奴隷のガロ
「やぁー!てぇりゃー!!」
「回復は任せて!」
「私は後ろを!」
「わ、私は援護を!」
「私は~ガンガン行こうぜー!」
「…」
今、ガロはただな荷物持ちをしていた。
(俺はなにをしているんだ?)
魔物との戦いを終えた勇者達は休憩をした。
「はあ、はあ、ふーーう!疲れた!」
清々しい感じに地面に寝転がる能天気な勇者
「勇者!こんなところで転がるな、いつ魔物をでてくるか分からんぞ!」
寝転がる勇者に注意する凛々しい王国騎士団団長 ミラ
「あらあら」
勇者の姿に微笑ましく笑っている王国の聖女 セリア
「ちっ、ちょっと休憩しませんか?」
さっきの戦闘で疲れているメガネ魔法使い マリー
「あははは、私は大丈夫だよ~」
余裕そうにいる武道家 カナリア
「…」
そしてガロ
勇者達の荷物持ち&奴隷である。
(荷物持ちをしているが手錠を外せれない…どうしろと!?)
本当は外される筈だった手錠が鍵を猫に飲み込まれたのだ。
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王国
「さて、手錠を外してやれ」
「は!」
勇者との契約を終えて背中に奴隷の印を付けられた。
暴れる事も勇者達に危害を加えられない。
兵士の一人がガロの手錠を外そうとしたそのその瞬間
「あっ」
「ん?」
兵士がいきなり声を出した声に枷をガロが反応する。
キーン……パクッゴクッ! …ニャー
兵士が誤って鍵を落として近くにたまたま居た猫に食べられてしまった。
「なあ!?おいっ!」
ガロは猫を追いかけるが窓から逃げてしまった。
「嘘だろ!?おい!他に鍵はないか!?」」
ガロは焦って王様に問いかける
「すまん鍵はないようだ」
「くっそがぁ!どいにか外せないか!?」
手錠をガンガン床に叩きつける。
「無理だなその手錠は神獣用だからな、どんなにやっても壊せない」
王様ははあ、という感じにひじ掛けにもたれかけている。
(な、なんだと!?)
「手錠はどうすんだよ!」
王様がビシッ!とガロに向かって指を指す
「仕方ない、そのまま行ってこい」
「はあ!?」
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ということに
(…俺の人生残り手錠生活か)
勇者達との旅も荷物持ちをするだけと考えたガロはガッカリするのであった。