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アメイジア幻想記  作者: やっさん
第1章 『ダイワ争乱』
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臣下2

翌日、ホロの街から秀光を迎えに兵が来た。


屋敷の応接間に秀光と二人で入るとすぐに

『おぉ 若様!無事でおられたか!』

と今にも泣きそうな年寄りが迎えた。


『爺も無事でなによりだよ』


年寄りがチラと俺の方を見る。

『その者は…何処かで…』


『…ん?もしかして森の中で斬りかかって来た爺さんか?』


あの時は斬りかかって来た一瞬だけしか爺さんの顔を見てなかった気がした。

自分の状況を把握する前に次から次へと理解を超える出来事が起きて居た時だ。


『やはりか、お主は何者だ?』


『爺、この者は竹中亮平 僕の命の恩人であり友だ』


『そうか、お主が若様を救ってくれた男か』

何気に爺さんの左手を見ると腰の刀に手を掛けて居た。


『いや、俺の方こそ助かってるんだ。秀光が住む所と仕事をくれたからね』


秀光 と言った瞬間に爺さんがピクっとする。


『爺、形式上は家来だけどリョーは僕の友なんだ。僕からお願いして対等に接する様にお願いしてるんだ』


『し しかし若…それでは次期 国王としての示しがつきませんぞ』


『分かってるよ、周囲に人が居る時は秀光様として敬うさ』


『当たり前じゃ!』


(元気の良い爺さんだなぁ)

後から聞いたのだが この爺さん、名を菊池宗運と言い

秀光を逃がす為に森の中で秀実の追っ手と戦い

大怪我を負い倒れた所を味方兵に発見されホロの街に帰還していたらしい。

堅そうな名前の通り、言動も行動も堅いのだろう。



『では宗茂よ、若をホロの屋敷にお連れ致すが気を抜くでないぞ?』


『宗運殿、暫く秀実様を十分警戒する故 ご安心なされ』


『うむ、なにかあればすぐに連絡しろ 兵はすぐに動ける様にするのだけは忘れるでないぞ』


『それも大丈夫だ、既に国境の見張り兵を少数のみ残して他はルナイに帰還させて居ります』


『いやいや兄上と戦をする訳じゃないんだから…』


困り顔で秀光が言うも即座に爺が反論する。

『黙らっしゃい!誰に大怪我を負わされたのかもうお忘れか!兄の秀実様ですぞ!』


『いやでも跡目争いなんてする気がないよ』


『何を仰るか!国王様が必死になって守った民を蔑ろにする秀実様に後を継がせる訳にはいかないのですぞ!』


『いや…でもね…』


『黙らっしゃい!国王様が病に臥せったその時に次期国王でもある弟君を襲うとは何事か!そんな根性の腐った輩なぞ このワシが捻り潰してくれるわ!』


『いや…あのね…』


この爺さんのあまりの白熱っぷりに耳がキンキンして来ていた俺は

これ以上まだ何か言おうとしている秀光の肩をポンポンと叩き

(やめとけ)と首を振っておいた。

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