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非日常は敵ですか?  作者: TS
第一部
27/40

第二十一話 嘘は良くない

 三月と共に教室に戻ってきた僕。

えっ、三月は保健室に置いてきたんじゃないかって?


…はぁ、何を言ってるんだか。

僕は今屋上から戻ったばかりだし、剣野が壊れたなんて知らないから。


そうやって扉の前に立っていると、すごい勢いで扉が開かれた。


現れたのは剣野。

その剣野の顔はどこか驚いているようだった。

驚きたいのは僕の方だ。何でもうここにいる。


「春野五月、一体どこに「はいはい、めんごめんご」


剣野を適当にあしらい教室に入る僕。

教室を見渡し目当ての人物を探す。


…いた。


結も千早も席に座っている。


しかし、千早は僕に気付くと安堵したように息を吐いたのに対して、

結は俯いたままこちらを見ようともしない。


どうしたのだろうか?

気になった僕はゆっくりと結の席へ近づいていく。


なんだろう、近づく度に身体が重くなるような…


僕は身体を引き摺るように結に近づいていき



「お願い!群子むれこちゃん!」


結が叫ぶように誰かに呼びかける。


瞬間、地面から二本の腕が生え僕の足を拘束する。



「なっ!?」


「ようやく捕まえたよ。五月君…」


俯いたまま立ち上がる結。

いつもの結には無いどんよりとした負のオーラを撒き散らしている。


僕はそんな結が怖いので距離を取りたいのだが、

僕の足を掴む二本の手がそれを許さない。


この手はおそらく僕のクラスメートであり、結の親友の 窓手まどて 群子むれこだろう。

彼女?(見たところ女性の手)は二本の腕だけの存在であり、普段は床に溶け込み隠れている。

時々気付かずに踏まれたりする彼女の生態は謎であり、僕は一度も会話を交わした事が無い。


…というか、結といる時も結が独り言を言っている様にしか見えない。


机から生えた腕と会話する、ろくろ首のような結。


物凄いシュールな絵面だ…


なんてのんびり考えている場合じゃない。

今の結はやばい。屏風の虎が飛び出してくるのよりやばい。

そう僕の生存本能が警鐘を鳴らしている。



「ねぇ、五月君…私がどんな思いで待ってたかわかる?


あの時、頭に血が昇って酷い事しようとしちゃったから、


私、教室でずっと反省してたんだよ?なのに、なのに五月君は、


三月ちゃんと二人保健室でっ…!!」


顔を上げた結の表情は、まさしく現代に生ける鬼といった様相を呈していた。

その顔を見た瞬間、僕の足は震え無様にも尻餅をついてしまった。


結の首は次第に長くなり僕の周りを囲み始めた。

僕は怯えて声ならぬ声を漏らすことしか出来ない。



「何か申し開きはあるかなぁ、五月君…?」


にたりと口を歪め最後の慈悲とばかりに質問する結。


何故保健室での事を知っているのか分からないが、ここできちんと説明すれば助かる筈だ!


ひり付く喉を酷使し声を絞り出す。


「実は、僕は「エロい事をしてたぞ」


三月ぃぃいい!!!

余計な事言うんじゃねぇぇぇええ!!

ミキサーの中に放り込むぞ!!



結は眉をぴくりと動かし、能面のような表情になる。



「三月ちゃんは黙っててね…。今は五月君に聞いてるから。


三月ちゃんは後で…ね?」


「ひゃ、ひゃい」


さしもの三月すら、今の結には逆らえないようだ。

がくがくと震えながら首を何度も上下させている。


「五月君…もう一度聞くよ?


申し開きは…ある?」


ここで選択肢を間違えたら地獄への片道切符を自分の命で支払う事になる。


慎重に答えなければ…



「え、えっと三月とは偶然保健室で会っただけで何も「うそ」


「へっ?」


「五月君、嘘吐きはどうなるか知ってる?閻魔さまに、


舌をね 抜かれちゃうんだよ」


「うわぁぁぁぁぁぁああああ・・・・・・・・・





あがっ」



ぐちゃ










ほらね

















              BAD END
























嘘です。


       コンティニューしますか?






総表示回数が50000を超えました。有難うございます。

50000ともなるとお礼に何かしたいのですが、

せいぜい、いつもと違う話を書くかクォリティを向上させるぐらいしか思いつきません。

ただでさえ、最近は文章が駄目になってきているので、色んな意味でお返しがしたいです。

もし、これをやって欲しいという希望があれば気軽に感想の所にコメントを書き込んでいって下さい。

作者の技量の可能な限りで頑張ってみます。


読者の皆様ありがとうございます。

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