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進化先の選択肢がおかしい件  作者: 紫扇
1章 目玉と触手と狂愛のダンジョン
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08 監禁者

まだ喋れないはずの主人公がガンガン喋っていたので修正しました。

 目を閉じ休み始めたロプスをそっと抱いたままキュクは静かに立ち上がった。

 このままここにいては先ほどのようなモンスターに教われる可能性があるからだ。

 キュクは音を立てぬように静かに歩き出した。

 メイドにとって音を立てずに歩く事は造作もない。先程は音によってきたモンスターの強さを確認するために足音をわざと立てていただけである。

 キュクの思惑よりも少々強かったがモンスターと遭遇しプロスの経験値も増やすことが出来たのでキュクとしては計画どうりと言ってよかった。


 後は安全性の高めな隠れ家を見つけ経験値を増やす事が当面のキュクの目的である。

 おっと主人の安全の為少しずつ色々なことをさせる有能なメイドなので別に触手を増やすためとかではない。


 通路を暫く歩いて行くといくつかの小部屋を通り奥へと進んで行く。幸い小部屋には先達やモンスターはいなかった。

 所々の道に迷わせる為の分岐や小部屋内にいくつかの道がありその度にロプスが適当に選んで進んでいった。


 俺はまったくマッピングとかをししていないが全てキュクが覚えているので問題はない。別に俺が何も出来ないわけではない恐らく女騎士とかいれば活躍できるはずである。


 しばらく散策しているとまたも角の先にオークゾンビもどきを見つけた。今度はまだこちらに気づいていないようだった。

 俺は早速進化し手に入れた力を使ってみることにした。


 【霊視】を使うってどうすれば良いんだ?多分念じるとかかな。霊視!


 するとオークゾンビの体の周りに赤いモヤのようなものが見えた。


 これあれかな?オーラとかいうアレかな?


「恐らくそういった類いのものかと思われます。それにしてもあのオークは随分やる気がありませんね」


 オークゾンビは扉の前に立ち警備をしているようであったが、時おりアクビをしていた。


 アクビするのな……ゾンビみたいなのに……いや生きてるけど……。

 というか、今キュクさんサラッと言ったけどもしかして【霊視】できるのか?


「メイドは主人の出来ることを全て出来るものです」


 逆じゃないのかと思ったもののメイドなので出来ることに納得した。

 ロプスはオッサンの洗脳もとい……教育によってメイドの認識がおかしいのである。


「また、体が所々欠けていますね。今度は耳とももですか」


 うーん、なんでだろうな。欠けてるのが仲間の証とか?いやないか。

 まぁいいや【幽鬼の腕】を使ってみるか……。

 うでーうでー……あ、出た。


 それは【霊視】でのみ見ることの出来る腕であった。試しに【霊視】をやめると見えなくなった。

 他にも物体には触れられ無かった。

 体に触れようとすると透過して触れることもできなかったが体を通ると凄い寒気が襲ってきた。冷気によるものではなく恐怖を感じた時などに感じる類いのものである。


 これは結構便利なのではないだろうか?これでオークを触ればびびって何処かへ行かないだろうか?


 試しにオークへと伸ばしてみた。

 オークは手が触れるとゾゾッとしたように周りをしきりに気にしていた。


 おーびびってる。まぁ俺でも同じだけどな。


 そのままオークの体の中を手で触れていると玉のような物に触れた。


 なんだこれ?引っ張ってみよう。


 グイグイと引っ張るとオークの中からスポンと玉が抜けた。


  ドサリ


 オークが仰向けに突然倒れた。

 そっと二人で近づいて俺は触手を伸ばしオークを突っついてみた。


  ベチャベチャ


 oh……凄いヌルヌルしてる。


「!!……ロプス様オーク等でなく私に!!!」


 オークは動かない。


「ふぅ……死んでいるようですね」


 キュクは残念そうに言った。そんなに触手が好きか。


「いえ、ロプス様の触手だけです」


 貞淑な女だ。触手が対象でなければいい台詞だったはずである。

 いや、触手でも問題はないが……。

 とりあえず、何故オークが死んだのか考えなくてはいけない。……まぁ確実にあのスポッと出た丸い玉だろう。

 魂とかかな?


「恐らくその認識で正しいかと」


 オークから出た玉…魂は出た後少ししたら消えてしまった。

 天に帰ったのかそれとも単純に消えたのか……。


「モンスターの魂は天へは行けません。すぐに魔力として還元されまたモンスターとなって生まれてきます」


 今サラッと言ったけど結構重要な情報じゃなかった?


「いえ、わりと常識的に知られていますね」


 そうなんだ……。この世界の人間は魂関係も調べてんのか……すげーな。


「この方法で倒せるのはあまり魔力を持たないような生き物だけですね。魔力が多いと抵抗されたり防御方法を持っていたりすると思われます」


 雑魚狩り用か……。まぁ脳筋には効くからいいか。


「戦士も上級になると闘気とか使えるので効きませんね」


 二人はそんな話をしながら扉を調べた。扉には鍵がついおり押してもびくともしなかった。

 なので先にオークの死体から鍵を探すと共に使えそうな物を剥ぐことにした。

 残念ながら武器として使えそうな物は見つから無かったが鍵束を見つけた。

 鍵束の鍵を使い扉を開いた。

 扉は錆びた音を立てながらゆっくりと開いた。

 開いた扉から中を覗き込むと随分と薄暗かった。

 キュクは警戒しながらゆっくりと部屋へと入った。

 部屋は荒く削られた石を敷き詰めただけのものであった。部屋の中には家具や道具は一切なかった。

 奥へと数歩、移動すると壁にもたれるように干からびた死体があった。死体はよく見ると指が随分と短い。


 ここには何も無さそうなので部屋を出ようと踵を返した時である。


『ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい』


 入り口の壁一面に黒っぽい赤色で文字が書かれていた。


 ゾワリ(・・・)と背後に気配を感じた。


 そこには指の短い女が立っていた。

 女は奇声を上げながらこちらへと一直線に走ってきて…………体をすり抜け扉の外へと出ていった。


 【霊視】をしたままだったのである。何かが見つかれば良いと思い発動したままで部屋に入ったが本当に霊がいるとはいやな話である。

 改めて部屋を調べる必要性が出てきた。ここで何があったのか調べればこのダンジョンのことが少しは解かるかもしれない。


 暫く改めて調べてみたが死体が何もつけていない事以外は何も見つからなかった。


ミスが多いときは恐らく作者の脳が目玉に圧迫されているのです。

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