第1章 彼女との出逢い
第1章 出逢い
よく晴れたある日の朝、カーテンと窓を開けて
日光を浴びながら伸びをする。
朝の新鮮な空気を苦しくなるくらい吸い込み
深呼吸をして身支度をする。朝食を済ませて
出社する準備をして家を出る。
会社に着くとすぐ朝礼が始まり、上司に挨拶をして
仕事を始め、昼休憩になると皆昼食を摂りに
安くて美味しい社員食堂に走っていく。
(キリの良いところまで終わったことだし、
俺も昼食にしようかなぁ…)
そう思いオフィスを出たときだった。
ドンっと鈍い音がして「きゃっ」と小さな声を
挙げた女性が尻餅をついてしまった。
どうやら、俺にぶつかってしまったらしい。
「あ、ごめんなさい!大丈夫ですか?怪我は?」
そう聞くと女性は気恥ずかしそうに笑い
「大丈夫です、こちらこそごめんなさい。ぶつかってしまって。」と言って立ち上がり向き直って
「あ、私、デザイン科の 宮城 楓 と言います。 」
「あ、俺は、設計兼建築科の 大森 渉 です。」
名刺交換をして、ふと目が合ったそのとき
とても大事なことを思い出した。そう昼食だ。
「あの、昼食は済ませましたか?まだなら一緒に」
無意識にそう口走っていた。慌てて
「あ、えっと、ぶつかってしまったお詫びをしたくて」
すると、宮城は首を横に振って
「お詫びなんてとんでもない!私の前方不注意でしたし、昼食はもう済ませました。急ぎの用があるので
これで失礼しますね!」
そう言うと、宮城さんは慌ててデザイン科の
オフィスへ走って行ってしまった。
俺は彼女の背中を見送って、社員食堂へ向かった。
社員食堂で日替わりメニューを頼み
席へ着くと隣に