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非日常は敵ですか?  作者: TS
第一部
20/40

第十五話 非日常な日常

 …どうやら、外にでられたようだな。

これで、実はまた夢の中で無限にループしてるとかだったら目も当てられない。

まぁ、流石にそれはないだろうけど…多分。



「ふぅ、やっと外に出られましたねぇ〜。


また扉の中の世界だったらどうしよう、とか考えちゃいましたよ」


どうやら、依緒も似たようなことを考えていたようだ。


さてと、何時までもそんなことを考えていても意味がない。

とりあえず今は何時なのだろう?


僕は携帯を持っていないので依緒に確認してもらう。


「えぇっと、今は…入ってから一分もたってないです。


どういう事なんでしょうか?少なくとも一時間は経った気がしたんですが…」


おそらく、扉の中の時間感覚が外とは違ったのだろう。


あのまま、ずっと中にいたら、浦島太郎さながらのお爺ちゃんハプニングが発生していたことだろう。


……こわっ!



「…と、とりあえず教室に戻りましょうか。授業も始まりますし」


額に汗を浮かべナイスな提案をする依緒。


確かに教室には戻らないといけないな。


今、僕は無性に皆に会いたい気分なんだ。



教室を目指す僕達二人は依緒とは学年が違うため階段のところで足を止めた。



「…先輩。私は何時でも先輩の味方ですよ。忘れちゃ嫌ですからね…?」


そんなの大切なこと忘れる筈がないだろうに確認を取る依緒。


そんなに僕は信用ないだろうか…?



「あっ、そうだ!先輩が絶対に忘れないように、とっておきのおまじないをしてあげますよ」


おまじない?一体何だろう…?


僕が不思議に思っていると、



頬に柔らかい感触。



…っていま、キスされた!?


「っつ!!」

頭に血が集まる。

今の僕は、もぎたてトマトよりも赤い顔をしているだろう。


「じゃ、じゃあ、私はもう行きますねっ!


私のこと忘れちゃだめですよぉ〜」


頬を赤く染め逃げるように走っていく依緒。


僕はそんな依緒の背中を呆然と見つめていた…




「…あなたが教室にいなかったので、心配して探していましたが


よもや、可愛い後輩との逢瀬を楽しんでいるとは思いませんでしたよ…


しかも、校内であのようなふしだらな事をしているとは…!」


背後から般若も裸足でスタコラサッサと逃げ出しそうな鬼神剣野様のお声がした。



「五月よ、私という妻がありながら年下の女に走るとは…そんなに欲求不満だったのか!?」


剣野様の横にいた三月が訳の分らないことをのたまう。…何時ものことだけど。


…それと三月よ。いつお前が僕の妻になった。


後、僕は欲求不満でもないぞ。


…ほらみろ、お前の余計な発言で鬼神様の更なる怒りを呼んでしまったではないか。



「五月君…やっぱり、重要なのはあの二つの大きな脂肪の塊なんだね…?」


またもや、結は変な誤解をしている。大切なのは大きさだけじゃないのに…!


というか、結さん、そんな光を灯さない暗い瞳でじっと見ないで下さい。とても怖いです。



「・・・・・・・・・・」


何も言わず僕を見つめる千早。


しかし、十本の触手はゴーゴンの髪のように不気味に蠢いている。


…捕食するんですか?僕を捕食するんですね千早さん。



「・・・ウホ・・・ウホホ、ウホゥ・・・?」


悲しそうに僕を見つめ、信じられないといった風に問いかけるゴリラ。


何でゴリラの反応が一番ヒロインっぽいんだよ…



「キス………いいなぁ」


怖いから!お前にはリアルで恐怖を感じるんだよ!


…なぜ近寄ってくるのだ要よ。




「反逆者、春野五月には重い刑罰が必要だと思われます。主に死刑ですね。


皆さんもそれに異論はありませんね?」


民衆を扇動する革命者のように厳かに判決を下された剣野様。


死刑だなんてそんなの賛成な訳が



「「「はいっ!」」」「ウホっ!」「・・・!」


満場一致で死刑!?


いや、異論滅茶苦茶あるから!


何でこんな時だけ一致団結するのさ!?


その団結力はもっと学校行事の時に発揮しろよ!


何ここで無駄遣いしてんだよ!



うぅ、何故こんな事になったのだろう…


学生の本分は勉強だと言うのに、


何故この人達はこうもバイオレンス志向をお持ちなのでしょうか…?




「それでは、神にお祈りは済みましたか…?春野五月」


まるで女神のように慈愛に満ちた笑顔で死の宣告を下す。


残念ながら僕の神はちょっと前に死んだんだよ!



くそっ、こうなったら切り札を使うしかあるまい…!


僕の十八番であり、最終手段。



秘儀!三十六計逃げるに如かずっ!



「あっ!罪人が逃げました!皆さん追いかけますよ!


春野五月!何故神の裁きを受けないのですか!!」



何故じゃねぇよ!死にたくないから逃げるに決まってるだろうが!


というか、神に祈らせておいてその裁きは神が下すのかよ!


どんな鬼畜神だよ!鬼神と鬼畜神のコラボレート!?


全く勝てる気がしねぇ!




全速力で校舎を逃走する僕。


はぁ、はぁ…


く、くるしい…


…でも、どうしてなんだろう。


こんなに苦しいのに


こんなに怖いのに



楽しくてたまらない。


こんな、非日常な日常が楽しくて、思わず笑ってしまう。



捕まったらきっと無事では済まないだろうなぁ…


あいつらも本気みたいだし…



でも、負ける気がしない。


今の僕は自信があった。


絶対に逃げきってみせる。



だって、今の僕には、後ろ向きな勝利への自信が満ち溢れてるから。





…情けないとは言わないでほしい。わかってるから。


あと、追いかけられて楽しいというのは


いつもの非日常を久しぶりに感じた気がして


そう言っただけであって


僕がマゾとか、そういうことではないから!




……ほんとうだよ?








次はシリアスになると言っておいて微コメですいません。

次は本当にシリアスっぽい話です。コメは多分無いですがラブはあります。少し危ないラブです。

あと、気が付いたら小説というものを書き始めてから一週間以上経過しておりました。

読者様の御評価や御感想、沢山のアクセスが無ければ、飽き性の自分は二日目ぐらいで書くのをやめていたでしょう。本当に有難い限りです。

とりあえず、今後の目標はもっと文章力を付ける。ラブコメ的要素を増やす。更新をさぼらない。の三つですね。本当はもっと有りますが、きりが無いので三つにしておきます。

それでは、次の話を頑張って書きますので、次話でまた会いましょう。

ありがとうございます。


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