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2、喫茶店

2です。

「マスターさん、おかわり!」


「かしこまりました。少々お待ち下さい。」


「それにしてもあなた、よく食べるわね。そんなり食べたりして太らなかったの?」


「ん〜、そんなことはあんまり無かったかな〜、食べて、動いて、食べて、動いての繰り返しみたいものだったからかな? 体重とかを気にするよりも体脂肪率の方を気にしてましたし。」


「ほう、それでどのくらいでキープしてたの?」


「0,1%以下でした、と思います。最近計ってなかったので変わってかもですけど。」


「な、マジで、」


「マジです。」


「マジですか、そ「お待たせいたしました。DXイチゴパフェ、大盛りでございます。」お、おうやっぱ速いね。」


「お、待ってました〜。それじゃあ、いったっだっきま〜す!」


「ははは、ホントによく食べるなー、うん、ホントに。」


「ブラック様、こちらを」


「何かしらこれは」


「双龍様がお召し上がりになった、パフェのお会計でございます。」


「・・・今月はもやし暮らしかな?」


「ご愁傷様でございます。」


「ね、ねえ、値引きはし「申し訳ございませんが、本店ではそののようなことは致しておりません。」さいですか。」


「ん。やっぱり美味し〜、マスターさん!追加で!」


「かしこまりました、またお時間を頂きますね。」


「なんでこうなったのかしらねー、ほんとに、」



===============


双龍あおい、それが私の名前。

私はさっきまでとあるお仕事の途中、何故か中級神格を持つであろう化け物にやられ死んでしまった。最初から危険なお仕事なので覚悟はしていたが、やっぱり自分の番だというと来るものがあるね。しっかし、いつの時代も情報部という奴等は仕事をしないものだな、とつくづく思う。給料泥棒たちめあんな奴いるとか聞いてないよ、ちゃんと仕事してくれ、だ。まあそんなわけ死んでしまったはずなのだが、


「頭ある、手ある、足ある、体ある、胸の穴はふさがってるけど、胸の大きさは変わってない、か。うん、自分で言ってて虚しくなるね。」


私の周りの人たちはあんなに自分を象徴するようなものがあるのに、なんで私だけこうなんだといつも思う。戦う時に邪魔で羨ましいとか言っている人が多いけど私からしたらあんたらの方が羨ましいわ、と叫びたい。


「まあ私の希少価値さんはそのままだということに感謝しましょうか。あんな穴が空いて抉れずに戻ってくるなんて普通ありえないしね。うんそう考えよう。どうせ変わんないんだし・・・。

でもあんな穴が空いて死んでませんでした〜、なんてことは無いだろうし。これはあのテンプレなのかなぁ」


死んだと思ったのに死んでない、そして気づいたら真っ白い空間。これは世に言う有名な異世界転移、異世界転生という奴かも知れない。もしそうなら私の目の前には神様やら、女神様やら、神を自称する偉い人やら、管理者とかいう中間管理職やらがいるはずなんだけど、私の目の前には、


「・・・カフェ?」


赤煉瓦でできたモダンな建物、入り口の前に置いてある小洒落たその看板がその建物を喫茶店だと伝える。喫茶店『ツビッシェン』それがここの名前らしい。


こんなカフェがあったらイスズとか『なにボッとしてるの!今すぐ行くわよ!』とかいって引っ張られてつれてかれるんだろうな〜、まあ私も好きだからいいけど。そういえば、イスズはどうしてるのかな? あの化け物さんは私の心臓を持っていった訳だし直ぐに退いてくれるとは思うけど、無事なのかな?他の子はちょっとどうなるか解らないけどイスズがいるから大丈夫だと思いたい。彼女が錯乱してなければだけど・・・・

いや、してそうだな、うん。


まあ私が何を思おうとも何か変わるとは思えないし、私は私のことを考えよう。つまり目の前のカフェだ。私の勘がここに何かあるといっている。まあ他に何もないしあからさまなんだけどね。というわけで女は度胸!突撃っ!


  ーカランコロ〜ンー



「いらっしゃいませ」


私を迎えたのは、シックな内装のお店だった。外から見た建物の大きさと違い少し小さいが掃除が行き届いていて綺麗だ。誰もいないほど空いているのが玉に傷だが。


「どうぞ、お好きなところにお座けください。御覧のとおり空いていますので。」


私を迎えてくれた人はカウンター越しでカップを磨いていた。50代過ぎだろうか、白髪にモノクルメガネ。そんな紳士なおじ様。そんな彼の特徴を言えと言われれば私こう答えるだろう。頭にある淡い光を放つわっか、背中から生えているだろう純白の羽。そう天使である。

さっきもいったように、女は度胸! もちろん対面のカウンター席に座る。すると、少し驚いたのかちょっとだけ目を見開いて


「こちらをどうぞ、ごゆっくり。」


と言いながらメニューと水をくれた。してやったり。



渡された茶色の革のおシャンなメニューを開くとこんな1ページ目だった。



  ★★★★★★★★★★

    本日のお薦め

     ・異世界転移


     ・異世界転生

        人間

          奴隷

          農民

          商人

          職人

          貴族

          王族

          皇族

        魔族

       ・  

       ・

       ・

       ・

       ・

       ・

  ★★★★★★★★★★


私の勘は正しかったようだ。ビンゴである。あ、ちなみに後半は普通のメニューでした。



普通ならここでぐだぐだこのおじ様にお話を聞いて決めていくのが筋なんだけど、私にはそんなのは似合わない。なんかかっこわるいし。というわけでそっそく注文したいと思います!


「すいません、この異世界転移というのとDXイチゴパフェお願いします。」


「よろしいので?」


「よろしいです。あ、あとイチゴパフェって大盛りできますか?」


「・・・ふふっ、かしこまりました。異世界転移とDXイチゴパフェですね。イチゴパフェの方はすぐにお出しする事ができますが、異世界転移の方は担当の女神の方がいらっしゃるのでもう少しお待ち頂くことになります。」


大当たりのようだ。微笑んだおじ様、かっくいい〜。うんやっぱ惚れたわ。いや冗談だけどね。というわけでその来るらしい女神様を待ちながらパフェとおじ様との談笑という素晴らしい時間を過ごした私。なんでもここで私のような人間が飲み食いしたお代は担当の神様の人が持ってくれるらしい。顔を見たことが無い人、いや神様のおごりなのでがっつけなくて辛いです。『好きなだけ食べていいよ』の言葉に期待しましょう。え、おじ様に見られてるって、い、いや、ほらたくさん食べる君が好きとかあるから大丈夫だと思う、いや思いたい、思わなければならない。だってこのパフェ死ぬほど美味しいのだもん。あ、もう死んでるか。まあそんかこんなでお目当ての方がやってきた。



  ーカランコロ〜ンー


「ゴメン待たせたね!双龍さん!」


入ってきたのは黒髪に黒眼どう見ても日本人の神様だった(おじ様は羽の時点でもう現実離れしてるからまだ解るけどなんか期待してたのと違う)。しかもスーツ着ているせいかなんか凄い仕事できる女オーラが凄い出てる。私とは違う人種だ。あ、相手神か。


「ふふ〜、そんな警戒しなくていいよ。私はブラックって言います。見ての通りもと日本人の神様。よろしくね。あ、マスター私コーヒーお願い。」


「かしこまりました。」


だそうだ。日本人にこんな人がいるとは驚きである。ただ私がひとつだけいえるのはこの人は凄い強いということだ、おそらく私が会った中で一番強い。あの私を殺した化け物さんより絶対強い。いすずとのこんびで戦ってもたぶん一発も叩けずに終わると思う。つまりこの人は怒らしてはいけない人である。そして私の隣に座ってきた。はっきり言って怖い。


「うん、そんなに怖がらなくてもいいからね。ほら好きなだけ食べていいからさ。私持ちだしね。」


「・・・じゃあ、マスターさんおかわりお願いします。」


「かしこまりました。 ブラック様お待たせしました。本日のコーヒーでございます。」


「お、ありがと」


言質とりました。怖い?なにそれおいしいの? 食欲に勝るものなしです。


そう、食欲の暴力が始まる。



===============


「そして今に至る訳だけど・・・、でさ、マスター。今双龍ちゃん何杯目なの?」


「そろそろ30を超えてきた頃かと。」


「どこ入ってるのかしら、見た目全く変わってないのに・・・」


「ふう〜ごちそうさまでした。マスターさん美味しかったです。ブラックさんもごちそうさまでした。」


「はい、お粗末様でした。気に入って頂けてよかったです。」


「あ、うんお粗末様。経費で落とせるかしら・・・ 

 あ、そうそうそれでさっきの話なんだけど覚えてる?」


「はい、たしか異世界にわたるときの特典の話ですよね。」


「そうそう、あなたには絶対必要ないと思うけど制度なのよね。それで何にするのかしら?さっきもいったとおり能力系はあなたの魂の許容量が超えるからナシだけど。」


「『神薙流』のせいですかね〜、それでなんですけど今私が履いているこのブーツを強化できませんか?」


そうやって今履いていた茶色い革のブーツをさす、このブーツ中に鉄板を仕込んであるんだけどそれよりも革のほうが凄い。何と獣型の下級神格の革を使っている、ある意味神器だ。


「ほうほう、これは・・・ってこの革、神格ものの!どこでこんなの手に入れたの!」


「あ、それは、殺して剥ぎ取った的な?」


「お、おう。哀れな奴もいたもんだ・・・、でも素材的には大丈夫だね。ここをこうして、魔と気と霊で神にしっておりょ? 気が無いな・・・、まいっか。うんできたよ? たぶん。」


「で、できたんですか?なにも変わってないですけど。」


「うん、ここから出たら反映されるようにしたから。お楽しみだよ。あ、後ゴメンだけど背中見せてくれない?」


「背中、ですか?」


「うんせなか、私あんまりうまくない方だから、ちょっとね。ちなみそれをしないとあっちの世界で認識されないからついた瞬間に木っ端微塵になっちゃうよ。あ、それとマスター席外してねってもいいないか。仕事速いなホント。」


「木っ端微塵・・・、お願いします。また死ぬのは勘弁です。」


「おっけー、ではでは〜」


そうやって上の服を脱いで背中を見せる。なんか哀れむような視線を感じる。何故だ!


「へー、サラシなんだね。」


「ま、まあ全くないわけですしー、これじゃないとずれて動きにくいわけですしー」


「・・・うん、なんかゴメンね。じゃあさっそく。ほいっと!」


するとなんだか背中のほうが暖かくなった。後なんか違和感がある。


「うん、できた。ちょっと最初の方は違和感があるけどがまんしてね。ついでに私の加護も挙げちゃったから。」


「おおー、それはありがとうです。なんかむずむずしますけど。」


「うん、慣れる慣れる、あ、あともそこから出たら異世界だよ、ちょうどさっきあっち側の調整もすんだみたい。」


そういって出口をさす、ブラックさん。


「お、もうですか。」


「なんか忘れ物はない?」


「う〜んパフェのお持ち帰「ダメ」ですよね〜、じゃあないです。」


「ならよし、ではあなたの冒険をここから見守っていますよ、双龍あおいさん。楽しんできて下さいね。」


「はい!がんばってきま〜す。パフェごちそうさまでした!」


そうやって私はドアを開けた。そして私は温かい光に包まれながら意識を落としていった。

























「行きましたか。」


「そうね、行ったわ。ほとんどな〜んにも聞かずにね。」


「まあ、その気楽さなのでしょうか、そこが双龍様の長所なのかも知れませんね。」


「地上にいる邪神やら、私の加護やら、どんな世界なのかすら聞かないでパフェばっかり、なんか拍子抜けだわ。」


「あなたにしては珍しいですね、アマテラスの力を借りてたった100年で上位神格までのし上がったあなたが。」


「ちょ、それまだ発表前よ! どこで聞いたの!」


「しかも、聖神、邪心、太陽神。全ての神格で加護を授けるとはどういった風の吹き回しですかねぇ。」


「む〜〜、いいでしょ別に!久しぶりの同郷だったんだからぁ〜。」


「はいはい、わかりましたわかりました。お、っとキャラが。次の方までには戻さないと。 さて私は特大モンブランでしったけ、それの準備をしなければ。」


「大変ね〜、わざわざそんなことして。」


「好きなものを思いっきり食べてもらって、思いっきり笑ってもらうそれがいいんですよ。」


「そうっでか。じゃ私は地上のバカどもを蹴散らしてくるわ。邪神が邪神退治ってね。コーヒーごちそうさま。パフェは経費でお願い。」


「かしこまりました、ブラック様。またのお越しをお待ちしています。」


「言っとくけど、その口調気持ち悪いわよ。」


「そうですか? 双龍様は気に入って頂けましたが?」


「どうだか。」


そうして彼女は店を出て行った。その後地上にいた神のほとんどが存在を消されてしまったがそれはまた別のおはなし。


ここの行き方、どなたか知りませんか?


次の投稿は恐らく4月1日

エイプリルフールです。

多分今回よりは書けないので短くなります。


追記 ごめんなさい遅れます。

4月8日になりそうです

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