勇者撲滅11
先日4ヵ月ぶりにビリヤードのトリックショットの撮影をしてきました(;^ω^)
ハッキリ言って絶望的なまでに下手になっていたので滅茶苦茶ショックでした。_| ̄|○
流石に600以上ものトリックショットをアップしているのでアイディアが少なくなってきたので、今はトリックショットよりも小説を書いている方が楽しいかも(^^;
相変わらず一月に二回程しか「小説家になろう」にログインしないので、コメントを頂いてもタイムリーにお返事できないかもしれませんが、頑張りますので応援お願いします♪
チャリっと刃を返すと妖しく燃える様に赤く見える。
そして、刃紋に光が反射すると美しい光を放った。
「それは、従来の剣の製造方法と違い何度も何度も金属の鍛錬を繰り返して一切の不純物を取り除いてのみ作る事が出来る刀で、昔、魔王を倒した勇者達によって伝えられた製法でしか鍛える事が出来ない逸品だ。
素材は、金剛石と呼ばれるこの世界で3番目に堅いと言われる金属で出来ている。
ワシが作った中でも最高傑作の一振りに入る代物じゃ!」
ズシッと来る重さがその切れ味を物語る。
「試し切りしても良いか?」
「お主の腕であれば問題ない」
そう言われて目の前の鋼の板の残りにそっと触れる様に刀を降ろす。
ただ、そう~っと降ろしただけ・・・しかし・・・
「うそっ!? 今ので、鋼が切れたって言うの?」
ジェリーが目を見開いて驚く。
「持ち主がユージ殿だからじゃな・・・命を吹き込まれた刀は持ち主を選ぶと言う・・・。それにしても・・・予想以上の切れ味にワシも満足じゃ♪」
珍しくガースの顔に笑顔が浮かんでいた。
「コレ・・・凄いな♪」
「そうじゃろう♪そうじゃろう♪ 刃渡り90㎝柄まで入れれば115㎝の長剣。
鍔の部分が少し大きめに造られておるから剣による防御も優れて居る。
ワシが今まで鍛えた武器の中でも三本の指に入る大業物・・・
ドラゴンとも戦う事が出来る様に作った・・・その名も“龍刀“じゃ!」
「龍刀・・・♪ カッコいいな!これ気に入った!これを貰う!」
「ガハッハッハッハッハ~♪お主ならそう言うと思って居った・・・が、渡すのはもう少し待ってくれ」
「何でだ?」
「その切れ味をしまう鞘が無いのだ。流石に剥き出しのままと言う訳にはいかんからな・・・そうじゃな・・・3日!3日後には完成させておくから、その時を楽しみにしておれ♪」
「なる程・・・分かった。いくらだ?」
「そうじゃな・・・久しぶりの会心の作だが、持ち主を得て、その刀も喜んでおるし・・・金貨1000枚でどうじゃ?
本来であれば2000万エーカ以上はするじゃろうからお買い得じゃろう」
「買った!ホレ!」
そう言ってジェリーに大金貨が100枚入った小袋を渡す。
「毎度♪」
「それと防具じゃったな・・・お主・・・皮の鎧はどう思うかのぉ」
「皮の鎧か? いやぁ~流石にちょっと弱すぎるんじゃないのか? 軽くって嫌いじゃないが、強度がちょっとな・・・」
その言葉を待っていましたと言わんばかりに
「ガハハハッ♪ その強度がミスリルより強いとしたらどうじゃ?」
「マジでか?そんな皮が・・・!もしかして・・・Aランクの魔物の皮とかで出来たものなのか?」
前世の記憶でそんな強度を持つ皮の鎧があった事を思い出す。
「ふん!知っておったか・・・。じゃが・・・Aランクじゃないぞ・・・」
そう言って鍛冶場に戻ると皮の鎧を持って戻ってきた。
赤と黒の入り交じった中々カッコいい鎧だ。
「ユージ・・・さっきの鉄の剣で普通にこの皮の鎧を切ってみてくれんか?」
「本気か?」
「無論!本気じゃ」
そして、石畳の上に皮の鎧を寝かせた。
「どうなっても・・・知らないぞ! フン!」
ド~ン!と言う音と共にバキッ!っと何かが砕ける音が聞こえた。
それは、ユージの顔の横をスローモーションの様に通り過ぎて行った。
「マジか・・・!?」
少し離れた場所に鉄の剣の先端部分が折れて落ちていた。
「ふむ・・・流石にユージの力では、無傷とはいかんな・・・」
そう言ってガースは皮の鎧に付いた線を指でなぞる
「いやいや・・・そりゃ線位は付くだろう?」
「そうでもないぞ!?何せ・・・この皮の鎧の素材は、彼の有名な火龍の鱗と皮で出来ておるのじゃからな!
まぁ~火龍と言っても幼体のドラゴンだがな・・・。」
ガース曰く。
天災級であるドラゴンの中でも火龍の鱗と皮は、先程の金剛石に匹敵する強度を兼ね備えていて、さらに耐火性に優れているので、火属性の耐性も持っている。そして、極めつけは、自然修復能力に優れている事だ。
元が生物の素材で出来ている者は、多かれ少なかれ自然修復能力を持っているそうだが、魔力を流す事で段違いの修復を見せると言う
「この火龍の鎧一式と火龍の盾・・・。ワシの店にある最高の防具だ・・・どうじゃ♪」
「親父が・・・火龍の装備を出すなんて・・・よっぽどユージの事を気に入ったんだな!」
「当然買う!いくらだ?」
「これは、流石に高いぞ!儲けなしで・・・1500万エーカでどうじゃ! これも本当であれば、3000万エーカはくだらない代物じゃ!」
B級冒険者が装備している平均的な防具の値段が300万エーカである事を考えれば、どれだけ高いか分かると言うもの・・・しかし
「ふぅ~流石に高いな♪ でも・・・それだけの価値が十分あるのは間違いないな!・・・ホラ!」
そして、今度は大金貨が160枚入った袋を渡す。
「毎度あり~♪」
「ついでに中に切る薄手の服もサービスで付けてやるぞ♪ これは、さっきの火龍の内臓を乾かして繊維状にした素材で出来た逸品じゃ!伸縮性に優れ、耐熱、耐水性に優れておる。」
「そうか・・・悪いな・・・本当ならいくらだ?」
「金貨50枚と言ったところじゃな♪」
「あれ?ユージ殿?この大金貨・・・160枚入っているけど?」
ジェリーが戻って来て渡した袋に入っている枚数が多過ぎると言い来た。
「それは、このインナーの分だ♪」
「ガハッハッハッハッハ~♪ 分かっておったか♪」
「当然だろう?皮の鎧の他に服があれば何となく分かるもんだ♪」
「それもそうか♪ オッと!そうじゃった!もう一つ!先程の刀の事じゃが、あれも魔力を注ぐ事で多少の自然修復能力が備わっておる。流石に真っ二つになったら無理じゃが、どんなに魔物を切ろうとも刃毀れ程度であれば、自然修復するからいちいち研ぐ必要がない。」
「それは、良い事を聞いた♪ 流石は、ガース!やっぱ・・・あんた最高の鍛冶屋だよ♪」
「ガハッハッハッハッハ~♪煽ててもこれ以上はまからんぞ♪」
そして、満足のいく武器を揃える事が出来たユージの顔はいつもよりも嬉しそうだった。
「ユージ様? 必要な装備だとは思いますが・・・その・・・」
ラナが何か心配そうに声を掛ける。
「金の事か?心配ない♪ まぁ~財産の3分の1位は使ったけどな♪ ラナには教えるけど・・・まだ、5000万エーカ以上はあるから心配するな♪」
「えっ?Dランク冒険者ってそんなに稼げませんよね? それ位は、私でも存じておりますよ?」
「ふむ・・・まぁ~稼げない事もないんだけどな・・・そっか・・・そうしたらちょうど良いな・・・ラナには、もう一か所見て貰うとするかな♪」
「畏まりました♪お供させて頂きます♪」
そう言って、自分達の住む東地区の魔導列車に乗り込むと第二層の商業区へと足を延ばす。
「私・・・初めて魔導列車に乗りました♪」
嬉しそうに目をキラキラさせながらそんな事を言う。
出会ったばかりの頃は、自分を押し殺したような態度が年齢以上に見えたものだが、今のラナからは年相応な女の子にしか見えなかった。
“センター街”と言われる第二層に到着すると駅から数分の建物の中へと足を踏み入れた。
「どうだダグラス?売れ行きは?」
建物の一角にある店の中へとユージが入って行くと中で忙しなく働く店員の男女に声を掛けた。
「あれ?オーナ―・・・今日は来られる日でしたっけ?」
短髪の少年がユージをオーナーと呼ぶ
「あぁ~オーナー♪ 良いところに来てくれました~♪ もう少し人員を増やして貰えませんか?」
今度は、ピンクの髪を丁寧に編み込んで頭上で纏めている女の子が話しかけて来た。
「へっ?オーナー?もしかして・・・ここって・・・ユージ様の・・・」
「ようこそ♪ 俺の会社“ワールドギャップ”へ♪ へへ♪ 驚いたかい?」
偶に帰りが遅くなる時や装備を身に付けず外出する事があったので、不思議に思っていたがまさか会社を作っていたとは思わなかった。
「オーナーってば~本当に忙し過ぎて人員を増やして頂かないと持ちませんよ~」
「オッと、そうだったね♪ 確かに・・・忙しそうだな・・・だったら求人を出して3人程増員して構わないぞ」
「やったね♪店長~♪オーナーが増員しても構わないって~!」
そう言われて奥から綺麗な顔立ちの美少年“マイク“だった。
「マジですか!いやぁ~助かりましたよ♪ それにしても・・・僅か一ヶ月でこれ程繁盛するとは思ってもいませんでした~ここに雇ってもらえて本当に良かった~♪」
「ハハ♪ それは良かった♪ それはそうと・・・マイク!これからさらに忙しくなりそうだからさっきは3人と言ったけど場合によってはお前の判断でさらに増員して構わないからな♪」
「それは、助かります♪・・・ん?・・・さらに忙しくなる・・・ですか?」
ただでさえ忙しいのに?
そう思って口に出てしまう。
「あぁ♪ 先日、我が社の商品の製造ラインを増やす事になった。それと販売代理店を希望する店がさらに100店舗ほど名乗りを上げているそうだ。
そうなるとこの店もセンター街以外にも何店舗か店を拡大しないと厳しくなりそうだ♪」
「マジですか? 喜ぶところでしょうが・・・そうしたら・・・店長候補を育てておかないと・・・ひぃ~忙し過ぎる~」
イケメンが台無しだな・・・
そう思うユージだったが、可愛そうなので心にそっとしまう事にした。
するとラナが話しかけて来た。
「ユージ様?このお店って・・・?」
「あぁ・・説明がまだだったね♪」
そう・・・。冒険者として活動を始めてから軌道に乗り始めた俺は、いつも魔導列車から眺める第二層のセンター街の活気を見る内にあるビジネスを思い付いた。
結論から言えば“何でも屋”だが、基本は、美容関連の商品を取り揃えている。
前世の知識もあり様々なビジネスを調査する内に気が付いた事があった。
最初の転生時に聞いていた事だったが、今のこの世界は、異世界人達によって様々な進化を遂げたようだが、専門的なビジネスに至っては、どう見ても時代遅れだと気が付いたのだ。
例えば、入浴時に使う石鹸がそうだ。
シャンプーもシャンプーと呼べるような品物ではなく当然リンスなんてものも存在しない。
石鹸もただ洗うだけのもので匂いが付いていない。
そんなレベルだから女性用の化粧水どころか化粧品の数も少ないのだ。
実際、乳液程度さえも碌なものが存在しなかった。
それでピーンと来た。
よくよく考えたら異世界に憧れる地球人の大半が、勇者に憧れる様な人間ばかりなんだから当然かもしれないが、専門的な知識を持ったような地球人がどうやら少なかったようだ。
なので、現在の主流となっている化粧品や入浴用の石鹸の成分を調べ持ち前の根性で、商品開発を行う事になった。
そうして出来たいくつかの商品を持って商業ギルドへと相談したところ見事一発採用となった。
当然、商業ギルドとしても登録する事となったが、逆に都合が良かった。
商品を大量に生産する工場の手配やそれに掛かる費用を立て替えてくれたのだ。
取り分として、15%を抜かれるが、それでも販売先を提供してくれることで、俺の会社は発売元として原価を差し引いても60%の利益が常に入る仕組みだ。
残りの25%は販売代理店となったお店の取り分。
自分の店で販売した場合は、75%が入って来る。
現在、メインで売り出しているものが、シャンプー3種類それぞれ、上級貴族用と中流階級用、それと一般大衆用だ、リンスも同じ、それと弱酸性を含んだ石鹸3種類。
それに女性の化粧水や乳液。さらに化粧品のアイシャドーと頬紅、口紅やファンデーション等だ。
最初は徐々に口コミで広がっていきこの数日は、製造が追いつかなくなる程、売れ行きを伸ばしている
他にも気が付いたものは全て唾を付け始めたのだが・・・
思ったようには開発が進んでいない。
ある程度は、形となってきたものの俺が、Goサインを出すには至っていなかった。
こちらも良ければ呼んでくださいね♪
■「新世界!俺のハチャメチャ放浪記! 記憶喪失の転生者」もアップしましたので宜しければご一読ください
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月曜日の朝7時に更新します。来年1月分まで予約してあります。
■「小さな小さな 大冒険!!」もアップしましたので宜しければご一読ください
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