俺のハチャメチャ放浪記! 記憶喪失の転生者」もアップしましたので宜しければご一読ください

https://ncode.syosetu.com/n0781fy/

月曜日の朝7時に更新します。来年1月分まで予約してあります。


■「小さな小さな 大冒険!!」もアップしましたので宜しければご一読ください

https://ncode.syosetu.com/n6880gm/

月曜日と木曜日の朝7時に更新します。来年1月分まで予約してあります。

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