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非日常は敵ですか?  作者: TS
第一部
10/40

第八・五話 ななちゃん


ここから先の話は読み飛ばしていただいて構いません。

今までと雰囲気が違いますので、ラブコメを期待する方は第九話へ飛ばれた方がいいかもしれません。

 ここは俺の部屋。

俺の宝物はPCとゲームと本とフィギュア。

五月はマイエンジェル。これは、決定事項なり。


そんな俺は、ベットで眠っていたようだ。

少し頭がぼぅっとするし、全身には酷く汗をかいている。


何か悪い夢でも見ていたのだろうか?首をかしげ思い出そうとする。

…思い出せない。なら、大した夢じゃなかったのだろう。

そう結論付け起き上がる。喉がすごく乾いている。


とりあえず水でも飲もう。部屋から出ようとドアノブに手をかけ


「ななちゃん」

声がした。ドア越しのくぐもった声。

脳が停止したかのように、身体が停止する。

何も考えられない。頭が真っ白になる。


「ななちゃん。いるんでしょ?」

また声。聞くと同時に、脳が活動を始める。

瞬間、全身から冷や汗が噴き出る。

呼吸が乱れ、胸が苦しくなる。

脳に酸素が供給されず、脳の活動が妨げられる。

自分の力で立つことさえ難しくなり、

思わずドアにもたれかかりそうになるが、身体がそれを拒絶する。

まるで、ドアそのものが恐ろしい醜悪なものへと変容したかのよう錯覚すら覚え


「ななちゃん。いるなら開けてよ」

声。何も考えられない。

何も考えたくない。

脳が声も存在も拒絶しようとしているのに。

その声は邪魔をする。



ドンッ!!

「ななちゃん。開けて?わからないの?」

扉を強く叩く音。声は心底不思議そうに。

答えてはいけない。脳は警鐘を鳴らす。


ドンッ!!ドンッ!!

「ななちゃん。開けて。ねぇ、開けてよ」

抑揚のない声。先程より強くドアを叩く。

答えたら、開けたらどうなるのか。

つれていかれる。

床にへたり込み、喘息のような荒い呼吸を繰り返す。

無音の時間が続く。ドアの向こうには気配。

心臓の音がうるさく感じられる。

心臓は早鐘を打ち、耳はドクッという心音で埋め尽くされる。





ドクッドクッドクッドクッドクッドクッドクッドクッドクッ

ドクッドクッドクッドクッドクッドクッドクッドクッドクッ

ドクッドクッドクッドクッドクッド




「開けろ」

ひくいおとこのようなこえ


ダンッ!!ダンッ!!ダンッ!!

肉を力任せに叩きつける音。ドアが軋む。

それに対して震えることしかできない。

段々とドアを叩く力が強くなっていく。


「ねぇねぇななちゃんあけてよぉ

あけてくれたらとってもいいものをあげるよぉ

ほらほらはやくしないとむりやりはいっちゃうよぉ」


ダンッ!!ダンッ!!ダンッ!!ダンッグチャ、ダンッグチャ、グチャ グチャ


ドアを叩く音に柔らかな肉片をぶつけるような不快な音が混ざり始める。


「ななちゃんななちゃんななちゃんななちゃん

あけてあけてあけてあけてあけてあけて」

グチャ、ダンッグチャ、グチャ グチャグチャ グチャ

呪詛のように言葉を繰り返す。

ぶつかり飛び散る音。


声と音に怯えながらも、

頭のどこかで冷静に見ている自分がいた。

外の存在を恐ろしく思う理由は、相手が何なのかわからないからだ。

でも、本当にそうなのだろうか。本当はわかってるんじゃないのか?

頭に靄がかかったようにまともな思考が出来ない。

いや、出来ないんじゃなくて、していないだけなんじゃないか?

よく考えればわかるはずだ。

だって俺をその名で呼ぶのは一人だったはずだ。

そう


「桜だよ。ななちゃん。そうですワタクシは

ななちゃんさまの妹君のさくら。さくらでございます

ななちゃんななちゃんいたいよくるしいよどうして

こんなひどいことをするのたのしいやめてやめて

ごめんなさいごめんなさいゆるさないもういや

もういやころしてころしてしんであはははははははははははははははははは」


うわぁああああぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!

脳内が誰かの絶叫で支配される。

聞きなれた声。

気が付かない内にその絶叫は自分の口から発せられていた。


叫び続ける。次第に視界が狭まって行く。

完全に黒に覆い尽くされ、

暗転。




・・・



・・・・



・・・・・



・・・・・・


 …どうやら俺は気絶をしていたようだ。

ぼぅっとした頭を振り段々と思考がはっきりとしてくる。

外にあの気配はもうない。いなくなったのか。

安堵の溜息をつく。ひょっとして夢だったんだろうか?

そうだよな。夢にきまってる。あんなこと有る筈がない。

きっと疲れていたんだ。と言い聞かせ。自らの頬を叩き、

気合いを入れ前を見据え




「ななちゃん、みぃつけた」





――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 …気が付くと俺は、ベットで眠っていたようだ。

少し頭がぼぅっとする。全身に酷く汗をかいている。


何か悪い夢でも見ていたのだろうか?首をかしげ思い出そうとする。

…思い出せない。なら、大した夢じゃなかったのだろう。

そう結論付け起き上がる。喉がすごく乾いている。


とりあえず水でも飲もう。部屋から出ようとドアノブに手をかけ





 声






お読みになった方、駄文すいません。

少しホラーっぽくしたかったんですが、怖がりの作者はホラーをほとんど読んだことが無いのでこんな結果になってしまいました……。


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