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非日常は敵ですか?  作者: TS
第一部
26/40

第二十話 剣野ご乱心

 三月と共に教室に戻ってきた僕。

しかし、僕は扉の前で立ち止まっていた。

先程、休み時間になったので剣野も僕を探していることだろう。

剣野が怒り狂い僕を探す姿が目に浮かぶ。


……こ、怖すぎる。



そうやって躊躇っていると、すごい勢いで扉が開かれた。


現れたのは鬼神剣野様。


ひぃっ!?剣で真っ二つにされる!?


身を縮め怯える僕。

しかし、剣野の顔はどこか驚いているようだった。



「春野五月、一体どこにいたのですか!心配しましたよ!」


…心配しました?心肺を停止させたいじゃなくて?


僕がそう疑問に思っていると



「…私もあれから色々と考えまして頭が冷えました。


とりあえず、あなたを探すのは続行しようとは思っていたのですが、


どこにも見当たらず、叶野さんも戻ってきませんでしたし、


何か有ったのではないかと…」


…何が心肺を停止させたいだよ。

剣野は僕の事を心配してくれてたっていうのに、

僕は怯えて真っ二つにされるなんて妄想を抱いて、

本当に恥ずかしいよ。


…真っ二つにされかけたことは何度もあったけどね。



兎に角、心配掛けたことを謝ろう。



「剣野、その…心配掛けて……ごめんね」


剣野にこうやって謝るのは初めてだから少し照れてしまった。

でも、僕の気持ちは伝わったよね。

剣野の姿を見れば分かる。


だって、剣野は


何故か鼻血を吹いて倒れた。


凄い量だった。絶対放っておけば死ぬ量だ、これ。



「って、やばいじゃん!ええと、保健室に―――」

混乱している僕。早くしないと剣野が


「いえ、私はらいじょぶれす」


全然大丈夫じゃないから!

呂律も回ってないし、鼻血も止まってないよ!

ちょ、何でやけに上を見てるのさ!

何か見えてるよ絶対!お爺ちゃんとかと再会してるよ!



「・・・へっ、わ、私ですか・・・ただの通りすがり象牙職人ですから、


グリュテヒュヒユカ三世じゃありませんよ・・・ぐふっ」


ちげぇよ!剣野は象牙職人じゃなくて委員長だから!

後、そう簡単に象牙職人は通りすがらねぇよ!

グリュテヒュヒユカ三世って誰だよ!

そもそもグリュテヒュヒユカ三世って言い辛いんだよ!!



……グリュテヒュヒユカ三世、グリュテヒュヒユカ三世、グリュテヒュヒユカ三世ッ!!


しゃぁぁぁぁぁぁあああ!!!



「…五月、脳内で叫んでいる暇が有ったら保健室に運んだ方がいいと思うのだが」


少し呆れたように言う三月。


三月にまともな事を言われると凄いショックだ…



その後、剣野をマグロのように保健室に運んだ僕ら。


でも結局、どうして剣野はあんなに鼻血を出したのだろう…?


意識を取り戻した剣野は三月にこう語ったという。


上目遣いで顔を赤らめながらの、ごめんねは反則だった。

特に普段とのギャップも相まって犯罪級の可愛らしさだった。

抱きしめようかと思ったが、何とか自制した自分を褒めてやりたい。

私はもともと、可愛いものが大好きだった。



そう供述したという剣野は今は落ち着いていた。


雰囲気もいつも通りになっているし問題ないだろう。


「剣野…大丈夫?」



「やぁ、御機嫌よう、さっきゅん。今日もとってもラブリーだねっ♪」


問題だらけどころの話じゃねぇ。

何だよこのキャラ…新キャラかと思っただろうが。

勘違いさせたお詫びに防護服無しで宇宙にでも行ってこいよ。



「どうちたのさっきゅん。


お姉ちゃんが抱っこしてあげちゃうぞぉ〜デュフフ」


くねくねと身を捩じらせながら不気味な笑みを浮かべる剣野。


気持ち悪いを通り越して、きも神様がご降臨なさってるよ…

警察を呼んだら現行犯で逮捕してくれそうだ。



「よーし、三月お姉たんも抱き抱きしちゃうぞ〜ぐひゃひゃひゃ」


お前は黙ってろ雌豚が。


しかし、哀れな変態に強く言うのも可哀想だ。

ここはオブラートに包んでやろう。



「三月ちゃんは黙って泥水でも啜ってろよカスが」


満面の笑みで言ってやった。

あ、名前を呼んだ段階でオブラートが破れてたよ。

失敗、失敗。てへっ。反吐が出る。



部屋の隅でジメジメといじける三月と、きも神剣野を放置し教室に戻る僕。


ついでに去り際に職務怠慢の保健医に言いたい事を言っておく。



「三十代独身って売れ残りのクリスマスケーキより憐れですよね」


もちろん、フォローも忘れない優しい僕。



「三十代っていっても、もうじき四十ですけどね。がんば!」


部屋の湿度が上がったが僕の知った事じゃない。




…すっきりした。






・・・コメディーってどう書けばいいんですか?何を書いたら面白いのかさっぱりです。

剣野が壊れるのはこの回だけです。次回には治ってるはずです。多分。というか、三月とキャラ被ってますね。

なんかシリアスばかり書いてて作者も壊れたようですね。


お読みになった方々、すいませんでした・・・

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