勇者撲滅118
「相手は極滅龍だからね・・・念には念をって奴だよ・・・」
「お前等テイマーってレベルが上がればSSランクの魔物でも使役出来るって聞いてるぞ?
此奴は、これから強引にレベル上げをするんだから何とかなるだろう?
今の此奴じゃDランクの魔物も妖しいだろうけどな♪」
「ヒッヒッヒ♪極滅龍はSSSランクだ・・・そいつのレベルを200迄上げないと流石に無理だからなぁ~」
「確かに・・・レベル200は、流石にキツイか・・・コムロはレベル150だけどテイマーだろう?
精々Aランクの魔物を使役できれば良い方だって聞いたぞ?」
「だからだよ・・・・」
「あぁ・・・もう一人の奴隷もテイマーだったか・・・そう言えば、そいつはB級位まで使役出来るんだったか?」
「そう・・・そいつをA級までティム出来るようにすればS級まで使役出来る。
このカズマをレベル150まで上げさえすれば、キングテイマーならS級まで使役出来るからね♪
そうなれば、2人のテイマーとカズマでSS級の魔物迄使役出来る。」
「そして、お前が合わされば極滅龍も使役出来るって訳か・・・確かにレベル上げに時間が掛かったら何が起こるか分からんからな・・・チッ!面倒臭いが迎えに行って来るか・・・」
「ヒッヒッヒ♪ 分かって貰えてうれしいよ♪」
「ケッ!そうしたらお前は、此奴のレベル上げに先に行って来い!」
「ヒッヒッヒ♪ それ位は、役に立つさ・・・」
「じゃ~ちょっと行って来る・・・後でアジトで合流だ!」
「ヒッヒッヒ♪ 了解・・・」
「カズマ!お前は、カズヒコと共にレベル上げをして来い!」
「畏まりました・・・」
「こう見えてもカズヒコもレベル340の猛者だから何とかなるだろう・・・」
「ヒッヒッヒ♪ ボクらテイマーは基本的に自分で戦わないからね・・・使役した魔物が人間をグッチャグッチャに殴るところを見ると・・・ヒッヒッヒ♪ゾクゾクするよ♪」
「ケッ! この人格破綻者め!だが・・・今回は、以前のようなミスはするなよ!」
「ヒッヒッヒ♪何の話だい?」
「2年位前のセントハイムに仕掛けた事があっただろうが! 忘れてんじゃねぇ~だろうな!」
「ヒッ・・・あぁ・・・オーガのスタンピードの事か・・・」
「そうだよ! 本来ならS級の冒険者の大半がいないタイミングだったはずが・・・何が起こるか分かんないからな・・・全開は、あのトールのせいで・・・計画が台無しになったからな・・・チッ!本当にムカつく野郎だ・・・次にあったら絶対に殺してやる!」
「確かにね・・・だが次はないさ・・・今回の件が終われば・・・次はセントハイムの番だからね♪」
「その前にガイラスもぶっ壊したいんだがな・・・」
「ヒッヒッヒ♪ 先ずは、大量の勇者を逃がす事が目的だろう?
私怨は後だね♪ まぁ~俺はアングリアがぶっ壊れる様を見れるからね♪ ヒッヒッヒ♪」
「まぁしゃ~ね~な・・・ハッ!でも楽しみだぜ・・・何種類もの魔物によるスタンピード!
慌てふためく奴らに絶望の極滅龍が現れたら・・・ハッハッハ♪ 奴らの絶望する顔が楽しみだ!」
「腐った国だからね♪ 精々・・・俺達の為に躍って貰うとするよ・・・ヒッヒッヒ♪」
「クックック・・・慌てふためき逃げ惑う奴らが見られると思うとゾクゾクするぜ♪」
「ヒッヒッヒ♪ やっぱりマコトとは気が合うねぇ~♪」
「じゃ~俺は、アイツを連れ戻しに行って来るか・・・」
そう言葉を残し外に出て行く。
「ヒッヒッヒ♪じゃ~お前はレベル上げだよ~♪」
「畏まりました。」
「大丈夫、大丈夫♪ 魔物は大量に用意してあるからねぇ~♪ 150程度なら直ぐにレベルが上がるから」
「はい。ありがとうございます。」
「もうすぐだ・・・ヒィ~ヒッヒッヒッヒ~♪」
そして、ガイラス帝国を出発して8日目既に3000㎞地点に到着したのだった。
「で・・・出来た・・・」
ボソッと呟くユージの前には何かしらの金属で出来た扉が横たわっている。
「何々♪ 何が出来たの~ユージ! 扉~?」
「あら♪ 熱心に作ってたの出来たんだ~♪」
「おめでとうございますユージ様♪ これで遠慮なく修行が出来るって訳ですね♪」
「ねぇ~ってばぁ~!いい加減に教えてよぉ~!」
「うむ・・・教えて進ぜよう・・・ジャンジャカジャ~ン♪ これは! 完全に封鎖された空間の中で!何処にいようが修行が出来る異次元空間! その名も!“修練の門”だ♪」
「「修練の門?」」
マイとメロは小首を傾げ乍ら同時に呟いたがラナだけは、そんな二人を見て微笑んでいた。
どうやら以前、ユージから聞かされていたのだろう・・・。
「そう♪ 修練の門♪ ドラゴンの魔石のお陰で、やっと作る事が出来たよ♪」
「それって、どう言う効果があるのかしら?」
「良く聞いてくれました♪ 原理はマジックバッグと同じだ♪」
「それって・・・時間が流れないって事?」
「そうだ♪ だが・・・この扉の中には人間が入る事が出来る!」
「へぇ~だったらどうだって言うの?」
「良かろう・・・この修練の門の素晴らしさを教えてやろう♪」
「うん♪ 教えて♪ 教えて♪」
「フッフッフ♪ 聞いて驚け! 先ず!この扉の中に入って内側から門を閉めれば、外の世界と完全に隔離された空間の中の時間が、100分の1となる!」
「100分の1?・・・それって・・・1日が100日に相当するって事?」
「そうだ! そして、ここが難しかったが、この門の中に地面となる部分を作る事に成功した♪ さらに!計算上だと2000㎞四方に及ぶ空間となっているはずだ!」
「そっか~マジックバッグだったらある意味底が無いもんねぇ~♪」
「それにしても・・・2000㎞って・・・そんなに必要なの?」
「フッフッフ♪ 必要ない♪」
「「・・・・・」」
「仕方がないだろう! ドラゴンの魔石の魔力が強いんだよ!」
「中に入って迷ったら・・・死ぬね・・・」
「死ぬわね・・・」
「くっ! だからこの後に中に入って建物とか目印になる物を置くんだよ!」
「ほぉ~♪なる程~♪」
「それになぁ~!本来真っ暗な空間の中を明るくする事にも成功したんだぞ!」
「へぇ~・・・でも・・・何で作ったの?」
「当然!修行をする為だ♪」
「「ふぅ~ん・・・」」
「感動が薄いな・・・」
「クスクスクス♪ 2人共良いですか、このユージ様の作られた魔道具は、私達の様なレベルとなった冒険者にとっては、中々出来なくなってしまった魔法の練習をする為にも持って来いの魔道具なんですよ?」
「どう言う事?」
「良いですか? 例えばマイやメロの最強呪文を超ええる魔法を身に付けたとします。
その為に外の世界で何十何百もの極大魔法を唱えたら自然はどうなりますか?」
「「あっ!」」
「お判りいただけましたか? この魔道具がマジックバッグと同じ効果を持っているというのであれば構造的には恥が存在しません♪ 性格には存在するのでしょうが、左と右が繋がっているので、異空間の中が壊れる心配はありません♪」
「って事は・・・何回でも試せるって事だね♪」
「そう言う事ですね♪ 自然を破壊する事なく修行が出来る。
ユージ様は、自然環境を気にしておいででしたから♪ どうやったら時間を有効的に使えるか! それが、この“修練の門”ですよ♪」
「それと勘違いして貰っては困るが、この修練の門の中は下界の100分の1。
中の世界で100日修行しようが現実世界では、1日しか年を取らん!」
「「そうなの!?」」
「当然だろう? そんなんで年を取ったらバカみたいじゃんか!
本来であればマジックバッグの中の時間の流れは外の世界の52,560分の1・・・要するに1年を10分しか時間が進まないんだ・・・それを100分の1調整した事で、生命も動けるようになった。」
「そう言えば、マジックバッグの中って時間の進みが遅いって聞いていたけど・・・良く知っていたわね?」
「実験したからな♪ マジックバッグの中ってのは時間だけじゃなくって温度って概念もない・・・だから作り立ての料理を入れておけばいつでも温かいご飯が食べれただろう?」
「「うん!」」
「だったら単純! 100度のお湯が10分でどれだけ冷えたか・・・通常の世界と閉ざされた空間の中の温度がぴったし同じになったのが、さっき言った52,560分の1って訳だ♪」
「なるほど・・・」
「だが、これだと生命の活動が止まったに等しい。要するに死んでしまうのに生きているって矛盾が生じる訳だ♪ その為、マジックバッグの中に生命体を入れようとしても弾かれてしまうって事だな♪」
「「そうなんだぁ~」」
「今回100分の1の時間にする事で、閉塞空間の中でも魔法が使える様にする事が出来た。」
「だけど・・・精霊の力は借りれそうにないね♪」
「フッフッフ♪ そこも解決済みだ!」
「どう言う事?」
「先日のドラゴン狩りの時に良いものを拾った♪」
「「「良いもの?」」」
「そう・・・お前達もダンジョンコアって知っているよな?」
「「まさか・・・」」
「そのまさかだ♪ ドラゴンの巣があった洞窟に入ったら龍脈があった♪」
それは、ガイラス峡谷でドラゴンを倒した後、魔物の回収にユージ以外が東奔西走していた時の事。
「さてと・・・当分帰って来ないだろうな・・・さすがに、何が起こるか分かんないからな・・・」
そう言ってユージがドラゴンの巣へと入って行った。
「予想通り真っ暗だな・・・フッフッフ♪ しか~し!! 俺だって生活魔法なら出来るんだもんね~♪ ライティングボール!×2! ・・・眩しっ! クゥゥ~目が痛い! 目が暗闇に慣れ過ぎたか・・・」
ユージがライディングボールを唱えるとミニ太陽の様な光が辺り一面を色鮮やかに変えていった。
緩やかに下がっていく洞窟を進む事5分。 軽く走っているとはいえ既に10㎞以上進んでいるのに未だに奥が見えてこない。
「そりゃ~デカいに決まってるよな・・・」
何にしても体長20メートル程のドラゴンが羽を広げて入って行ける広さの洞窟なのだ。
100メートル四方もある巨大な洞窟。
さらに5分程進むと巨大な地下空洞が目に映った。
縦横400~500メートル程はあるだろう。
「むぅ~・・・そこが見えないな・・・ライティングボール!」
その地下空洞に向けて光を放つとスゥ~っと辺りを照らしながら落ちて行くと数十秒後に地面の底が見えた。
「深いな・・・ここが、ドラゴンの巣って事か?仕方がない・・・バトルニックオーラ!」
ユージがスキルを発動させると同時に眼前の地下空洞へと飛び込んだ。
バシュッ!バシュッ!
「深い・・・1㎞以上はあるな・・・」
バシュッ!
「そこが見えて来たな・・・」
スタっと地面に着地して上を見つめると上空に残したライティングボールが小さく輝いている。
「2㎞位あるかも・・・そてと・・・此処に何があるか・・・」
魔物とは面白いもので、マナの濃いところを好む習性があり、近くにマナの力場が無い場合は、魔力を食すために魔物同志で争い倒した相手の魔石を喰らうのだ。
だから当然人間も例外ではない。
魔力の強い者に魔物は引かれる性質を持つ。
三人には言っていないが、魔物の遭遇率が高いのは半部以上俺のせいだと思っている。
このガイラス峡谷はマナが強い為、沢山の魔物の楽園の様な場所なのだ。
だからこそあるはず・・・
「おかしいな・・・ドラゴンが好む位だから間違いなくあると思ったんだが・・・」
ユージは世界樹の事を思い出していた。
世界樹にドラゴンの巣があると言われていた可能性について。
自分の目で確認する事が出来なかったので、仮説でしかないが世界樹は莫大なマナの塊と言って良い。
だからこそ、ドラゴンが好んで巣を作ったとしても不思議ではない。
だが、この峡谷で言えば、近くに湖や森があるとは言ってもドラゴンが巣を作っていれば商人達の目に留まるはずなのだ。




