メンバー集合
次の日、イリス達は昨日と同じ場所に集まり自由の精霊を待っていた。
「お姉様、人間化についてなのですが人間になったら何か注意する事はありますか?」
「えっ、と……沢山あるからその時その時でいいかしら」
「はい! 分かりました!」
「とりあえず怪我には気をつけてね。斬られたりした時にたくさん血が出ると死んでしまうから」
「死……消滅ということですね。気をつけます」
「お勉強会は終わった?」
いつものように頭上から声がかけられ見上げれると、いつからいたのか自由の精霊が足を組んで宙に座っていた。
「遅い! お姉様を待たせるなんてどういうつもり!?」
「もう来たのか……」
「同一存在なのに正反対ねえ。それじゃあ、行きましょうか」
自由の精霊がそういうとイリス達の体はフワリと浮き、更に上空へと浮かんでいく。
「え、わっ、ちょっと何よコレ」
「あいつのいる場所まで魔法で移動するだけ」
「魔法、まさか転移魔法!? そんなの使わなくても普通に飛んでいけばいいじゃない!」
「こっちの方が圧倒的に速い」
まだ何か言いかけたルシアだったが、一瞬で全員その場から音もなく消え去り静寂だけが残された。
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「あれ、いない?」
「キャッ、ちょっと! もう少し丁寧に……」
目的地に着いたのか地面へ降ろされたイリス達だがルシアだけ着地に失敗して尻餅をついてしまい文句を言いかけた瞬間、上空から凄まじい轟音を立てながら何かが勢いよく目の前に落ちてきた。
「へ、え、何、何っ!?」
「やっと来たか、遅いぞ。おかげでこっちは害獣駆除をするはめになった」
「言われた時間にはまだなっていないけど。それより何してんの。……大丈夫?」
上空から降りてきたのは白い男で、足元にはいつぞやの黒い男が土まみれで倒れていた。
自由の精霊がしゃがみ込み軽くつつくとピクリと反応し、勢いよく顔を上げる。
「大丈夫だ、生きている。これぐらい余裕だ」
そのまま立ち上がり腕で顔についた土をぬぐうのを、白い男は表情こそ分からないが如何にもつまらないと言った感じで腕を組み眺めている。
「しぶとい奴め」
「あんたが直接手を出すなんて珍しい。何があったの」
「旅行に同行してきそうだったので仕留めようとしただけだ」
それだけで?
ルシアは思わず口に出しかけたがイリスに口を押さえられ、ウィルフと揃って首を振るので大人しく従った。
「え、別にいいじゃないそれぐらい」
「私には十分過ぎる理由だ。お前の名前を調べた奴だぞ」
「私は気にしていないのに?」
「……随分と庇うな」
「庇うというか……数は多い方がいいし」
「ふむ……まあお前がそう言うなら……仕方ない」
話の内容が理解できずルシアはイリスを見上げた。
イリスは困ったように微笑みながらルシアの頭を優しく撫でる。
「深く考えない方がいいわ。向こうの基準や普通は私達と違うみたいだから」
「分かりました。お姉様がそう言うならそうします」
「お前はそれでいいのか……?」
「ウィルフそっくりじゃない」
「……」
絶対的と言える程イリスの言葉に従うルシアの様子にウィルフは思わず心配したが、ムメイの一言で黙り込んだ。




