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神々の雑談

〈神界の邪神の空間〉

「あぁ〜」

アグセルは暇だった、十の最高神の一人ではあるが、自分に割り当てられる仕事が少ないのである、


若い神はみんなそうだ、アグゼルは神格は高いが、若い方である、精々一億歳程で、しかし、兆を超えた時を過ごした神は少しづつ神格を上げて上位の神になったので一部の神からは目の敵にされている、そのため自分にくる仕事な特に少ない。


「創造神のシジイめ…」

うん、あのジジイが悪い、仕事の割り当て決めてんのはあいつじゃないけど、あいつが悪い。


「しっかし何するかな〜」


本当につまらん、なにもすることはない、割り当てられた仕事の世界の魔力管理は終わったばっかりで次の魔力管理は30年後なのだ、しかも魔力管理と言っても神の力はいっさい使わず空間の魔力を吸ったり、放出するだけだからつまらない。


「おやつでも食べるかな…」

そう思い立ち上がると、空間にいきなり穴が開いたことに気づいた。


「ん?」

驚いていると、足音が聞こえてきたので振り返ると、白と青のローブを着た青髪の女性、賢神が歩いてきた、賢神は近くで止まってこう言った。


「またあの世界で召喚魔術が使われたみたいよ」

「ほう。態々言いに来たってことは、成功したのか!」

ラッキーだ、これなら多少は暇つぶしになる。


「よっと」

そう声を漏らして上から男が飛び降りてきた、戦神だ。


「賢神、今回は行かなくていいってよ」

「あら、本当?それならいいけど」

「なぁなぁ」

あることを思いついたので言ってみることにする。


「今回の転移者に加護を与えられないか?」

「はい?」

「ぷっ、くっくっくっくっ、なるほどな」


我ながら名案だ、加護を与えた人間は直接的に覗くことが出来る、これで暇がつぶせる。


「……はぁっ…ちょと待って、転移者を見てみるから…」

「早く頼むぞ」

「はいは…あれ、これどうなって…え?」


ん?、何だか様子が変だぞ?

「どうした?賢神?」

「いや…なんか、魂に干渉できない人間が何人かいるみたい何だけど…」


ほう、面白い…そんな人間がいたなんてな。

アグゼルはニヒルな笑みを浮かべ、口からはククッと声が漏れる。


「干渉ができないってことは、その人間が神の扱いになってるってことよね…そんなのあり得るの?」

「神格があり得ないほど高い人間がいるってことだろうよ」

「魂に干渉出来ないということか…む?そうだ!」

「どうしたの?」

「魂に干渉できないなら、神の力を直接与えればいいだろう」

「「は?」」

「そうすれば、もっと面白いだろう?」

「まぁそうだけどさぁ…怒られない?」

「禁止にはされてないだろうよ。何しろ前例が無い!ところで何人いるんだそいつら?」

「いや、禁止ではないでしょうけどさぁ…ハァ、もういいわ3人よ、神格は、六万と一万と三千よ」

「お、ぴったしだな、じゃ、ちょっといってくるぜ」

「あ、抜け駆けはずるいぞ!六万の奴は私のだ!」

「ハァ、まったく…」

戦神と賢神に先を越されないようにせねばと思い、急いでイレギュラーな転移者の魂の場所を探っていると異質な魂の気配を感じる、神格がありえないほど高い。

「ふむ…確かにイレギュラーだな!」

楽しみになってきた、早速向かうとするか。


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〈神界のどこか〉


「ふむ…想定どうり喰いついてきたか…」

神界のどこかで一人の神がつぶやいた。

「しかし…奴の命令に従ったようで気に喰わんな」

一人の神がその場に現れる、そして手に持った金の果実を食らいながら

「くっくっくっ、奴等は単純だからな」

と言う。

「遅いぞ」

「すまんな、でも誰が誰に干渉したか調べてたんだよ」

「そうか、では教えてくれ」

「No.1が邪神、No.2は賢神、No.3は戦神みたいだぜ」

「そうか…賢神はわざとだな、しかし邪神がNo.1を引くとは…面倒だ」

「確かにメンドクセー…ん?」

足音が周囲に響き渡る。

「奴が来たようだな」

「チッ、早いな」

奴が来るとつまらない、大切な相棒との会話さえ縛られるのだ、殺意さえ湧いてくる。

「やあ、待たせたね」

足音の正体が現れる。

「ふん、別にそうでもねえよ、むしろ後五億年は遅れてくれても構わなかったんだがな!」

「そうかい?まあ、そこまで遅刻してしまっては計画が失敗してしまうからね」

そう笑顔で言ってくる、本当に身体中に虫酸が走る。

「まあ」

少し目を閉じて、

「これはするんだけどね!」

眼を大きく開くと同時に辺りの空間が歪む

「ぐっ」「がっ」

身体が痺れるように動かなくなる

「すまないね〜こうしないと攻撃された時に面倒だからさ」

仮に攻撃してもどうとでもなる、あまり意味が無いともとれるその言葉は怒りを増幅させる、これが無かったら一矢報えるというのに。

「まあ、アグゼルにNo.1が当たるとは、運が悪い…」

こちらのことを気にもとめずにぶつぶつと独り言を始める

「うーん…、よし!決めたよ」

じっとこちらを見つめ…こう言った。

「しばらく監視をして、干渉できそうなタイミングで潰せ」

命令は気に食わないが、やらねばならない。

「頼んだよ、神界の反逆者(レジスタンス)の名にかけて…」

…そんな物、いつかは俺達で潰してやる。


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〈エルクス王国の城のどこか〉

「転移者の奴等は上手く騙せそうか?」

「ああ、順調だ。リーダー格の男を上手く騙せている」

「ははは、チョロイもんだな」

「これで後は育てれば魔族が滅ぶんだぜ!」

「疑うことも出来ないなんて、甘っちょろい奴等だな!」

大笑いしながら二人の騎士が笑っている中、その部屋の扉の前で耳を澄ましている男がいた

「…やはり成功していたか、急ぎ報告せねば…。」




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