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悪役令嬢と野獣の王 作者:星華

再び王都へ

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地下水路

ロッテはエデルフィアのタウンハウスに戻り
アマーリエと合流していた。

「アマーリエさん!セシリアを見つけました!」
「本当か!?セシリアは何処にいたのだ?」

ロッテは学園で見た事を全て話し、タウンハウスの地下にある転移装置に付いている通信機でヴォルフ達に
報告をした。

「セシリアは無事なのか!?」
いつも冷静なヴォルフだが慌てた様子で聞いて来た

「ディボルド学園長は監禁して監視をしろと指示をしていたので、傷つける気はなさそうですが…一刻も早く助けださないと何をされるか…」

「会議って言うのは何の事なのかな?」

「解りません…」

「学園とクロフォード家の間で何かあるのかもしれません、クロフォード家に接触して調べてみます。」

「頼んだぞ、アマーリエ!こちらも出来る限りの事を
して何とかそちらにいける様にする、それ迄
調べを進めていてくれ!」

「解りました!」

ロッテとアマーリエは地下から入口近くの
応接室に戻るとドアをノックする音がした

「こんな夜更けに誰だろぅ…?」
「私が出よう」

いつの間にかメイド服に着替えたアマーリエが
入口に向かい、扉を開けた。

「どちら様でしょう?」

扉を開けるとドアに挟まっていた手紙が
ヒラリと落ちた。
手紙には王都の川沿いにある酒場で待つと
書かれていた。

「これは…罠でしょうか?」
「だが、無視はできん行ってみよう」

ロッテとアマーリエは酒場に着くと
店内はガヤガヤと賑わい酒を酌み交わす
町人や旅人達で溢れていた。

ーー呼び出した相手は誰だろう?

ロッテとアマーリエがカウンターに向かうと
一人の女が近づいて来て、付いて来る様促した

ーー油断するなよロッテ
ーーはい!

ロッテはいつでも魔道具が使用出来る様
バックの中に手を入れ警戒しながら
女の後を付いて行く。
女はどんどん地下に降りていき
地下水路に出た。

ーー地下水路?何でこんな所に?

地下水路に着くと女は魔道具を取り出した

「最初は少し揺れます、ご用心下さい」

すると床から魔方陣が浮かび上がり
床が勝手に進み出した。

ーーわっえっ?床が動いてる?こんな魔方陣見た事ない
古い時代の物かな…

しばらく進んだ後、青い扉の前で止まった。
女はまた魔道具を取り出し扉を開けた。

「どうぞ、こちらです。」

ロッテ達は扉の中に入り階段を登ると
また扉が現れた

「失礼致します、お連れしました」
「入れ」

扉の中は煌めくシャンデリアにテーブルとソファー
美しく整えられた調度品が飾られた応接室だった

中に居たのは厳しい顔をしたアッシュグレーの髪に
ブルーに紫がかった瞳の40代位の男と

同じ瞳の色をしたブロンドの若い
優しげな顔立ちの男が立っていた。

「こんな形でお呼びたてして申し訳ありません
立ち話も何ですからお座り下さい。」

ブロンドの男に促されロッテとアマーリエは
ソファーに座った。

「貴方方はどなたでしょうか?」

ロッテは恐る恐る聞いてみた

「申し遅れました、
私はジェイデン・ルイス・クロフォード
こちらが父のアレクシスです。」

「クロフォード!?セシリアの、お父様とお兄様!!」

驚くロッテとは対照的に冷静にアマーリエが
切り出した

「何故ずっと身を隠してらっしゃったんですか?
今、セシリアはディボルド学園長の
手に落ちています。」

「…知っているまさかこんな強硬手段に出るとは
我々も予想外だった…」

「どうして!どうしてセシリアを放っておいたんですか?」

「落ち着きなさいロッテ、訳をお話し頂けますか?」

ジェイデンは頷き話し始めた
「現在、エデルフィアは
第1王子派と第2王子に分かれて跡目争いが
起こっています、第1王子派は強硬派と呼ばれる
学園長と貴族達です、この者達は妖精やアカデミーで
作られた魔道具を密売ルートに流して私腹を肥やして
いる、この様な者達に国を任せる訳には
いかない…
我々は密かに密売ルートを調べて
証拠を集める為に身を隠していました。
セシリアもすぐに迎えに行きたかったが…
動ける状況では無く…賢王と呼ばれるリングフォレストの王の元に居た方が安全だと考えたからだが…
まさか…」

「跡目争い?国王はまだご健在だったはずでは?」

「えぇ…1年前、突然現国王が病で倒れられた
今も危険な状態が続いている。エデルフィアでは
第1王子に継承権がありますが、この王子が少し問題ありで…」

第1王子は幼い頃から極度の人嫌い
感情を一切表さず
殆ど誰も声を聞いた事が無い為
人形王子と呼ばれていた

学生時代に妖精研究に興味を持ち
成人した今も研究を続けていて
殆ど部屋に篭っている

政治にも関心が無く王位にも興味を持っておらず
公の場にも姿を現さないので
国民も第1王子の存在を知る者が少なかった
その為、第2王子が即位する事でほぼ
話は纏まっていた

「何故、今になって跡目争いを?」
「それは…セシリアの事件が発端です…」
「セシリアの?」

セシリアの事件が起こるまでは
次期宰相に最も近い人物として
アイリーンの父が有力視されていた。

父アレクシスの頼みで
セシリアの姉アレクサンドラが
第2王子と結婚する際には
後見人となる予定だった。

だが、アイリーンの件を受け
アイリーンの父だけでなく、政治に関わる
多くの令嬢達の父も第2王子派の圧力で
失脚した。
アレクシスと親交の深かったアイリーンの父も
罪を犯した娘の父が後見人になるとアレクサンドラの
名前に傷がつくと、政治の世界から
退き今は領地で静かに暮らしている。

「セシリアの事件が政治のパワーバランスを崩して
政治に興味の無い第1王子を担ぎ出し傀儡にして実権を握ろうとする輩が出て来た…という訳ですか?」

ジェイデンは厳しい顔で頷いた。
「第1王子を担ぎ出したのは学園長と繋がりのある貴族達だ、彼等は我々クロフォード家がいよいよ
政治の世界に進出してくるのではと恐れ、第2王子と
アレクサンドラの結婚を反対している。」

エデルフィアで最も力のあるクロフォードだが
これまで一貫して政治には関わって来なかった
クロフォード家は様々な公共事業を請け負い
エデルフィアの発展に貢献し
母エリシアは慈善家としても知られ
エデルフィアの国民からも人気が高い。
そんなクロフォード家が政治の世界に出て来ては
勝ち目が無いと、何かと理由を付けて
アレクサンドラの結婚を反対されていた。

「その者達がセシリアを攫ったという事ですか?
でも何故?」

「動きの読めない我々に痺れを切らした第1王子派は
ある条件を出してきた、何処で調べたのか…
5日後に開かれるアレクサンドラと第2王子の
結婚を決める会議で、クロフォード家が全員出席して
アレクサンドラの結婚に賛成し、会議に参加する
貴族達の承認と現国王の承認を得られなければ、
結婚は白紙だと言ってきた。
かなり昔に作られた法で、今は行う事は無いが
法で決められている以上は無視できない」


「でも何故、アレクサンドラ様の後見人に
なられないんですか?
きっとクロフォード家の方がアレクサンドラ様の
後見人になると言って下されば
文句を言える貴族はいないはず…」

少しの沈黙の後アレクシスが重い口を開いた
「…力のある者が上に立ったからと言って、全てが
良くなるとは限らない、何事も過ぎるという事は
良からぬ軋轢を生じる、クロフォード家は力を持ちすぎた…力がある者が上に立てば力の無い者は
何も発言出来ずいつしか独裁政治が始まる…
それだけはあってはならん…」

「では何故、アレクサンドラ様のご結婚を許されたのですか?」

「それは…いずれ話しましょう。
今はセシリアの奪還が優先だ、私達は学園長の妖精の
密売ルートを探っていてほぼ、証拠は
抑えたと言っていい、だが学園長達を
押さえ込む為の最後の決めてが後一歩、足りないんだ
そこで、頼みがあるリングフォレストでも
妖精の密売は問題になっているはずだ、我々は
アカデミーの学園長がディボルドと繋がりがあると
睨んでいる、だが我々はリングフォレストには
行く事が出来ない…君達ならアカデミーに
侵入する事が出来るはずだ、こちらからの
協力は惜しまない!
お互い悪い話ではないだろう?」

「解りました、そういう事であれば王も協力されるはず、急ぎリングフォレストに帰りご連絡します。」

「良い知らせを待っている」
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