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非日常は敵ですか?  作者: TS
第一部
14/40

第十話 日常の要

 所はいきなり学校。

ぼんやりと、今日の朝の出来事を考える。

七月はもう元気っぽかったし、鬼ごっこの結果もいつも通り半分は勝ちといったところ。

まぁ、最悪の結果は免れたから良しとしよう。と、無理やりポジティブに考える僕。


そうでもしないとやってらんない。

三月で憂さ晴らししないとやってらんない。

今日も三月はよく燃える。燃えろ燃えろ。ふはははは。

なんだかんだで三月の事は嫌いじゃない。下衆な僕。

ちょっとしたキャンプファイヤー気分を味わい大満足な僕は教室に戻り席に…


物凄く着きたくない。

隣に物凄く積極的な野生動物がいるからだ。

いつも、ちらちらとこちらを伺っており、そちらを向くと慌てて眼を逸らす。

お昼の時間には、そっぽを向いて照れたように僕にバナナを渡す。

帰りはもじもじとしながらも一緒に帰ろうとする。

…何この主人公に思い寄せるヒロインのような立ち振る舞いは。

ここまで好意が丸分かりなのも珍しい。


でもゴリラ。どうやって見てもゴリラ。何があってもゴリラ。


触手があろうが、首が長かろうが、変態だろうがまだ許せる。

でもゴリラは何か駄目だ。生理的に無理だ。

ひょっとしたらトラウマでもあるのかもしれない。

だから、席に着かず時間を潰す。

とりあえず、結が一番話しかけやすい。

それに今は癒しが欲しい。


「おはよう、結」

結に、にこやかに挨拶する僕。


「……」

なぜか無言のジト眼で睨まれる。


「…えっと、きょ、今日もいい天気だな〜…

こ、こんな日はキャンプファイヤーに限るな、なんちゃってー…」

重苦しい雰囲気に耐えきれず放った、僕渾身のボケは舌うちで返された。


うぅ、そんなキャラじゃないだろう結…


「…昨日はずいぶん剛田さんと楽しそうだったね。


剛田さんにデレデレしちゃってさ。


五月君は結局、三月といい、剛田さんといい大きければそれでいいんだね…!ふんっ」


ってものすごい誤解してるから!ぜんぜん違うから!

大きければいいってものじゃないから!三月のはともかく、

ゴリラは対象外だから(二回目)!形とかちゃんと拘りあるから!!

いやいやいや!大きい方が好きって訳じゃないから!

大は小を兼ねるっていうけど、小には小の味があるから!!

それは、それでいいから!!!むしろ…

ち、違うって変な意味は一切ないから!

そ、そう!結は可愛いからそんなもの必要ないんだよ!

結は滅茶苦茶可愛い!くりくりした目とか、ふわふわな髪とか、

柔らかそうな唇とか、長くて便利な首とかすごい好みだから!


その後、結の可愛らしさを語り続け、結の機嫌は回復したようだ。


代償として、教室中からゴミを見るような視線をいただくことになった…


予鈴が鳴ったのでしぶしぶ席に戻る僕。


…こっち見んなゴリラ。


「おっす〜。皆元気かー」

教師にしては軽い挨拶で教室に入る 木田きだ 木田男きだお(独身)

僕らの担任であり、基本適当人間だ。


「実は昨日もう一人転校生がいたんだがすっかり忘れてた。


ってわけで、はいってこーい」


忘れてたって酷いにもほどがあるだろ…

木田(呼び捨て)は滅茶苦茶適当に転校生を呼んだ。


入ってきたのは


昨日の朝、ヤンキーから助けた斎賀 要だった。


…ゴリラの次だと何の驚きもない。

教室の生徒も特にリアクションは無い。

その上、木田には忘れ去られていた。


少し哀れだ。


しかし、そんな転校生は物凄く、にこにことしていた。

今日こそが人生最良の日であるとでも思っていそうな満面の笑顔。


「どうも〜。ボク斎賀 要で〜す。よろしくねぇ〜」

…こんなキャラだったか?


「…あ〜、席はあそこの春野の後ろだから」

木田も珍しく若干引いてる。


転校生はスキップしながらこっちに近づいてくる。

…手が皆にぶつかってるぞ。


僕の後ろに座る転校生。

…何だろう後ろからすごいプレッシャーが。


「また会ったね、春野君。ボクの事は要って呼んでね。これからよろしく。ふふっ」

耳元で囁く要。背筋がぞくってした。


……こいつ何か怖い…。







ここからはなるべくラブコメを維持しつつ新ヒロインを増やそうかと思ってます。

基本文章力があれなんでキャラでカバーです。

カバー出来てなくても気にしません。

次は十一話になると思います。頑張ります。

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