第六話 日常の幸福
ようやく全ての授業が終わり残すは掃除のみとなった。
ゴミってものはどれだけ処分しても何度も湧いてくるから困ったものだ。
「すぅいまっせ〜ん!!おっくれましたぁぁ!!」
…ほらみろ、朝片付けたゴミがまた湧いてきた。それに今更来ても授業終わってるぞ。
「って!誰がゴミだ!誰が!」
このうるさくて鬱陶しいテンションの男は 春野 七月
認めたくないが僕の双子の兄だ。正直うざい。
「うざいは無いだろ五月!おまえももっとおにいたんを敬え!」
少し生まれる時間が違っただけの差で敬わなければならないとは理不尽な世の中だ…
それに、おにいたんって…頭に蛆が湧いているのか?男が言うと気持ち悪いな…
「ちょ、ちょっと噛んだだけだから!全然変なことなんて考えてないから!
別に五月に可愛く恥じらいながら、{ねぇねぇおにいたん…だぁいすきっ!}
なんて言って欲しい訳じゃないから!いや、マジだって!本当に
{おにいたん…怖くて眠れないの…だから、だからね…さつきもいっしょにねてもいい?}
なーんて言われてその後一緒に寝る五月にいたずらしちゃうぞーデュフフ
…なんてことも考えてないから!かんがえてないからぁ!!」
すごい…言葉と表情だけでここまで気持ち悪さを表現できるとは…
というかどんどん墓穴掘ってるぞ、この馬鹿…
ってか、何で妹じゃなくて僕なんだよ…
「「そんなの決まってるじゃないか!五月が可愛すぎるからだぁぁ!!」」
二人の変態の台詞が被った。変態の一人三月は先程冷凍室に吊るしてきたはずなのだが何故いる…
「ずいぶん遅い登校だな、お義兄さま。まぁ、そのおかげで五月と濃厚な蜜月を過ごすことができたが」
何、話を捏造してんだ変態。お前は黙って泉でピラニアと戯れてろよ。
「ふんっ!貴様にお義兄さまなどと呼ばれる筋合いは無いわ!この泥棒猫がっ!」
いつから僕はお前のものになったんだよ。お前は一生竜宮城でヒラメとでも踊ってろ屑が。
「ふっ、お前と愛する五月は男同士の上、血も繋がっている。当然私の方が五月を幸せにしてやれる」
「はんっ、男同士?血が繋がってる?だぁから、どうしたぁっ!俺の、この俺の五月への愛!はなぁそんなもの如きで
阻むことなんて出来はしないんだよぉぉぉ!」
「あっ、五月君そういえば私と同じ掃除場所だったね。一緒にいこっか」
「そうだな、変態は放っておいて真面目に掃除するか」
未だ言い争っている変態を放って結と掃除場所を目指す。
「ねぇ、五月君今日は本当にありがとうね」
歩きながら申し訳なさそうにお礼を言う結。
「僕は別に何回もお礼を言われるほどのことはしてないんだがな」
僕が気絶した結を保健室に運んだことへのお礼なのだが、休み時間の度に言うほどの事だろうか?
「うぅ…しつこくてごめんね…でも、私五月君に運んでもらって凄く嬉しかったから。私重くて運ぶの大変だったでしょ?」
結がしょんぼりとしてしまったので、急いでフォローを考える僕。
「いや全然気にしてないから。それに、結は重くなんてなかったぞ。うん」
重さより運び方を考える方が一苦労だったとは言わない。
「ホントに?気を使わなくていいんだよ?」
そう言って疑うような目つきで首を二回スパイラルさせて僕の顔を覗き込む結。結なりの首の傾げ方だ。
「ほ、本当だ。羽のように軽く、綿のようにフワフワした体だったぞ」
フォローに必死で訳のわからないことを言う僕。フワフワってどちらかと言うと感触だろうが。僕は変態か。
そんな必死な様子が面白かったのか、ただ僕をからかっていただけなのかクスクスと笑う結。
やはり、結には断然笑顔が似合う。僕も自然と笑みが浮かび、二人で笑い合う。
こういう日常の何気ない瞬間を体験したとき、僕の日常も捨てたものじゃないなと実感できる。
そんな楽しい気持ちのまま目的の部屋に着き扉を開ける。
「「待っていたぞ、五月!!」」
その後待ち構えていた変態二人も掃除しておいた。ダストシュートが詰まったそうだが知ったこっちゃない。
更新速度遅くしてでももう少し文章を練った方がいいでしょうか。
自分で書いておいて何ですがキャラがまともだったら酷い文章のような気がします。
何れ、普通のラブコメにも挑戦したいです。