表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
126/127

ゼビウスの悪癖

「はー……。……暇だな」


 ゼビウスの呟きにトクメはピクリと反応した。


 ようやく謎の研究施設から脱出し、街に着くと同時に実は気力だけで意識を保っていたゼビウスはその場で力尽きた。

 そのまま宿を取りゼビウスは丸一日眠り続け、ようやく回復したが大事を取ってもう一日休ませていた。


 のだが、肝心のゼビウスは完全に暇を持て余している。こういう時のゼビウスは何かしらやらかしたがるので、トクメは警戒しいつでも逃げ出せるよう読んでいた本を閉じて身構えた。


「外結構賑やかだし祭りか何かやってんの?」

「……まあ、祭りだな。酒の品評会を行っていて訪れた者には皆ミートパイとワイン、もしくは葡萄ジュースが振舞われている」


 実際街は至る所に飾り付けがされており、街の人達、特に子供達はただでパイとジュースが食べられると目を輝かせ親を引っ張ったり、焦れて走り出したりと部屋にいてもその声が聞こえてきている。


「へー、品評会」


 そしてゼビウスも興味を示したみたいだった。


「いいね、それって飛び入り参加とか出来んの? 俺も出たい」

「今からならまだ間に合うな。持ち込む酒はあるのか?」


 今回のやらかしは大人しい方だと判断するとトクメも乗ってきた。


「勿論。つうか、俺の持ってる酒ってネクタルしかないの知ってて何で聞いた?」

「知っているからこそだ。この品評会に出ている者全員を不老長寿にするつもりか?」


 ネクタルは神々の飲み物と言われ、人が飲めば不老長寿、神々の食べ物と呼ばれるアンブロシアとともに食せば完全なる不老不死になると言われているものである。

 たとえ一口だけといえど口にすれば数百年、もしくは数千年は寿命が伸びてしまう。


「流石にそれはしない。だから適当な安酒に少し混ぜてだす。これなら一瓶飲んでも数年、一口なら三ヶ月ぐらいだし、これぐらないなら別に大して変わんないだろ」

「まあ、そうだな」

「で、お前も乗り気だけど出す酒あんの?」

「とりあえずドン・ペリニヨン・プラチナと当たり年のロマネコンティならある」

「……酒飲めないのに何で持ってんの」

「瓶の形とラベルと色が気に入っている。飲めずとも所有していておかしくはなかろう」


 確かにその通りだが、ゼビウスからすれば飲めないなら持つなと言いたい。ついでにトクメは吸えもしない葉巻も箱と見た目が気に入ったからと幾つか持っていたりする。


「まあいいや、締め切られる前にさっさと受付行くか。ところでシスはどこ行った?」

「ヴィルモントがムメイとシスを連れて祭りへ連れて行った」

「ああ……ダルマ?」

「そうだ」


 どうやら祭りに誘われる前にヴィルモントが先手を打って子供だけで出掛けるという口実の為にムメイとシスを連れ出したらしい。


「一緒には行動していないだけでダルマも祭りへは出向いている」

「何だ、全員祭りに行ってんのか。じゃあ俺らも行くか」

「……。そうだな」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ