05 転生者ガルバッド
俺はガルバッド。冒険者だ。
今日もパーティの奴等と一緒に森を探索していた。
「それにしてもガルバッドはスゴいわね」
魔法使いの女はそう俺を誉めてくれた。
「そうだな空の探索者ってのは扱いが中々難しいんだろう?イメージが大事で後は複数の情報を一瞬で把握する能力だっけか?」
戦士の男は顎に手をあて記憶を掘り起こすようにようにして言った。
「まぁ、俺は転生者だからな。こういうのには慣れてんだ」
「ふーん転生者ってのもピンキリって聞くけどガルは中々凄いほうなんじゃない?」
「はっはっはあんまり誉めるなよ。調子に乗って失敗されたらかなわんからな」
「しねーよ」
そんな風に軽口を叩きながらいつものように森の中のゴブリンやオークを狩っていた。
俺は転生者だ。転生したときは歓喜に震えたがそれも一時のことだった。
親の顔を見たときに眼鏡へと性愛を覚えて恐怖に震えた。
とりあえず性癖を変える魔道具を手に入れるために金を貯めなくてはいけなくなった俺は冒険者になった。
前世から憧れていたというのもあったからだ。
今では転生チートもあり中級の冒険者になった。
「そろそろシーカーを飛ばして周りを確認したほうが良いな」
俺はシーカーを空へ浮かべ周りの確認をしていた。
すると森の中に少女がいた。
「ん?女の子だ」
「何だって?冒険者か?」
「いやメイド服を着ている。恐らく子供だと思う」
「なんでこんな所に子供が……」
俺はシーカーを近づけていく。
すると少女がこちらに気づき素早く木陰に隠れた。
「…………」
「どうしたの?」
「ははーん水浴び中とかだったんだろ。このエロ助め」
「一つ目」
「ん?」
「一つ目?」
「女の子が一つ目だった」
俺はチラッとだが確かに見た。
少女は一つ目だった。
「少女の形をしたモンスターだ」
「人型か……厄介だな」
「早めに潰しとく?」
人型のモンスターは知能が高い傾向にあり転生者の場合などはユニークスキルを持っていてとても危険視されている。
俺はとりあえず見失わないようにシーカーで追跡した。
「くそ、なんだこいつ……上手く木陰に隠れながら走るから追跡しずれぇ」
「かなりレベルが高いってことか?」
「いや、レベルは1だ。ただ、技術が凄い。追跡者の撒き方を知ってやがる」
「かなりの手練れってことね。確実に転生者でしょうね」
「すぐに向かおう」
「いや、この方向は……!」
「どうした?」
「狂愛のダンジョンへ入った。これ以上は追跡できない」
「狂愛か……幸い俺たちも条件は満たしているが入るのは止めた方がいいな」
「頼まれてもあそこには入りたくないわ」
「一応帰ってギルドに報告だけしておこう」
「そうだな……まぁあそこなら出てこれないと思うがな」
俺たちはダンジョンのある方向を一瞥し街へと足を向けた。